相談詳細

がんの治療方針と緩和医療について

70代男性

70になる父が、最近咽頭癌と診断されました。主治医からは放射線治療で癌をある程度小さくしてから、抗癌剤で治療していくのが良いのではないかと説明を受けました。

しかし、当人はタバコとお酒、そして食べるのが大好きで、病院に入院して治療することを拒否しています。癌の治療をすればその先もっと好きな物を食べたり、好きなだけタバコやお酒も飲めると説得しても完全拒否です。入院するくらいなら死んだ方がマシだと言っています。ただ、飲み込みにくさと痛みがあり、固い物がだんだん食べにくくなっているようですし、全く病院を受診させない訳にもいきません。

緩和医療では好きなものが食べられたり、お酒が飲めたりすると聞きました。父の場合、癌が進行しすぎていて手の施しようがないというわけでもないのですが、緩和医療という選択もできるのでしょうか。父の生き方を尊重したいと思いますが、やはりこの状態では、どの医師に相談しても積極的な治療を勧められるでしょうか。

回答済み

緩和医療科

ご質問ありがとうございます。 私は耳鼻咽喉科医師ではありませんので咽頭癌の治療は行いませんが、主に肺がんなどの診断、治療にあたっておりますので一般論としてお答えさせていただきます。 お父様の御病気と症状についてお辛いですよね。 もちろん我々医師は一般的に良いとされる治療を御提案します。一方で、治療できるのに治療を希望されない方もいらっしゃいますし、それはその方の生き方ですから尊重しなければならないと思っています。肺がんの患者さんで死ぬまでタバコはやめたくないし治療もしないという方は時々いらっしゃいます。その場合には、治療をする場合、しない場合にどのようなメリットデメリットがあるかをきちんとお話したうえで、それでも治療しないという選択をされた時には尊重しています。もちろん癌の治療をしなくても、症状を緩和するための治療については必要に応じて行います。まずはきちんと病状や治療、それを行う場合、行わない場合どうなるのかをよくお話されたうえでご本人の意思を尊重してあげると良いかと思います。

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2021年11月10日 05時58分


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初めまして、ドクター心拍と申します。専門は呼吸器科・感染症科です。 新型コロナウイルス感染症診療にも携わっています。 

普段から患者さんやその家族の一般の方向けにわかりやすく丁寧に説明するように心がけております。 
【資格】
総合内科専門医
呼吸器内科専門医
医学博士
ご質問ありがとうございます。Takashi@耳鼻咽喉科と申します。 ご本人、ご家族の皆様も辛い状況と思います。 咽頭癌の状況にもよるのですが、治療方針はご本人やご家族の希望に沿うことができます。緩和医療はどの段階でも導入できます。 我々医師は患者さんを癌と診断した時、その進展度合いやご本人の状況から、治療の選択肢をいくつか考えます。その上で患者さんご本人とご家族に考えてもらって、最適な方法を一緒に考えていくことになります。ですから、医者や看護師にご本人、ご家族の率直な気持ちを打ち明けて相談してみてください。 今回の相談者さんのケースですと、ご本人は治療を受けたくなく、ご家族の相談者の方は治療を受けて欲しいという思いの違いで悩まれているのだと思います。まずはご本人に「なぜ治療を受けたく無いのか」と言う理由を聞いてみてはいかがでしょうか。最終的に治療を受けるのはご本人ですので、その気持ちをなるべく受け入れあげてください。そして、相談者の方はなぜ治療を受けて欲しいかと言う気持ちをご本人に伝えてみて下さい。その上で、結論は急がず主治医や看護師と治療方針を話し合ってください。 皆様にとって最良の方針が見つかることをお祈りしております。

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2021年11月10日 06時42分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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