相談詳細

指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

卵黄の与え方について

10歳未満女性

生後8ヶ月(修正月齢7ヶ月)の子どものことでご相談があります。

卵黄を始めて、耳かき16杯まで進みました。
耳かきの単位?であげているうちに、適切な量を与えることができているのかよくわからなくなってしまい、16杯まで来てしまいました。

私が卵白を始め、様々なアレルギーを持っているため、子どもに食べ物をあげる時はいつも心配になってしまいます。

これは小さじどのくらいでしょうか?
卵黄1個分は小さじどのくらいでしょうか?
これまで、卵白に接している卵黄の部分は与えないようにしてきました。
卵白にチャレンジするまではこれを継続した方がいいでしょうか?
また、小さじ単位であげるようにした方がいいでしょうか?

回答済み

小児科

ご指名でのご質問ありがとうございます。 8ヶ月のお子さん、「卵黄を耳かき1杯ずつ食べ進めている、小さじ1杯ずつの方が良い?卵白はいつから?」というようなご質問でした。

親御さんのアレルギーのこともありお子さんの食物アレルギーがご心配ながら、おそらく親御さんは食物アレルギーを発症されないために「食べ始めを遅らさない方が良い」ことをご存知で、ご心配ながら遅らさずに卵黄から食べ始められているのだと思います。素晴らしいと思います。

ご存知のように、鶏卵アレルギーの普通のアレルギーのタイプ=即時型は卵白が原因ですので、アレルギーかあるかどうかの確認、あるいはアレルギーの予防のためには、「ある程度の卵白」を少しずつ食べ進める必要があります。(卵黄を食べて数時間後に嘔吐が出るという卵黄の消化管アレルギーというものもありますが今回は割愛します。下記のnoteも参考にしてください)

「少しずつ食べ進める」というのは、食物アレルギーの原因のタンパク質の量が多ければより強い症状になる可能性がある、少ない量であれば出る症状がより軽く済む可能性があるためということです。つまり、「少しずつ食べ進める」ということは、「アレルギー症状を出さない」ということが目標ではなくて、「アレルギー症状が出ても軽い症状だけで発見、極力ひどい症状・アナフィラキシーを起こさずにアレルギーがあることを発見」するためです。

その「少しずつ」というのがどれくらいの量なのかについては、明確な答えはありません。親御さんのご心配に合わせて、お子さんのアレルギーの素質に合わせて、「耳かき1杯」だったり、「赤ちゃんスプーン半分」だったり、「小さじ1杯」だったりします。 ですので、お子さんが「耳かき1杯」で進める方法自体は特に問題はありません。

また「小さじ1杯」にこだわる必要も無く、ご心配なら「耳かき1杯」ずつ、少しご心配が減れば「2杯ずつ」「3杯ずつ」と増やしていかれても良いかと思います。それがご面倒であれば、お手持ちの赤ちゃんスプーンや小さじなどと「耳かき1杯」とを比べて量を換算されて変更されていっても良いかと思います(下記のnoteも参考にされてください)

最初に書いた通り、通常の鶏卵アレルギーは卵白が原因です。今後、卵黄を丸々1個食べても卵白の1g未満(1/40個未満)の量にしかなりませんので、卵黄は栄養的に良い、最初の食べ始めには良いですが、出来ればお早めにクリアして、卵白を少しずつ試していかれると良いかと思います。やはり卵白の開始を遅らさない方が卵白アレルギーの発症の予防になる可能性がありますので、卵黄が量的に食感的に食べ進められなかったら、むしろ卵白を微量から開始する方が「卵白の食べ始めが遅れ過ぎず」に卵アレルギーの予防には有利になる可能性があります。

「少しずつ食べる」、抽象的な表現で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

下記の僕のnoteもご参考になれば幸いです。

アレルギーに配慮した離乳食の進め方

鶏卵アレルギー:鶏卵に関するお役立ち知識&誤解されていそうなこと

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2022年12月17日 20時39分
編集済み


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