指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

非特異的IgEについて

10歳未満女性

卵アレルギーを持つ4歳の娘がいます。

0歳の際に卵アレルギーが判明し負荷試験を続けています。0歳でのアレルギーの数値は卵白6、卵黄5、オボムコイド6でした。

負荷試験を続け、全卵半分程は経口摂取可能になり2年ぶりにアレルギー検査をしたところ、結果は卵白3、卵黄3、オボムコイド3と数値的には下がっており娘の頑張りに感動しました。

ところが数値は下がってはいるものの、2歳では83.2であった非特異的IgEが今回の検査では492と高い値を示しており驚きました。

ネットで色々と調べてみましたが非特異的IgEがアレルギー体質を数値で表したものと書いてあるのみで数値が上がったなどの記事が見つからず、不安に思っています。

アレルギーのクラスが下がっても、非特異的IgEが上がることがあるのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、教えていただけたら幸いです。

回答済み

小児科

非特異的IgEについて、ご指名でのご相談ありがとうございます。4歳のお子さん、卵アレルギー、「全卵半分程は摂取可能になった、2年ぶりに検査したところ卵白・オボムコイドIgE値は下がっていたが非特異的IgE値が高くなった、ネットで調べたが解らなかった、どうなのか?」というご質問でした。

主治医の先生のお聞きになられると教えて頂けるかとは思いますが、一般的なことで回答させて頂きます。お書きになられていたように、「非特異的IgE値」は「総IgE値」とも呼ばれ、IgE抗体の総量のようなもので、簡単に言うと、「IgE抗体の作りやすさ」=「アレルギー体質の強さ」の指標になります。非特異的IgE値は年齢により基準値が変わりまして、結果報告書やメーカーの説明欄にも基準値が書かれておりますが(http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3802622)、「年齢と共に基準値は高くなって」いきます。つまり、そもそも一般的に年齢と共にIgE抗体を作る能力は上がっていきますので、非特異的IgE値が上がっていくことはある程度想定内のこととなります。お子さんについては、非特異的IgE値が上がっているのに卵白・オボムコイドIgE値が下がっていることは非常に良い情報かと思います。非特異的IgE値は、お子さんの皮膚の状態にもある程度影響を受けますが、基準値からの逸脱具合で現在のIgE抗体の作りやすさを予想出来ますので、大きく逸脱していくようですと、より個々のアレルゲンへのIgE抗体の産生を増やしている・増やしていく可能性もあります。今後は食物アレルゲンというよりは、ダニや花粉、動物などの環境アレルゲンのIgE値が増えていかないか、鼻炎の症状が出てこないか、などを観察すると良いかと思われます。誤解を招くといけないので補足しておきますが、非特異的IgE値が高いお子さんの方がダニや花粉の特異的IgE値も上がりやすいのですが、ダニや花粉が陽性でもしっかり観察していてもアレルギー症状が無ければ、アレルギー性鼻炎の診断にはなりません。食物アレルギーと同様、あくまでも症状が重要です。

まとめると、非特異的IgE値が年齢と共に上がっていくことはよくあること、ただ、上がり方が大きい場合には、よりIgE抗体を作っている可能性がありますので、特に環境アレルゲンでの症状が無いかも普段ご観察して頂いておくと良いかと思います。主治医の先生ともよくご相談ください。

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2023年10月19日 10時08分


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