指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

抗ヒスタミン薬の目薬について

10歳未満女性

花粉症の4歳の娘がいます。
小児科でジルテック、ナゾネックス点鼻薬、アレジオンEXを処方されていたのですが、症状がおさまらず眼科を受診したところ、D・E・X点眼薬とケトチフェン点眼薬を処方されました。
薬について調べていたら、ケトチフェンはザジテンという第二世代抗ヒスタミン薬ということがわかりました。
第一世代抗ヒスタミン薬は熱性痙攣を誘発しやすいことを知っているのですが、ザジテンも熱性痙攣を誘発する可能性があると書かれていました。
これは飲み薬だけでなく点眼薬でも同様でしょうか?
夕方から夜にかけて目が腫れるほど症状が出ていたのですが、この2つの点眼薬を使ったら少し落ち着きました。
薬が強すぎるのではないかという心配もあります。
ご回答をお願い申し上げます。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。4歳のお子さん、抗ヒスタミン薬の点眼薬とけいれんについて、「花粉症があり小児科でジルテック・ナゾネックス点鼻薬・アレジオン点眼薬処方、症状がおさまらず眼科受診しD・E・X点眼薬とケトチフェン点眼薬処方、ケトチフェンは熱性痙攣を誘発する可能性があると書かれていた、点眼薬でも同様か?この2つの点眼薬を使い落ち着いた、強すぎる?」というご質問でした。

まずは、「抗ヒスタミン薬」と熱性けいれんについてですが、「熱性けいれん診療ガイドライン2015」(日本小児神経学会)に記載があります。「抗ヒスタミン薬自体が熱性けいれん発症率、再発率を上昇させるというデータはない」ようですが、抗ヒスタミン薬服用中の方が「けいれんまでの時間が短い」「けいれんの持続時間が長い」報告があります。「脳内ヒスタミン濃度」と「けいれんの持続時間」は逆相関するとも書かれております。ただ、ケトチフェンの内服の有無で「けいれん重積の差が無かった」という報告もありますが、大規模な研究は無く、やはり「鎮静作用の少ない抗ヒスタミン薬」の使用が望ましいとされております。ケトチフェンは第2世代ながら「鎮静性の抗ヒスタミン薬」となります。

その「鎮静性の抗ヒスタミン薬」については、東北大学の谷内先生が書かれた「小児における抗ヒスタミン薬の選択について考える」に詳しく書かれております。



図によると、ケトチフェンは脳内移行の多めの薬剤ではあります。点眼なら少ないから良いのではないか?と思いたいところですが、同じ図の中で「ケトチフェン点眼」も脳内移行が多いことがわかりますので、お子さんには、特に熱性けいれんを起こしたことがあるお子さんにはお勧めしにくいかと思います。

D・E・X点眼薬は「ステロイドの点眼薬」でより効果が高いと思いますので、こちらだけでかなり改善する可能性が高いです。ご心配であればケトチフェン点眼薬を中断して、再度眼科の先生にご相談されると良いかと思います。

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2023年03月12日 00時47分


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