指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

扁桃腺摘出手術後の扁桃炎はありますか?

30代女性

小さい頃から扁桃炎を繰り返し、18歳のときに切除しました。20年前です。摘出手術後は、ほとんど熱が出なくなりました。ただ30代になり、右側のくびの付け根あたりを押すと痛みがあり、病院を受診すると手術の影響かもしれないが心配ないと言われていました。

昨日から右の扁桃腺があったところが腫れて膿が1つついています。こんなことは手術以来初めてで、舌で触ろうとすると痛みがありますが、飲食はできて、痛みもありません。熱もありませんが、頭痛はあります。身体は少しだるい程度です。
お伺いしたいのは、扁桃腺摘出手術をしたのに、扁桃腺があった辺りに同じような炎症や膿ができたりするのでしょうか??
右側だけなんですが、ネットだと片方だけだと咽頭がんの可能性があると出てきて不安になっています。片方だけ炎症が起きることもあるのでしょうか。

耳鼻科を受診し、抗生剤を5日間処方されて、様子見なりましたが、上記のことを聞けずに帰ってきてしまいました。教えていただけると不安が消えると思うのでよろしくお願いします。

回答済み

耳鼻咽喉科

ご質問ありがとうございます。口蓋扁桃摘出術をうけたにもかかわらず、同じ部位に炎症・膿がついているということなのですね。最終的な判断は抗生剤の反応や経過を見ていくことになりますが、扁桃摘出後の部位に、同じような炎症を生じる可能性は十分ありえると考えます。 まず、摘出された口蓋扁桃(通称:扁桃腺)というのはリンパ組織の一部で、のどの免疫をつかさどっています。扁桃炎をくり返す場合には手術による摘出の対象となり、摘出後扁桃炎はほとんど起こらなくなるのが普通です。だだし、扁桃炎をおこすのは口蓋扁桃だけではなく、舌の付け根の舌扁桃、鼻の一番奥にある咽頭扁桃も扁桃炎を起こすことがあります。 さらに、喉の粘膜にはリンパ組織が発達しており、小さいリンパ濾胞と呼ばれる、扁桃組織の親戚のような組織は無数に存在します。風邪を引いた場合、これらのリンパ組織はいずれも反応し、炎症・膿を生じることがあります。 では、口蓋扁桃を摘出したあとはどう治っていくのでしょうか。摘出後の部位は、術後に周りの粘膜やリンパ組織が伸びてきて覆われ、傷が治っていきます。口蓋扁桃は組織的に舌扁桃と連続しており、傷が治るときに舌扁桃の組織が傷を覆うように伸長してくることがあります。「口蓋扁桃を摘出したのに扁桃腺がまたできてしまった」という訴えをされる患者さんをしばしば見かけるのは、これが原因です。このような場合であっても口蓋扁桃摘出により発熱が抑えられていればそのまま様子をみるようにします。 さて、相談者様の場合ですが、おそらく口蓋扁桃摘出後の部分に新たにリンパ組織が伸びてきたのだと思われます。そして、そのリンパ組織に対して炎症がおこり、反応して膿がついたように見えたのでしょう。これは一般的な風邪でも起こりうることですので、今後もくり返すかもしれません。症状がどれくらいで改善するか、治療に反応するか、ということで判断するようになります。 年齢から考えると癌の可能性は非常に低いと言えますが、所見によって言えることが異なりますので、耳鼻咽喉科への通院は継続していただきたいと思います。 以上回答させていただきます。この回答がお役に立てば光栄です。またわからないことがありましたらお気軽にご質問ください。

丁寧なご回答ありがとうございました。安心しました。様子をみて受診など継続していきたいと思います。

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2023年01月27日 08時08分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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