指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

犬アレルギーの対応について

10歳未満男性

卵白アレルギーのある息子(9ヶ月)が犬アレルギーも発症しました。
元々犬を飼っていて息子は生後1ヶ月の頃から同居、万が一噛んだりしたら怖いので居住空間は柵で仕切っていましたが、抜け毛の多い犬種のため毛は部屋によく落ちていました。
たまに犬が息子の脚を舐めたり息子の隣で寝そべったりはしていたのですが、特に症状はありませんでした。
しかし今年の8月に息子の肌が少し荒れた時に犬が額を舐め、そこを中心に目の周りやフェイスラインを中心に顔に発疹が出ました。(身体はなし)
かかりつけでアレルギー検査をしたところ犬アレルギークラス3の結果が出ました。
犬アレルギーを疑った時から犬が息子を舐めることはやめさせ、家中毎日掃除機をかけ、犬はブラッシング等を行い極力犬と息子を離して暮らしています。

今までアレルギー症状が出たのは3回です。

①前述した初めての発疹
↓(2週間後)
②犬が脚を舐めてしまい、目の周りを中心に顔に発疹が出た。脚にはなし。
↓(翌日)
③犬が歩くスペースに落ちたおもちゃを息子舐めたから(?正直原因は不明ですが思い当たる節がこれしかない)口の周りに発疹、おなかにも少しだけ発疹

かかりつけ医に「発疹がひどかったり身体にも出るようなら内服を」と言われていたので③はフェキソフェナジンを内服し、いずれの場合も1時間程度で発疹は収まっています。

という経緯で相談なのですが、②のようにこれまで何の症状もなかった足を舐める行為で顔に湿疹が出たり、③のように直接触れ合わなくても症状が出たのは、この短期間でアレルギーが悪化しているからでしょうか。
その場合今はまだない気管支等の症状やアナフィラキシーも今後出てくる可能性があるということでしょうか……
卵白アレルギーはかかりつけ医の指示の元徐々に食べられる量を増やしていけてるのですが(卵黄は20分茹で1個分クリア)、犬アレルギーはそういった治療法やアレルギーを抑える薬は現段階ではないのでしょうか。

犬も大切な家族のため、手放すことはせずになんとかやっていきたいと思っているため少しでも今後の指針にする情報が欲しくこちらで質問させて頂きました。
先生の犬アレルギーのブログも拝読したのですが、さらに詳しくお聞き出来れば……と厚かましくも質問した次第です。
よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。イヌアレルギーの対応について、9ヶ月のお子さん、「もともと犬を飼っていた、柵で仕切っていたが毛は落ちていた、先月犬が子どもの額を舐め顔に発疹が出た、かかりつけ受診しアレルギー検査でクラス3だった、その後犬が足を舐めて顔に発疹が出た、極力犬と子どもを離し毎日掃除機をかけている、足を舐められて顔に発疹が出たのは悪化している?気管支の症状やアナフィラキシーも起こる?治療法はある?」というご質問でした。

ワンちゃんは僕も好きですし、大切な家族だと思います。僕のnoteの記事、「イヌアレルギー:お役立ち知識、アレルギー体質でも飼っても良い?」は読まれているみたいですので、内容が一部重なりますが、一般的なこととして、ご回答してみます。

まず、イヌの主要アレルゲンは、「舌下腺や耳下腺で産生」されますので、唾液にアレルゲンが多く含まれることになります。舐めたりしますので毛にもアレルゲンが付着していることが多いです。イヌアレルギーが軽い場合には舐められたところが赤くなりますが、アレルギーが悪化するにつれ、「犬に舐められたところが赤くなる」→「犬に触ると症状」→「犬に近づくと症状」→「犬が居る空間に行くと症状」→「犬を飼っている方に近づくと症状(衣類などの影響)」などとなることが多いです。また、イヌアレルゲンは主に皮膚から感作されますので、皮膚の状態やアレルゲンの量やお子さんのアレルギー体質にもよりますが、犬と一緒に暮らしていると少しずつ悪化することは想定されます。確かにひどくなると、普段目や鼻の症状が出る(アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎)、アトピー性皮膚炎の悪化や気管支喘息の悪化もあり得ます。アナフィラキシーを起こすことは少ないですが、ひどい喘息発作を起こすことはあり得ます。

イヌアレルギーの治療に関しては、ダニやスギ花粉のような舌下免疫療法は現状ありませんし、食物アレルギーで食べているほど治る可能性があるというように、イヌと接すれば接するほど治るということもありません(むしろ悪化する可能性があります)。イヌアレルギーの症状が出てしまったら抗ヒスタミン薬や気管支拡張薬を臨時に内服する、あるいは、普段アレルギー性鼻炎やアレルギー結膜炎や気管支喘息を発症してしまったお子さんで、犬を手放せないという場合は、可能であれば、アレルギーや喘息の疾患の治療をしつつ、犬と共存して生活するという方法を取ることもあります。

ワンちゃんも大切な家族かと思いますので、今後の犬自体に対策に関しては、出来るだけ「生活空間を分ける」「環境整備をする」「犬の唾液対策をする」などして頂くと良いかと思います。お子さん自身には「出来るだけ皮膚の状態を良くしておく」「出来るだけ犬との接触を減らす」「触ったら早めに手洗い」などをして頂くと良いかと思います。

僕からの回答は以上となります。イヌアレルギーがあまり悪化せず、お子さんがあまり困ることなく、ワンちゃんと今後も一緒に暮らしていけることを願ってます。

早速のご回答ありがとうございます。先生の仰る通り今は出来ることを徹底し、息子も犬も辛い思いをすることが少しでも減るよう家族で対処していこうと思います。

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2023年08月27日 08時29分


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