指名:どっと@小児科医 先生

夜驚症について、不安があります

10歳未満男性

いつも回答を参考にさせていただいてます。
ありがとうございます。

6歳の息子は、3歳頃からお昼寝をしなかった日に夜驚症を起こしていました。
成長し、お昼寝をしなくなり、夜驚症もだいぶ落ち着いたと思っていたのですが、最近また出てきています。

親としては怪我がないようにだけ気をつけて見守るだけなので、負担は特にありません。
10分から15分で落ち着いて眠り、翌朝本人は全く覚えていません。出る原因はまだつかめていませんが、毎日ではないです。

ただ、成長したからなのか症状が激しくなり、大きくジャンプしたり怯えて泣き叫んだり奇声をあげたりベッドから逃げ出そうとしたりと動きが大きくなってきています。冷や汗もかなりかいています。意識がないとはいえ、本人の体力的な負担はないのでしょうか?
また、泣き声もかなり大きいので夜驚症なら気づいてあげられますが、夜驚症があると、同じく睡眠時に起きる夢遊病なども発症しやすかったりとかあるのでしょうか?気づかないうちにひとりで部屋を出ていたりしたらどうしようと不安もあります。

成長すればそのうちおさまるだろうと思って見守っていましたが、症状が再開してしまい何かストレスを抱えさせているのではないかと心配しています。何かわかることがあればで構いませんので教えていただけたらありがたいです。
よろしくお願いします。

回答済み

小児科

こんにちは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。

「6歳のお子さんが、3歳頃から見られていた夜驚症が成長とともに減ってきたと感じていたが、最近また出るようになってきた。毎日ではないものの、以前よりも動きが大きく、体力的な負担は大丈夫なのか、一人で部屋を出ていってしまったりしないかなどが心配。」というご相談ですね。


夜驚症はとても目立つ病態なので、ご家族としての心配は小さくないものと思います。親御さんとしてのご対応は見守っているということでとても適切なご対応をされているものと感じました。


現在の状態としては、確かに夜驚症や睡眠時遊行症(いわゆる夢遊病)を疑う状況かと思います。大きな声を上げたり、泣き叫んだり、冷や汗をかいたいたりすることは比較的典型的な症状のため、あえて刺激はせず、多くの場合は成長を見守っていきます(ご存知かと思いますが、刺激をすることで錯乱・混乱してしまうことがあるので、安全を確保して見守ることが大切です)。

今回のように一時的に頻度が増えることはあっても、数ヶ月程度でまた減ってくることが一般的には多いものと考えられます。ただ、動きが大きくなってくることで、より気になってしまうお気持ちはよくわかります。


今回ご相談いただいた内容について、私のわかる範囲内でそれぞれ回答させていただきます。


① 体力的に問題はないのか

→ 確かに一時的な体力の消耗は否定できませんが、基本的には日中への影響はほとんどないものとされています。

 そのため、例えば日中も眠い状態が続いてしまうなど、体力的な負担がかかっていることが予想される場合には、一度かかりつけの先生や、可能であれば睡眠の専門外来でご相談いただくこともご検討いただければと思います。

② 夢遊病(睡眠時遊行症)との関係はあるのか

夜驚症と夢遊病は、出現時期としては夢遊病の方がやや高年齢よりではありますが、病態としては同じような機序が背景にあるものと考えられています。そのため、同じお子さんに両方ともの症状が認められることもあります。


室内で徘徊することが一般的ではありますが、一人で部屋から出てしまうことも確かにありえます。基本的には気がついたタイミングで優しく部屋に誘導していただくことが無難です。

また、対策としては、住居の状況によって多少異なりますが、階段や玄関の近くなどの場合には鍵を閉めることや開いたらアラームが鳴るようにすることも考慮はします。


繰り返してしまい、対応に悩む場合は薬物療法もときに選択されるため、適宜睡眠を専門に見ている医師とご相談いただくことをおすすめします。


③ ストレスなどで増えてしまっているのか

→ やはりストレスや環境の変化で一時的に増えるということが外来でもよくありますが、慣れとともに良くなることが多いです。

ご家族として、もし何か負担になっていそうだと感じることがあれば、必要に応じて調整することは大切です。悩ましい場合には、かかりつけの先生と相談いただくこともおすすめします。


いずれにしても、まずは適切な睡眠・生活習慣の確保が大切です。

・夜になったら部屋を暗くすること

・夜間にTVやスマホなどからの強い光を浴びることを避けること

・絵本やスキンシップなど入眠前儀式を維持する

・朝はなるべく同じ時間に起床して、陽の光を浴びて、朝食を取ること

→ どれも簡単そうに見えて大変な場合もよくありますが、可能な範囲で生活の調整をしていただくことはおすすめです。


なお、繰り返しにはなりますが、同じような状態であっても、数か月以上続く、日中に影響が出ている場合は、一度外来でご相談いただくことをおすすめします。


回答としては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。


参考として、ノーベルファーマさんという製薬会社が医師監修で作成している「子どもの健やかな眠りのための総合サイト(https://nobelpark.jp/contents/kodomononemuri/)」は一般的な睡眠衛生についてとてもわかりやすいのでおすすめです。

大変遅くなりましたが、回答ありがとうございました。まだ夜驚症はありますが、頻度は少し下がってきています。アドバイスをいただいて安心して見守れるようになりました。引き続き様子を見ていきます。

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2023年08月22日 10時55分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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