相談詳細

ステロイドの使用期間

10代男性

14歳男子、アトピー性皮膚炎でのステロイド使用について質問です。
2022年10月くらいから、もともとあったアトピーが悪化し、皮膚科にかかり上記のお薬を使っています。波はありましたが体についてはだいぶ落ち着いて来たのですが、ここ1ヶ月ほど顔の症状が酷く、塗っても塗っても治らない、という印象です。治らないどころか顔の赤み乾燥痛みが酷く、首もまともに動かせないようです。7月なかばには一旦、ランクを上げたステロイドが処方され、それを4日ほど使い、良くなったのでキンダベートに戻りました。いっときはニキビのような小さいブツブツもたくさんできました。顔については、治療を初めてから比較的すぐにニキビができ始め、1日一回ステロイド、1回はニキビ用の薬を塗っていました。塗り方については指導されたので、きちんと塗れていると思います。
これはステロイドの長期使用によるステロイド酒さ様皮膚炎ではないかと思うのですが可能性はあるのでしょうか?写真がないのでもちろん判断はできないと思うのですが・・。10ヶ月の連続使用が「漫然とステロイドを塗る」という行為にならないのかどうか・・。お盆休み明けに主治医に確認しようとは思いますが、自分の処方で酒さになったとは認めてくれないような気がして病院を変えたほうがいいのかとも思っています。実は子が3歳位の頃いわゆる脱ステをしたことがあり、もしステロイド酒さだった場合ステロイドををやめないといけないので、あの時の悪夢がまた繰り返されるかと思うともう耐えきれる気がしません。

回答済み

こんにちは。ご相談いただき、誠にありがとうございます。

「14歳の男児がアトピー性皮膚炎の治療をしているが、ここ1か月ほど顔の症状がひどくなってしまい、赤みや乾燥、痛みが強く出てしまっているが、これはステロイド外用薬を長期的に使用したことによる酒さを考えるべきなのか」というご相談ですね。

首を動かすことも困難というとかなり辛い状況ではないかと思います。お子さん自身はもちろん、ご家族としても悩ましい状況ですよね。


アトピー性皮膚炎の治療は長期的なケアが必要な上に、思春期のお子さんの場合にはニキビのコントロールとの兼ね合いでどうしても対応に悩むことは少なくありません。


現在の状況が酒さかどうかというのは、ご相談者様もご指摘いただいている通り少なくとも写真などを拝見しなければなんとも言えないのが正直なところです。また、実際にはお写真があっても判断しにくいため、悩ましいことかとは思いますが、医療機関で直接ご相談いただくことをおすすめします。


上記を前提としていただき、今回いただいた情報から一般的なこととして感じたことについてコメントさせていただきます。

キンダベートを10か月間使用している状況が、漫然としたステロイド長期使用に当たるかというのは、同じ10か月の使用であっても塗り方や塗る回数などの変動もあると思いますので、なんとも言えません。酒さの原因になることは全くないとはいえませんが、酒さとすぐに疑うレベルの使用状況ではないという印象ではあります。


思春期のお子さんで顔の湿疹がなかなか良くならない場合に考えておきたいこととしては、以下のことなどを意識する必要があります。


① 湿疹に対しての外用薬のレベルが弱すぎるなど、アトピー性皮膚炎の治療が不十分である

② ニキビのコントロールに難渋し、湿疹とニキビの治療バランスが上手く取れていない

③ 汗をなかなか拭けないなどで、不衛生な状況になっている

④ スクラブ洗顔など顔に負担がかかる洗い方をしている

⑤ 日焼けをしすぎている

⑥ ナジフロキサシンなどの外用薬によってかぶれている


今までの経過や現在の皮膚の状況がわかりかねるため、どうするべきかとは言えませんが、基本的には通院されている医療機関の指示にそってご対応いただきつつ、やはりどうすれば良くなるかというのを改めてご相談いただくことが必要かもしれません。

私の外来に受診された患者さんの中でも、意外と①の治療が弱すぎたということも珍しくはありません。


なお、アトピー性皮膚炎の治療薬としては、ステロイド外用薬以外に「非ステロイド系抗炎症外用薬」として使用できる薬剤が増えているます。また、ニキビの外用薬としても現在のお薬以外にもいくつか選択肢があります。

そういったお薬選択についても、可能でしたら医師とご相談いただくことをおすすめします。もし相談がしにくい医師でしたら、やはり場合によってはセカンドオピニオンとして、他の医療機関で一度相談いただくこともご検討いただいても良いかと思います。


一般的なスキンケア方法などについては、ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック」というアレルギーポータルのアレルギーの本棚(https://allergyportal.jp/bookend/)にあるパンフレットがとてもわかりやすいので、もし今までに見たことがないようでしたら一度情報の確認としてお読みいただくことをおすすめします。


回答としては上記となります。ご参考になりましたら幸いです。

とても大変な状況かと思いますが、少しでも早く良くなってくれると良いですね。お大事になさってください。

お礼が遅くなり申し訳ありません。お忙しい中ご回答頂きありがとうございました。大変勉強になりました。ご紹介いただいた資料もとてもためになりました。基本に立ち返ってしっかりケアしていきたいと思います。

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2023年08月10日 19時00分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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