相談回答詳細

無痛分娩の危険性と方法について

30代 女性

無痛分娩について教えてください。妊娠7ヶ月目に入りました。一人女の子を普通分娩で出産してのですが、またあの痛みに耐えられる自信がありません。ですが、無痛分娩で何か問題が起こったらと考えると怖いです。出産直前に考えようと思っていたのですが、今通院している産院では無痛分娩を選択することができない為、産院の変更をしなければならないようで、早めにどうするか決めておいた方が良いと言われました。無痛分娩は、日にちを決めて陣痛促進剤を使いながら行うと読んだので、陣痛促進剤を使用するのも怖いです。 迷っている時間はあまりないのですが決められません。まるか先生にアドバイスもらえると嬉しいです。

麻酔科

ご質問ありがとうございます。 まずは結論から申し上げますと、無痛分娩は適切に管理を行えば最小限のリスクで鎮痛を得ることができるため、痛みに不安があるなら選択する価値はあります。(私の知り合いの麻酔科女医の多くも無痛分娩で出産をしています。) ネットや一般書では無痛分娩のデメリットが強調されてしまっていますが、無痛分娩のデメリットはほとんどが大きな問題にならないものかごく稀なものです。無痛分娩のメリットも考慮に入れた上で、どちらを選択するか検討いただければ幸いです。 ほとんどの場合で大きな問題にはならないデメリット 「帝王切開が増える」:以前は無痛分娩で帝王切開が増えるかもしれない、と言われていましたが、最近の研究では通常の分娩と差はないと言われています。 「分娩時間が長くなる」「子宮収縮薬の使用量が増える」:これはどうしても起こりうることです。しかし、子宮収縮薬を適切に使って、胎児が元気に下りてきていて、母体の痛みがとれているのであれば基本的には問題にはなりません。 「計画分娩になる」:マンパワーが十分で麻酔科医が24時間無痛分娩に対応できるのであれば計画分娩でなくても無痛分娩が可能ですが、まだ多くの施設で無痛分娩は計画分娩になります。計画分娩では有効な陣痛が得られず一旦退院になることもあります。 「吸引分娩や鉗子分娩になる」:吸引分娩や鉗子分娩は増えます(増えないとする研究もありますが)。新生児の頭表に傷ができることがありますが、脳には影響はありませんし、傷は治ります。 「低血圧になる」:多くは軽度ですし、適切に循環管理を行えば問題はありません。 「足が痺れる」:局所麻酔薬やカテーテルの影響で足が痺れることがありますが、多くは一時的です。 「尿が出にくくなる」:こちらも多くは一時的で、必要であれば尿道カテーテルで導尿を行います。 ※「足が痺れる」、「尿が出にくくなる」については、通常の分娩でも起こりえます。 ごく稀に起こる合併症 硬膜穿刺後頭痛、局所麻酔薬中毒、全脊髄くも膜下麻酔、硬膜外膿瘍・血腫などは稀に起こる重篤な合併症ですが、適切に管理をして早期発見・早期治療に努めますので、ご安心ください。 無痛分娩のメリット 「痛みが緩和される」 「帝王切開にスムーズに移行できる」:すでに麻酔科医管理のもとで鎮痛をおこなっているため、もし緊急で帝王切開となってもすぐに手術を行うことができます。 無痛分娩を選択しても「長時間かかって疲れた」「痛みが完全にとれなかった」ということもありますので、無痛分娩は快適なお産を保証するものではありません。それでも、「痛みが緩和される」というのは大きなメリットかと思います。 公的な機関(産科麻酔学会 https://www.jsoap.com/general/painless など)が提供する正しい情報を参照し、主治医の先生とよくご相談をして、無痛分娩を行うか判断をしてください。

2021年11月29日 23時15分

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