指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

川崎病罹患後のアレルギーと予防接種について

10歳未満女性

いつも大変有益な情報をありがとうございます。もうすぐ1歳になる女児です。

生後7ヶ月の時に川崎病に罹患し、免疫グロブリンを2クール実施しました。今のところ経過は良好で、アスピリンの内服も終了しています。

川崎病罹患後、複数回蕁麻疹(酷い時は嘔吐)が生じたため検査したところ牛乳とカゼインがクラス4、特異的IgE(FEIA)は171IU/mlという結果でした。現在はヨーグルト0.3gを1日おきに与え続けています(この量だと症状は出ません)。

そろそろ予防接種を受けさせたいのですが、治療の影響で生ワクチンは生後1歳2ヶ月にならないと接種できません。そこで不活化ワクチンを先に接種するかで悩んでいます。
これまでの予防接種はスケジュール通り順調に接種できており、特に副反応もなく経過しています。

1.一般的に生ワクチンと不活化ワクチンで、身体への負担に違いはありますか?先にどちらを接種した方が良いか等ありますでしょうか。

2.このような経過の子でもインフルエンザ&コロナの予防接種は必要でしょうか?
かかりつけ医も主治医も「まだ小さいし親御さんが接種した方が良い」というお考えで、勧められませんでした。ちなみにこの冬は家庭で過ごす予定です。きょうだいもいません。

3.川崎病や免疫グロブリンの治療とアレルギー発症に因果関係はあるのでしょうか?
原因究明したところで…というのは重々承知なのですが、ずっと気になってしまっています。

わかりにくい説明で申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

回答済み

小児科

川崎病罹患後のアレルギーと予防接種について、ご指名でのご相談ありがとうございます。もうすぐ1歳のお子さん、「生後7ヶ月で川崎病に罹患、免疫グロブリンを2クール実施で改善・経過良好、グロブリンの影響で1歳2か月まで生ワクチンが接種出来ない、不活化ワクチンを先に接種した方が良いか?インフルエンザワクチン・コロナワクチンは必要か?主治医からは「まだ小さいし親御さんが接種した方が良い」と言われた、川崎病の後牛乳アレルギー発症、川崎病やグロブリン治療とアレルギー発症に関係はあるのか?」というご質問でした。

川崎病が合併症無く治られたようで良かったです。生ワクチンの接種は1歳2か月まで出来ないとのことですが、通常、不活化ワクチンの接種は可能で、1歳過ぎると、4種混合ワクチン・ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの追加接種のタイミングになろうかと思います。どちらが先が良いということはありませんので、生ワクチンの接種を待たずに、接種の時期になれば、順次、不活化ワクチンを接種されると良いかと思います。インフルエンザワクチンもコロナワクチンも接種可能となります。ただ、接種の必要性については「周囲での流行状況」「お子さんが登園しているか」「兄弟やご家族の感染リスク(家庭への持ち込みリスク)」「お子さんの基礎疾患」などにもよるかと思います。もちろん接種の効果はありますので、接種するかしないかの2択であれば接種した方が良いかとは思いますが、乳幼児さんの場合、接種の必要性の高低にてご判断されることが多いかと思います。お子さんの場合、登園されずご兄弟もいらっしゃらないようですので、ご家族が家庭内に持ち込むというリスクが少なければ、とりあえずの接種の必要性は低そうだということになろうかと思います。ご家族とよくご相談ください。

また、川崎病とアレルギー疾患との関連については、なかなか結論が難しいかと思います。過去の報告では、「川崎病に罹患した児ではアレルギーの家族歴を持つ割合が高かった」「アレルギー疾患がある児の方が川崎病の発症が多かった」というものもありますし、「川崎病に罹患した児ではアレルギー疾患の発症のリスクがより高い」可能性も指摘されております。つまり、「アレルギー体質だから川崎病になりやすい」とも「川崎病になったからアレルギー疾患を発症しやすい」とも考えられており、現状結論は出ておりません。そもそも川崎病は全身の血管炎であり、感染などの刺激に対する免疫機能の異常反応が川崎病を引き起こしていると考えられております。「免疫」と「アレルギー」は大雑把には似たようなシステムであり、そのバランスが崩れると悪化し兼ねませんので、アレルギー体質やアレルギー疾患の発症と川崎病とがなんらかの影響もしくは関連をしていてもあまり不思議ではないかと思います。お子さんの場合、そもそもの「アレルギー体質の強さ」「皮ふの状態」がどうだったなども関係あるかも知れません。ただ、いずれにしても、川崎病に罹患したことも、牛乳アレルギーになったことも、なにかこうしていればしっかり予防出来たという可能性は低いかと思われますので、あまり気になさらず、今後は牛乳アレルギーを治すべく主治医の先生のご指示通りに治療を続けられると良いかと思います。

ワクチンについても、牛乳アレルギーに関しても、川崎病のフォローに関しても、両者の関連に関しても、主治医の先生にも聞かれると良いかと思います。

5

2023年09月27日 16時15分


参考になりましたか?
ハートを贈りこどアレ@小児科&アレルギー先生を
サポートしよう!

「小児科専門医」&「アレルギー専門医」です。お子さんの病気、お子さん関連全般、アレルギー関連、などで、何か疑問や不安がありましたら、どんどんご質問ください。

*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。ご希望があればぜひご指名して頂けると良いかと思います。

相談一覧