指名:皮膚科医ちゃん 先生

ヨーグルト成分の入っているパックの経皮感作について

30代女性

2日前に、以下の成分が使用されているフェイス用パックを5分ほど顔に使用しました。

弱酸性 アルコールフリー 鉱物油フリー
〈保湿成分〉
酵母エキス、ローヤルゼリーエキス、水溶性コラーゲン
〈整肌成分〉
ヨーグルト液、豆乳発酵液、コエンザイムQ10(ユビキノン)
〈製品の抗酸化剤〉
ビタミンE(トコフェロール)

もともと特に乳アレルギーはないのですが、ヨーグルト液が使われていたことで経皮感作による乳アレルギー発症につながらないか少し不安に感じています。
使用時の皮膚トラブルなどは特にありませんでした。

現時点では牛乳を飲んだりヨーグルト、チーズを食べても特にアレルギーのような症状は出ていないのですが、これから症状が悪化するようなことなどがないか懸念しています。

5分ほどのフェイスパックの使用で、乳アレルギーでなかった成人がアレルギーを発症することはあるものでしょうか。

回答済み

皮膚科

ご質問ありがとうございます。 ヨーグルト成分が入ったパックによる経皮感作についてですね。 まず経皮感作についての質問とのことで、非常にアレルギーについて関心があり、熱心に勉強されていることと思います。皮膚科医としても心強い限りです。 本題に入りますが、結論から申し上げますと、「可能性はゼロとは言い切れないが、現状で過度に気にしすぎる必要はない。」というところです。 成人での経皮感作→アレルギーの成立で多いパターンとしては湿疹や皮膚のトラブル(皮膚のバリア機能の低下)があった上に、頻回のアレルゲン暴露があった場合に成立することが多いです。例えば、アトピーや手湿疹がある方が魚をさばくお仕事をしていると、魚のアレルゲンに感作されて魚アレルギーが成立するなどです。(ただし、成人の経皮感作で生じる食物アレルギーの中で、数年前話題になりました茶のしずく石鹸による小麦アレルギーは、少し様相が異なり、顔の皮膚トラブルがなかった人にもアレルギーを発症し、これには遺伝性背景もあったようです。) ですので、今回、皮膚トラブルがない状態で、1回のみのパックによる暴露ということを考えると、このエピソードだけでアレルギーが成立する可能性は高くないと思います。 ただ、顔面のパックで接触皮膚炎(かぶれ)を生じる症例も増えておりますし、パックを使用する顔の皮膚はとても薄く、自身では気づいていない微細な皮膚バリア機能の低下がある可能性もあり、それに加えて眼や鼻には粘膜もありますので、食物アレルギーが成立しやすい製品です。ですので、そのようなパックは避ける方が無難かと思います。 お役に立つ回答であれば幸いです。

お忙しい中、迅速なご回答ありがとうございました。過度に心配しすぎる必要はないとのことホッと致しました。
今後は食品成分の含まれるパックは使わないようにしようと思います。ありがとうございました。

2

2022年12月15日 09時33分


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皮膚科専門医、1児の母でもあります。

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