指名:相川晴(HAL) 先生

食物アレルギーの治療方針について

10代女性

noteやXを興味深く拝見しております。

アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの娘がいます。
卵、乳などに関しては、アレルギー専門医の主治医が驚くほど、強い数値です。

主治医の方針としましては、負荷試験を行わず完全除去。経口負荷試験をするにせよ、成長とともにアレルギー反応が弱まってからの開始がよいということで乳児期から除去してまいりました。

しかし、弱まる気配もないまま、12歳を迎えてしまい、焦りを感じています。
現時点で何かできることはあるでしょうか。セカンドオピニオンでしょうか。少しでも改善の可能性があるのなら、なんでも試したいという気持ちです。

ご意見賜りたく存じます。何卒よろしくお願い致します。

回答済み

小児科

ご質問ありがとうございます。


12歳のお子さん、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーがあり、経口負荷試験はアレルギー反応が弱まってからとの話で乳児期から除去してきた。まだ弱まる気配がないが、少しでも改善の可能性があるならなんでも試したい気持ちがある、どうしたらよいか意見をききたいというご相談ですね。


基本的には主治医の先生に従っていただくのが大前提とした上で、私自身の個人的な考えを述べさせていただきます。

乳児期からとのことですので、その頃の食物アレルギー事情から考えますと、除去をされることが一般的だったのではないかと推察します。詳しい数値はわかりませんが、おそらく経口負荷試験をしても反応が出る可能性が高い数値で、どちらにしても除去になるからという判断だったのではないかと思います。


10年と比較して食物アレルギーの知見も増えてきました。現在は「必要最低限の除去」が基本であり、経口負荷試験で安全に摂取することができる量がわかれば、その量を食べ続けることが治療になりえる、ということもわかってきました。

経口負荷試験にしても、経口免疫療法にしても、まだどこでもできるような検査・治療ではありませんし、地域によっては専門の機関がなく、なかなか難しいことがあります。また、あまりにも症状が強い場合、「必要最低限の除去」を家庭で行うのが難しく、現在と同じく除去になる場合もありますことはご了承ください。

しかし、少しでも改善の可能性があるのであればなんでも試したいというお気持ちがあるとのことですので、主治医の先生に相談の上、専門の機関に紹介してもらう(もしくはセカンドオピニオンをうける)のが一番スムーズかと思います。先生が間違っているというわけではなく、やれることがあるかどうかが知りたいので、というような話をされるとよいかと思います。


もし、主治医の先生との関係があまりよくなく(というのも微妙な表現ですが)紹介してもらうのが難しい場合は、直接受診という方法もあります。(が、検査結果や経過を伝えてもらえると、余計な検査も不要になりますので、できれば紹介状がある方がありがたいいです。)

こちらに、食物アレルギーで受診する際の医療機関の選び方を簡単に書いてますので、よかったら参考にされてください。

https://halproject01.blogspot.com/2018/06/blog-post_27.html

また、食物アレルギーに関しては皮膚の安定もかなり重要になってきますので、こちらもしっかり一緒に診てしてくださる医療機関だといいなあと思います。


以上になります。

発信をいろいろ見てくださってありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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2023年08月07日 18時47分


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