指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

生後6ヶ月卵と牛乳アレルギー

10歳未満女性

生後4ヶ月の時に皮膚が赤くなり病院に連れて行ったところ、卵が皮膚についたアレルギー反応ではないかと診断されました。(添付写真が診察のときに見せたものです)
絶対に卵だと言い切れないが上の子が卵焼きを食べていたので、卵を触った手で下の子を触ったのかもとの事でした。
またミルクを飲むと口の周りが赤くなる事もありました。
かかりつけ医に相談すると6ヶ月検診でアレルギー検査をしましょうと言われましたので、検査をしました。すると卵アレルギーが強くでており、牛乳も卵ほどではないがでていると検査結果を説明されました。先生のお話では、「卵は3歳まで除去して3歳になったら様子を見ながら食べましょう。ミルクは牛乳アレルギー専用のミルクに変えましょう。」との事でした。
皮膚に赤みが出る反応のみで、まだ卵も牛乳も食べた事がないのに3歳まで除去してしまってもいいのでしょうか?

回答済み

小児科

「皮膚に赤みが出る反応のみで、まだ卵も牛乳も食べた事がないのに3歳まで除去してしまっても良いのか?」、ご指名でのご相談ありがとうございます。生後6ヶ月のお子さん、「生後4ヶ月の時に皮膚が赤くなり受診、卵が皮膚についたアレルギー反応ではないかと診断、ミルクを飲むと口の周りが赤くなる事もある、生後6ヶ月で検査したところ卵の値が高く牛乳も陽性だった、「卵は3歳まで除去して3歳になったら様子を見ながら食べましょう。ミルクは牛乳アレルギー専用のミルクに変えましょう」と言われた、皮膚に赤みが出る反応のみで、まだ卵も牛乳も食べた事がないのに3歳まで除去してしまっても良いのか?」というご質問でした。

ご心配されるのはごもっともです。食物アレルギーについて情報を探されて疑問に思われたのかも知れませんが、仰る通り、アレルギー専門医としては反対です(診療の基本はかかりつけの先生に従うべきですがあえてこの場で書かせて頂きます、ご了承ください)

いくつか苦言を呈する点があるのですが、一つ目は「付着して赤くなることと食べた際に付着していない部分の皮ふに症状が出ることは異なる」、2点目は「検査結果だけで食物アレルギーの診断は出来ない」、3点目は「仮に食物アレルギーだとしても安全に食べられる範囲は食べて良い」ということです。

まず、「付着して赤くなることと食べた際に付着していない部分に皮ふに症状が出ることは異なる」についてですが、僕のnote、「食物アレルギー?食べたら口の周りが赤くなった!」を参考にして頂くと良いかと思います。付着した部分が赤くなるだけで少しずつ食べていけるのか、食べ進めるとしっかりアレルギー症状が出るのかは大きく異なります。

2点目の「検査結果だけで食物アレルギーの診断は出来ない」についてですが、こちらも僕のnote、「食物アレルギーの診断:なにより「問診」が重要」を参考にして頂くと良いかと思います。あくまで食べて症状が出るかどうかが重要となります。

3点目の「仮に食物アレルギーだとしても安全に食べられる範囲は食べて良い」についてですが、現在の食物アレルギーの管理は「正しい診断に基づいた必要最小限の除去」となっており、食物アレルギーと診断された場合に、一律に「一切食べてはいけない」ということにはなっておりません。「必要最小限の除去」とは「食べると症状が出る量はしっかり除去する」が、「原因食物であっても症状が出ない量は食べる」「症状が出たことのない食材は食べる」(心配だからやめたりはしない)ということです。例えば、牛乳50ml飲むとじんましんが出るけど10mlでは症状が出ないなら飲んで良い、卵1/2個食べるとじんましんが出るけど卵白5gでは症状が出ないなら食べて良いということです。もちろん、微量で症状が出るようであれば「一切除去」(完全除去)となります。これは、食べられる範囲で食べるおくことで「栄養面で有利」「食生活や日常生活の不自由さが減る」などのメリットがあったり、少量であっても食べておくことで、その食材の「味や匂いに慣れる」「将来的な食物アレルギーの改善にプラスに働く」という可能性もあります。言い換えると、長期間、完全除去を続けることで、「アレルギーが治り難くなる可能性」「その食材への恐怖心が出てしまって」治っても食べられなくなる可能性があります。いずれにしても、「念のために除去」「杓子定規な数年間の除去」は避けたいところです。

かかりつけの先生には申し訳ありませんが、親御さんのご心配はごもっともで、あまり食物アレルギーの診断や管理についてお詳しくはない先生のように感じられます。出来れば、「本当に食物アレルギーなのか」「食物アレルギーであればどの量までは食べられるのか」を知りたいところですので、お近くの小児アレルギー専門医、あるいは食物経口負荷試験をされている小児科におかかりになると良いかと思います。大変でしょうが、お子さんのためにも、よろしくお願いいたします。

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2023年10月15日 20時00分


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*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。ご希望があればぜひご指名して頂けると良いかと思います。

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