指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

赤ちゃんを早期から動物に触らせると喘息が減る?

10歳未満その他

SNSで赤ちゃんを早いうちから動物に触れ合わせると喘息になりにくいというのを見かけました(海外の論文もあるそうです)
個人的には喘息はアレルギーで引き起こされると認識していたので、茶の葉石鹸のようになるのでは?と逆に危ないのではないのかなと思いました

こどアレ先生はどう思われますか?

回答済み

小児科

赤ちゃんを早期から動物に触れさせると喘息が減るか?ご指名でのご相談ありがとうございます。時々聞かれるご質問ですが、状況によっては「YES」ですし、多くの方にとっては「NO」となりますが、そのあたりを説明してみます。まずは、「動物に触れさせる」ということ自体に大きな差があります。「動物との接触頻度や時間」「動物は室内か室外か」「フンなどの衛生環境」などによっても異なりますし、なによりその予防効果には「お子さんのアレルギー体質」「お子さんの皮ふの状態」なども含め大きな個人差があろうかと思います。

確かに、「家畜」と一緒に暮らすと喘息を発症するリスクが減る、暮らす期間が長い方がリスクが減る、という報告があります。ほむほむ先生の記事、「清潔だとアレルギーになりやすい?「インハンド」に登場の「衛生仮説」とは」に詳しくわかりやすく書かれておりますので、ご参考にされると良いかと思います。気を付けないといけないのは、家畜あるいは動物そのものに触ることが喘息のリスクを減らすという訳ではなくて、家畜が居る環境には周囲に細菌が多く存在し、その細菌の放出する毒素(エンドトキシン)が喘息を予防すると考えられております。つまり、動物のフンなどが生活の場所の近くにあるような細菌の多い環境で小さい頃から長く暮らすことで喘息の予防が出来る可能性があるということになろうかと思います。もちろん、細菌が多過ぎると感染症のリスクにもなります。大雑把に言うと、「動物園にたまに行く」ことだけでは喘息の予防にはならず、「ペットを飼う」ことだけでは喘息の予防効果は低いと考えられます。ご指摘のように、「アレルギー体質の強いお子さん」「肌の状態があまり良くないお子さん」であれば、一緒に暮らすことでその後にイヌアレルギー・ネコアレルギーを発症し、それに伴って喘息症状が出ることもあり、まさに逆効果になりますので、ペットを飼うことはお勧めし難くなります。

まとめると、現在のところ、喘息予防のためだけにペットを飼うことはお勧めする根拠が無い、アレルギー体質のお子さんであればペットを飼うことをよりお勧めし難い、ありますということになろうかと思います。もちろん、アレルギー以外にて、ペットを飼う恩恵はたくさんあります。僕からの回答は以上となります。

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2023年09月14日 16時08分


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*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。ご希望があればぜひご指名して頂けると良いかと思います。

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