指名:皮膚科医ちゃん 先生

ゲンタマイシン軟膏を処方された皮膚科に通い続けて良いか?

30代女性

先日初めてほくろ除去(サージトロン)を受けました。
来週傷の状態を見るため、それまで患部にゲンタマイシン軟膏を塗るよう処方されました。

以前やさひふ先生のnoteに「良い皮膚科はゲンタシンを処方しない」と書いてあり、(https://note.com/hifuka/n/n3fab3f36b439
受診した皮膚科は自費で「プラセンタ注射」や「ニンニク注射」「高濃度ビタミンC点滴」を取り扱っており如何なものかと思いつつ、上記については注意事項も明記されており、またダーモスコピー検査をやっていることから(言い方は悪いですが)まだマシな方だろうと判断し受診しましたが、このまま継続して通って良いものか心配です。

とはいえ近隣にプラセンタ注射を扱わない皮膚科はなく、選択肢がないのも現状です。
またダーモスコピー検査を扱っている皮膚科クリニックではありましたが、ほくろ除去に際し「ほくろを病理検査をして(検査すれば?)保険適用になる」旨言われましたが、この病理検査をするということがダーモスコピー検査…ではないですよね…?

特に拡大鏡で見られなかったので、せっかくできるところを選んだのになという気持ちと、単に忘れられただけなのか…どこで探せば良い皮膚科クリニックに巡り会えるのか、悩んでおります。

特にこれという症状の相談ではなく恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

回答済み

皮膚科

ご相談ありがとうございます。

ある意味なかなか難しい質問かもしれませんね。

どの皮膚科が良いクリニックかという意見については様々別れると思いますし、皮膚科としての能力ももちろん大切ですが、医師のコミュニケーションスキル、人間性なども含めて良い医師かという判断材料になるかとおもいますので、あくまでも私の見解という形でお答えさせていただきます。


まずゲンタシン軟膏に関してはたしかに感作、接触皮膚炎の可能性があるので、私自身もほぼ処方しません。ただ、その一方で、かなり古くから使われている軟膏でして、昔から慣習的に傷口に使われてきた薬でもあります。もちろん接触皮膚炎を生じやすい人、既往のある人には用いるべきではありませんが、特に既往のない術後の傷には湿潤を保つ(傷口には適度な湿潤環境がよいとされています)という点でいまだに処方されやすいというのも事実です。


また自費診療に関してですが、もちろん確実に患者さんに不利益という治療はすべきではないと思います。その一方でビタミン点滴などは患者さんに一定のニーズがある(インスタで見たのでやってみたいなどの理由で受診されたり…)ため、積極的に進めるわけではないけど、皮膚科クリニックとしてより多くの患者層に選択されたいという思いで、経営面からメニューとして置いているクリニックもあると思います。

ニキビに対するビタミン剤内服などもエビデンスはあまりないものの患者さんご自身が強く処方を希望されることもあり、処方しなければ「この医者はビタミン剤も処方してくれない」なんてGoogleに口コミを書かれたりすることもあると聞きます。


ほくろ切除の保険適応のお話ですが、一般的には、医学的に切除が必要(診断して良性悪性を判断する必要がある、日常生活で邪魔や出血するなど困難、不便なことがあるなど)な場合に保険適応になります。ただ、その裁量も一部は医師やクリニックの方針に任されているとも思います。質問者様のクリニックの場合、保険適応にするため、診断する必要があるという理由をつける意味合いでも病理検査を提案するという形なのだと思います。


わかりにくい日本語で申し訳ありません。

長々と説明しましたが、クリニックの治療方針には、経営面や医師の考え方などが入り混じり、色々な側面の考え方があるのだと思います。


なので、私自身は、クリニックのメニューはどんな皮膚科医なのかというある程度の参考にしますが、メニューだけで良いクリニックかどうかの全ては判断できない部分もあると思っています。(もちろん極端な場合は別ですが)


取り止めのない文ですが、ご参考になれば幸いです。

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2023年04月09日 19時47分


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皮膚科専門医、1児の母でもあります。

わかりやすく丁寧な回答を心がけます。お力になれば幸いです。

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