女性の更年期障害に対するプラセンタ治療について

50代女性

質問:
①女性の更年期障害に対するプラセンタ治療はいわゆる標準治療でしょうか。
②一般論として女性の更年期障害の標準治療は何か、また各々の最新リスク情報をざっくりと教えていただけないでしょうか。
③女性の更年期障害について、非医療者が医学的に正しい知識を習得するのに適するサイトや書籍、情報源があればご紹介いただけないでしょうか。

状況:
季節の変わり目に体調不良が続き一般内科クリニックを受診したところ、いわゆる逆流性食道炎と、気管支喘息の一歩手前と診断され、両者とも投薬治療となり、また尿酸値高めで食生活改善、肝臓関連数値高めで減量するよう指導されました。同時に、これらの症状はエストロゲン低下、いわゆる更年期障害の影響も考えられるということで、保険のきくプラセンタ治療を勧められました。

プラセンタ治療は皮膚科領域の怪しい治療法だと認識していたため疑問に思い調べたところ、更年期障害に対してはメルスモン注射が保険適用だと知りました。しかし具体的に更年期障害のうちのどの症状にどう効くのか、またどの程度の効果があるのかはわかりませんでした。

そこでPMDAサイトでメルスモンを調べたところ「(RCTで)更年期障害患者31例を対象に、本剤1回2mLを1週間に3回、2週間継続して合計6回皮下投与したところ、有効率77.4%(24例/31例)を示した。」とありましたが、更年期障害という個人差の大きそうな事例に関して僅か31例と少なく、症状などの条件分けがなされていないことに疑問を感じました。

日本産科婦人科学会サイトの更年期障害についての解説も読みましたが、プラセンタ治療に関する記述はないようです。

ここまでで、私としては「保険が効くのは本当らしいし効果はあるのかもしれないが、どうも怪しい?」という印象を持っており、更年期障害に対するプラセンタ治療を信用してよいのかどうかの判断が全くつかない状態です。

現在診断がついて治療が始まっている症状以外に更年期障害の症状が出ているわけではないため、現状のままであればプラセンタ注射は受けない所存です。しかし今後そのような症状が出た時のために、冒頭に書きました質問について教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

回答済み

産婦人科

ご質問頂き有り難うございます。 まず、ご質問頂いた2点について記載させて頂きます。 ①更年期障害の標準治療は、症状にもよりますが、ホットフラッシュ、発汗、不眠などがみられた際には)ホルモン補充療法(HRT)が一般です。 その他、症状によって漢方薬などを用います。 ②更年期障害といっても症状は様々です。①で記載した様なホットフラッシュ、発汗、不眠が主な症状の場合にはHRTを行います。また、更年期症状として抑うつなどの精神症状もみられることもあり、その場合には抗うつ薬を用いることもあります。 そのほか、多彩な症状に対しては、症状に応じてですが漢方薬を用いることも多いです。 ここで、HRTのリスク(マイナートラブルなども含めて)を記載させて頂きます。 HRT内服後のマイナートラブルとしては、性器出血、乳房痛、乳房緊満感があります。 HRTによって増加する可能性がある病気としては、冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、乳がん、卵巣がんがあります。 このように一般的なリスクを記載しただけでは少し怖い印象もあるかと思いますが、HRTを用いる際には、一般的に患者さんの年齢や、閉経後の年数、併存している病気の有無、使用する薬剤の種類によってリスクを鑑みながら使用します。 日本産科婦人科学会、日本女性医学学会から出版されている「ホルモン補充療法」というガイドラインがあり、一般的にはこのガイドラインを参照しつつ患者さんの症状に照らし合わせて対応しますので、主治医の先生とご相談して頂けましたら幸いです。 ①②のほか、プラセンタ療法について記載させて頂きます。 現時点ではプラセンタ療法は更年期障害の標準治療ではありませんし代替療法でもありません。しかし、確かに更年期症状がある方に対して保険適応となっています。 もし宜しければ産婦人科医のうち、日本女性医学会の専門医のいるクリニックや病院を受診して頂くことをお勧め致します。 こちらから専門医を検索することが出来ます。(https://www.jmwh.jp/n-ninteiseido.html) プラセンタに関しては、標準治療でも代替療法でもないため安易にお勧めは出来ませんが、(同様に完全否定も出来ませんが、)一般的な治療を記載させて頂きました。 更年期障害は非常に多様な症状があり大変お辛いと思いますが、少しでもお役に立てましたら幸いです。 また、御不備などありましたらお気兼ねなく仰って下さい。 どうぞお大事になさって下さい。

ホットフラッシュ治療について調べていた所こちらに辿り着きました。障害児育児中で通院もままならないので、知りたい情報が得られて助かりました。ありがとうございます。

2

2021年09月16日 17時35分


参考になりましたか?
ハートを贈り産婦人科医とみー先生を
サポートしよう!

産婦人科専門医。特に産科領域・婦人科領域に関するご相談を受けさせて頂いています。

相談一覧