相談詳細

薬の使用に否定的な家族にアドバイスがほしい

10歳未満男性

生後三ヶ月男児の母です。私が子供の時からアトピー性皮膚炎を患っています。
息子も生後一ヶ月を過ぎたくらいから首や耳周りなどの湿疹や全身の肌の乾燥が目立つ様になったため、小児科でステロイドの薬と保湿剤をもらっています。現在は頭皮の症状がひどくなってきて、後頭部の皮膚が剥けて赤く腫れているような状態になっています。
夫は肌が強いため、薬を使用することに否定的です。保湿はしぶしぶ同意してやってくれるのですが、ステロイド薬はあまり塗りたくないようです。お風呂でしっかり洗い、肌を清潔に保てば治る、というようなことを主張され、そろそろ参ってきてしまいました(そのやり方を実践しているうに頭皮の症状がひどくなり、結局お薬もらいに行きました…。)
薬を適切に使い早く症状を治して、保湿剤で良好な状態を保つのがよいということを理解してほしいのですが、どのように説明すればわかってもらえるのでしょうか。小児科に一緒に行って、先生に直接説明してもらってもあまり効果なく(医者だったら薬使うことを立場的に勧めるに決まってる、などと言われてしまいます)、先生のご経験から知恵をお貸しいただければと思います。よろしくお願いします。

回答済み

小児科,皮膚科

ご相談ありがとうございます. ステロイドを使うことに否定的な気持ちをお持ちの旦那さん(お子さんにとってはお父さん)にどのような伝え方をすればよいか, 話せば理解を得られるか, そのような相談だと思います. これはすごく難しい相談/状況だと感じます. アトピーや喘息などのアレルギー疾患に決して多くはない量のステロイドを小児科医や皮膚科医は使います. ただこのステロイドに対して, 感情的な理由から拒否的な反応をされる方は少なくありません. 自然療法や親御さんやお子さん本人の努力でなんとかしようとしてしまうことがよくあります. 科学的な説明や根拠を伝えることでは解決しないように思います. また相談者であるお母様自身の心情も心配になります. ステロイドを使わないお父さんに, アトピーを持つお母さんが否定されている気持ちになっていないかが心配です. 私の杞憂であればいいのですが… ステロイドを使うかどうかでお父さんとお母さんで口論するのはお母さんにとってもお子さんにとっても, いい状況ではないと思います. ひとまずは, 保湿を行ってくれるお父さんには感謝を伝えましょう. そして保湿を継続しましょう. その上でステロイドの外用薬をお母さんである相談者様が使用される形がいいのではないかと思います. 保湿剤とステロイドを塗るタイミングは同時でなくてもいいと思います. 保湿剤を塗るのをお父さんが行ってくだされば, お母さんの負担も減ると思います. (ステロイドが必要な部位は保湿剤を塗る部位よりも少ないはずだからです.) その上でなんとかお子さんの皮膚の状態を良い状態に保てればと思います. 一度肌の状態が良くなれば, お父さんとお母さんのバトルも起きにくくなるのではないかと思いますし, 何よりお子さんの皮膚の状態も悪化しにくくなります. ある意味, お父さんに理解してもらうことは諦め, 今, お父さんが行ってくれることに感謝する. お子さんのために, そのような心構えの変更をする必要があるのかもしれません. お母さんがお父さんに感謝を伝える中で, お父さんが少しでもお母さんの話に耳を傾けてくれれば, お子さんの肌の状態の改善を実感し,薬の必要性を理解してくださればと思います. 根本的な解決策ではないので申し訳ないのですが, ステロイドに拒否的な反応をされる親御さんと接する立場の小児科医として現実的な提案させていただきました. 少しでも参考になったら, 相談をしてくださったお母さん, お子さんの負担が少しでも減ればと思います.

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2023年02月06日 16時10分
編集済み


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専門は
•小児の心身症
•発達相談
•病気をもつお子さん,きょうだい,ご両親のメンタルサポート
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です.

【公認心理師】の資格も保有してます.

3次救急を行っている当直医としても働いています.
お産の立ち会いにおける新生児の蘇生, けいれん, 呼吸器感染症, 喘息, 胃腸炎の対応なども行っています.

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ご質問ありがとうございます。 3ヶ月のお子さん、「生後1ヶ月から湿疹、母アトピー性皮膚炎、父は肌弱くなく塗布剤に否定的で洗浄だけで治ると主張(実際は悪化)、小児科で説明を聞いたが理解されず、どうすれば良い?」というご質問でした。 先にNK先生が精神的なアプローチをメインにご回答されましたので、ぜひご参考にして頂いて、僕からはアレルギー専門医として違う視点でご回答させて頂きます。 塗布剤、特にステロイド外用薬を塗ることを嫌がられる方は以前よりだいぶ減りましたが、時々外来にいらっしゃいます。多くの方は、ご自身やご家族がアトピー性皮膚炎で、ステロイド外用薬の不適切な使用で良い印象を持っていない、漠然と怖い、過去にステロイド外用薬以外で改善したから必要が無い、などの理由かと思われますので、お父さんのように肌が弱くなくて必要性がわからないという方はそのような方よりはもしかするとご理解して頂きやすいかも知れません。 ステロイド外用薬を嫌がるような親御さんにアトピー性皮膚炎の治療について説明する際には、主に「皮ふを良い状態に保つ必要性」をお話しております。具体的には、「経皮感作」について、つまり、皮ふを良い状態に保っておかないと皮ふからアレルゲンが侵入してその後食物アレルギーや鼻炎など次のアレルギー疾患を発症してしまう可能性があること、スキンケアの方法=洗浄や保湿で「湿疹の予防」をして、「湿疹が出来たら早めにステロイド外用薬などで治療する」なとをお話しております。もちろん、湿疹が多いとお子さんがかゆいですし、バリアの破綻からバイ菌感染が重なったりするリスクもあります。 最近では、「経皮感作」についての一般の方への情報も多くなっており、やはり、重症な食物アレルギーになってしまうと将来的にもお子さんが大変な思いをする可能性があることをご想像して頂けることが多く、「経皮感作」を防ぐべく早期の湿疹の治療の重要性をご理解頂けることが多くなってきております。それに伴い、ステロイド外用薬を塗ることに反対されることもさらに減ってきている印象があります。 (もちろん皮ふの状態を良く保つだけで食物アレルギー含め他のアレルギー疾患を全て予防出来る訳ではありませんが、食物アレルギーの予防としては「皮ふを良い状態に保つこと」「少しずつ食べ進めること」が重要かとは思います) お父さんにも「経皮感作」について、スキンケアの考え方、湿疹を早く治すメリットなどをお話して頂いて、ご理解頂くと良いかと思います。大変ですが、お子さんにとって重要なことかと思いますので、無理なさらず、よろしくお願いいたします。

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2023年02月07日 00時07分
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