乳児の睡眠環境について

10歳未満男性

2ヶ月の子を育てています。
Twitterで、ベビーベッドにはブランケットなど何も置かない方がいいと医療従事者の方が注意喚起されているのを目にしました。

ですが、これまで小児科医監修の育児書や
出産入院時の指導で以下のように学び実行してきました。

・授乳後、ゲップが出なかったらタオルやクッションなどで上半身をやや高めに寝かしておく
(吐き戻しによる窒息防止)

・布団はベビー布団を使う

これらは安全面からすると誤りということでしょうか。
(では吐き戻しの窒息防止は?ゲップがでなかったときも平らに寝かせておくべき?)

布団がないと寒そうで厚着にしてしまいそうですが、温めすぎも突然死の要因と聞きますし、全てに気を配ろうと思うと何が正解か分からなくなってきました。

実際、産院でも掛け布団も使うし枕元にガーゼも置いてありましたが…あれは呼吸感知センサーがついているから大丈夫というだけで、家庭ではすべきではないのでしょうか。

ベビー用として掛け布団が当たり前に売られている中で、何が正解が判断しづらいので
吐き戻し対策も含め、正しい睡眠環境の作り方についてご教示いただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。

回答済み

小児科

【2か月の赤ちゃんが寝る時の環境について】のご質問ですね.


2023年4月の中旬にSNSで, 「赤ちゃんがよく寝る環境」として小児科医からみると明らかに危険な発信がありました.


注目度の高いテーマですので, 

大切なお子さんを親御さんと小児科医で守るために回答できればと思います.



ゲップを出すためにタオルやクッションで上半身をやや高めにすることについて

「ゲップを出しやすくするために, 縦抱きにしたり, 上半身を高くしましょう」という指導は僕も行います. ゲップを出すために必要なことだとも思います.


ただ, その状態をそのままにすることはやめた方が安全だと思います.

・鼻や口がクッションやタオルで塞がれて窒息するリスク, 

・頭の下にクッションが入ることで首が曲がりすぎて空気が通る軌道が閉塞してしまうリスク

があるからです.


ゲップが出ない時に上半身を高くすることは必要ですが, 15分〜30分くらいにした方が安全です.


生後2ヶ月頃ですとお母さんも(お父さんも)疲れてくる時期ですので, タイマーを使って, 親御さんが眠ってしまってもそのままにならない仕組みが必要だと思います.


ベビー布団について

ベビー布団はあえてクッション性を低くくして硬い素材・構造で作られています.

ですので, 安心して使用していただけると思います.


ベビー布団のセットに入っているかけ布団も顔の上にかかっても, 完全に鼻や口を塞いでしまうリスクは低いのです.


一方でクッションやタオルはずれたときに, 柔らかいものであればあるほど, 窒息のリスクを上げてしまいます.


 ガーゼも呼吸感知センサーがついていない家庭では基本的には置かないほうが安全だと思います.


改めてですが,

・ゲップ対策として上半身を高くすることはあるが, 

 時間を決めて, タイマーを併用することで, タオルやクッションを使った状態が続かないようにする.

・ベビー布団は赤ちゃんが窒息しないような安全対策が取られていることが多く, 基本的には安心して使用できる.

・ガーゼは顔の近くにはおかず, 絶対に手の届かない, 足側に置く.


このような内容になるかと思います.


記事として残る文章としてはどうしても安全面を重視した内容となってしまいますし, あの投稿に反応した小児科医の表現は親御さんを不安にさせるものだったと思います.


完璧な100%の安全など存在しないからこそ, 赤ちゃんの安全を守る親御さんたちにとって, 恐怖と大きな負担をかける内容だと, 正直に思います.


ただやはり, SNSの内容は明らかに危険なものであり, 

多くの小児科医が反応しました.


今回の内容を読んでいただき,

お子さんの安全を守る環境を作ることに繋げていただければと思います.

親御さんの気持ちでお子さんの安全を守るのではなく,

【危険を回避する仕組みで】お子さんの安全を守り,

親子で安心できる状況を取り戻していただきたい,

そう思っております.


参考になれば幸いです.

お忙しい中、具体的で分かりやすいアドバイスをいただき大変ありがとうございます。
なかなか全てに気を配るのは難しいなと感じていたので…不安に寄り添ったご回答をいただき嬉しく思います。
Twitterの方も今後とも参考にさせていただきます。

3

2023年04月15日 16時58分


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【公認心理師】の資格も保有してます.

3次救急を行っている当直医としても働いています.
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