指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

川崎病について

30代女性

30代、一児の母です。川崎病、その後の検査についての相談です。

私自身、1歳の時に川崎病に罹りました。
川崎病の疑いと判断されるのが
遅かったようで、紹介先の病院では
治りかけているとのことで特に
治療しなかったようです。

15歳までは紹介先の病院で毎年検査しておりました。15歳の時に今後検査は不要とのことだったと思います。成人後は妊娠中に心電図をとったのみでその他心臓の検査を受けたことがありません。

出産後、SNSで川崎病のことを目にし、何も治療しなかったことが心配になりました。今後、心臓の検査を検討した方が良いのでしょうか。

1歳の時の治療のことなど不確定な
ことも多く、申し訳ありません。
親に質問すると責められているように感じるそうでなかなか聞き出せず……

今後心臓の検査を検討した方がよいか、
ご回答いただけると幸いです。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。30代の方、「1歳の時に川崎病になった、特に治療せずに改善、15歳まで毎年検査、その後してない、治療してなかったことが心配、今後検査を受けた方が良いか?」というご質問でした。

もちろん詳しいことはわかりせんが、僕の考えを書いておきます。ご質問者さんは30代ということで、31歳〜39歳の方の1歳時とすると、1985年〜1993年頃のことかと思われます。日本で川崎病に対するグロブリン製剤が保険適応になったのは1990年10月のようで、その後川崎病に対する免疫グロブリン治療が一般的になっておりますので、そもそも免疫グロブリンの治療が一般的ではなかった頃に川崎病になられたのかも知れません。グロブリン治療をする際には入院となりますので、おそらくグロブリン治療はされていないと思われます。いずれにしても、グロブリン治療をするかどうかについては、ご質問者さんの親御さんが関与出来ることではなかろうかと思います。ただ、治療されてないとはいえ、当時から既に心臓合併症のチェックのための心臓超音波検査はされていたはずですので、おそらく1歳頃の急性期もその後も、冠動脈病変(冠動脈径の拡張や冠動脈瘤など)は無かったのではないかと推測されます。急性期を過ぎてから新たに冠動脈病変が発生する可能性は低いので、15歳まで毎年検査(心臓超音波もされているかと思います)されてて、冠動脈病変を見逃す可能性は極めて低いかと思います。

ちなみに、その後、川崎病の経過観察の方法については、日本循環器学会と日本心臓血管外科学会と合同でガイドラインが出され、その最新版の「川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン 2020年改訂版」には、「急性期に冠動脈病変が無かった児」については、発症後5年間異常が無ければ経過観察は終了」と書かれております。つまり、急性期から5年間、心臓超音波に異常が無ければ経過観察を終了しても良いことになっておりますので、むしろ、現状よりしっかり経過をみられたと思いますし、今は5年経って異常が無ければ通院を卒業になっているということですので、あえて、今から心臓の検査が必要とは考え難いかと思います。もちろん、ご心配でしたら、川崎病の経過を診てくれていた病院にお問い合わせされると良いかと思いますが、個人的には検査されなくても問題は無さそうに思いました。僕からの回答は以上となります。

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2023年09月03日 19時37分


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