AMHの低さと染色体異常の関係性
20代女性
いつもTwitter等を拝見しております!
染色体異常症について質問させてください。
ダウン症などの染色体異常は、年齢が高くなるにつれて発生率が上がる傾向にあり、それは女性の卵子の質が加齢により低下するから…という情報を目にしたことがあります。
私はAMHが低く(28歳時点で0.39)、片側卵管閉塞だったこともあり、体外受精をして29歳で妊娠しました。
年齢自体は20代ですが、AMHは40代後半の平均と同じくらいなので、質もあまりよくないのではと懸念しています。
AMHの低さと卵子の質、そして染色体異常の発生率には相関が見られるものなのでしょうか?
NIPTを受けるかどうか迷っており、その判断基準の1つとしたいため、ご意見伺えますと幸いです。よろしくお願いします。
回答済み
ご質問、ご指名いただき、ありがとうございます。
結論からですが「AMHの低さは染色体の数の異常には関連しない」ので、「染色体の数の異常は採卵時の年齢に依存する」と思ってください。
NIPTを受けるかどうかは、産婦人科の主治医や遺伝カウンセラーの方とよく相談してみてください。
あとは余談です。
ダウン症をはじめとしたいわゆる「トリソミー」と呼ばれる疾患でNIPTの対象となっているのは13番、18番、21番が3本になる「数的異常」です。一般的に女性の年齢の上昇が最も大きな原因の一つとされています。これらはどうして年齢が大きく影響するのでしょうか。
卵子の染色体は「減数分裂」の途中で停止して眠っています。排卵する順番が来ると排卵前のLHサージによってその分裂が再開して、成熟卵に進み、排卵します。例えば、30歳で排卵する卵子と40歳で排卵する卵子とでは、減数分裂の途中で停止している時間が10年も違います。高年齢なほど、より長い時間分裂が停止していたことで、分裂途中の染色体を束ねているタンパク質が減少してしまい、分裂が再開した時にキチンと二等分に分裂できない確率が上昇します。年齢が上がるほど分裂がスッキリいかなくなりやすいということです。その結果、成熟卵の染色体の数が多くなってしまい、その後の受精卵としても一本多ければ「トリソミー」となります。13、18、21番であれば生まれてくることもありますし(8割以上は流死産となります)、それ以外では生まれてこれませんし、そもそも着床まで至らないこともあります。
また一般的に、ダウン症のお子さんを産んだことがあると、次の子もダウン症の確率は1%、あるいは採卵時年齢からの確率の高い方とされています。
検査を受けることによる負担やメリットをよく考えていただいて、検討してください。
少しでも参考になれば幸いです。
迅速で とても分かりやすいご回答をありがとうございます。とても勉強になりましたし、しっかり向き合って考えようと思えました。
病院に次に行くのが2週間後だったので、このタイミングで質問できてよかったです。
2023年03月20日 15時33分
編集済み