指名:産婦人科医とみー 先生

低用量ピル服用時のリスクと避妊について

30代女性

PMDDの対策のため低用量ピルを飲み始めました。
血栓症が重大なリスクとして注意されました。
新型コロナに感染すると血栓症のリスクが上がるともよく耳にします。

低用量ピルを服用している人がコロナに感染したときの血栓症リスクは通常の人より大きいのでしょうか
ワクチンは打ち終わっていますが抗体も徐々に下がってきている時期ですし、ワクチンが聞きにくいと言われているオミクロン株が今後流行予測されています。
コロナ感染した際ピルユーザーが気をつけることはなんでしょうか。
コロナ感染の際はピルの服用は中止になるのでしょうか

また事故等で手術が必要になり麻酔などで動けない時間が長い場合ピルを服用しているとピル服用中は手術が受けれないなどの不利益な状況になる場合もあるのでしょうか。
PMDDを直したく飲んでいますがリスクに対してしっかり理解してとれる対応は事前に知っておけたらと思っております。

低用量ピルでもルナベルLDやフリウェルLD、ヤーズなどは避妊効果がないとパンフレットに記載と看護師さんからの説明を受けたのですが、避妊の効果があるという医師の方のお話も聞きます。
どちらが正しいのか混乱しております。
よろしければ先生のご意見伺えたら嬉しいです。

回答済み

産婦人科

ご質問頂きありがとうございます。 コロナ禍でもあり、色々とご心配なお気持ちをお察しします。 ①まず血栓症のリスクについてです。 VTE(周術期静脈血栓塞栓症)の危険因子によるVTE発症リスクは、10,000人年あたり、 褥婦:40-65人 妊婦:5-20人 OC・LEP:3-9人 であり、OC・LEPのVTEリスクは数倍程度の「弱い」危険因子とされています。弱い危険因子には、他に肥満や下肢静脈瘤があります。中等度の危険因子とは、高齢、長期臥床、うっ血性心不全、呼吸不全、悪性腫瘍、中心静脈栄養カテーテル留置、がん化学療法、重症感染症で、強い危険因子とは、深部静脈血栓症の既往、先天性血栓性素因、抗リン脂質抗体症候群、下肢の麻痺とされています。 ※OC:oral contraceptive 経口避妊薬、LEP:low dose estrogen progestin 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 ②また低用量ピル服用中に新型コロナウイルスに感染した場合についてです。 低用量ピル服用中に新型コロナウイルスに感染した場合は、内科の担当医にピルを服用していることを必ず伝えてください。 具体的には、新型コロナウイルス感染症の軽症時には低用量ピル以外の避妊方法を検討したり、呼吸症状の出現や重症時にはピル内服を中止し抗凝固療法(低分子ヘパリン投与)などを検討することが提案されています。一方で、新型コロナのワクチン接種のために、ピル内服を中止するような推奨・指針は出ていません。 いずれにしても重症・軽症に関わらず、低用量ピルの服用をストップするかどうかの検討が必要となりますので、お薬を処方してくれた医師にもご相談ください。 ③最後にLEPの避妊効果についてですが、 また、低用量ピルでもルナベルLDやフリウェルLD、ヤーズなどは100%ではありませんが、避妊効果はあります。しかし、もし避妊目的に低容量ピルをご希望される場合には、主治医の先生にお伝え下さい。 もし更にご不明な点がありましたら仰って下さい。どうぞよろしくお願いいたします。お大事になさって下さい。 【参考文献】 ① 日本産婦人科医会 https://www.jaog.or.jp/lecture/8-%E5%91%A8%E8%A1%93%E6%9C%9F%E3%81%AB%E4%BC%91%E8%96%AC%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E6%80%A7%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E8%96%AC%E5%89%A4%E3%81%AF%EF%BC%9F/ 日本産科婦人科学会:OC・LEPやHRTなどのエストロゲン製剤使用に関する注意 https://www.jsog.or.jp/modules/committee/index.php?content_id=147 ※OC:oral contraceptive 経口避妊薬、LEP:low dose estrogen progestin 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬

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2021年12月26日 04時09分


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