指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

声帯炎の治療について

30代女性

8月21日に親知らずを抜歯してから喉の調子が悪く、22日から声が出なくなり23日に病院受診し声帯炎と診断を受けました。
沈黙療法を勧められましたが、1歳5ヶ月の子の育児もあり黙って過ごすことは出来ず、10日ほど経ちますが改善には至っておりません。
薬もすでに飲み切ってしまい、再診がなかなか出来ずにいます。
ここ最近は特に夜の咳が酷く寝付けないことや、昼間も咳をし出すと止まらずえづいてしまい呼吸がしにくい状況です。

私が疑問に思っているのは、今後も同じ病院を再受診するか、違う病院に行くかです。
こちらの耳鼻咽喉科は以前に鼻風邪に受診した際にも全く同じ内容の薬の処方だったこともあり、効果があるのか疑問に感じています。
違う病院に行くか、受診した病院が言うように日にちの経過で良くなるのを待つべきか、先生の意見をご教示いただきたいです。

回答済み

耳鼻咽喉科

指名質問いただきありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ありません。親知らずの抜歯後から声帯炎を発症し、なかなか改善しない、とくに今は夜の咳で困っているということですね。結論としては、一番困っている症状で考えるべきで、おそらく呼吸器内科へ受診していただいたほうが良いように思います。


まず23日に声帯炎の診断を受けたということですね。声帯炎は上気道炎(咽頭・喉頭の粘膜炎)が声帯に波及したもので、風邪の1種類と考えていただければと思います。声帯に炎症が起こるため、声がれが特徴で、さらに声帯は咳反射を起こす場所なので咳が起きやすいです。声を良くするためには、ご指摘の通りなるべく声を出さない「沈黙療法」が重要ですが、実際問題、家事・育児・仕事などで全く声を出さないということは難しいことも多く、治癒までに時間がかかることが多いです。根本的には風邪なので、感染が改善すれば改善には向かっていきますが、治療までの期間は人によって大きく異なり、声が良くなるまでに数日〜数週間かかることもあります


また、声帯炎を含む上気道炎では、炎症が改善しても慢性的な咳が続いてしまうことがあります。発症から3週間以内は急性炎症による咳嗽、それ以上立つと慢性咳嗽というくくりになります。現在は2週間程度症状が続いていると思われますので、急性炎症による咳嗽という区分ではありますが、今後遷延した場合は慢性咳嗽という区分になる、移行期であろうかと思います。


治療の方針ですが、熱や痛みが続くようであれば、細菌感染が遷延している可能性もありますので、抗生剤の処方なども必要になってきます。もし熱・痛みがあるようであれば、やはり耳鼻咽喉科での診断が望ましいでしょう。ただ、多くはウイルス感染であり、対症療法が中心となります。


相談者様の記載を振り返りますと、「夜間で咳のため寝付けない」「昼間も咳でえづいてしまう」ということですので、ある程度強力な咳止めでの対症療法が必要な状態と考えます。咳嗽の診断・治療に強いのは、やはり呼吸器内科の先生です。このことから、私としては呼吸器内科受診が良いように思いました。

もちろん、相談者様の症状の中心でもって受診科を検討していただきたいですが、現状まだ症状によって生活に支障をきたしているようであれば、ぜひ受診し投薬治療を受けていただければと考えます


以上回答させていただきます。返信が遅くなって申し訳ありませんでした。早くの快復をお祈りしております。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

2

2023年09月06日 11時40分


参考になりましたか?
ハートを贈りおとらりんたろう, MD, PhD先生を
サポートしよう!

耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

相談一覧