排便コントロールについて

10歳未満男性

2歳の息子について相談です。

8月頃から排便時にぐずりがあります。
毎日排便があっても
顔を真っ赤にしてふんばる様子が度々あり、
出るまで半日くらいぐずぐず泣いたり
抱っこを要求してきて何も出来ませんが
出るとケロッと機嫌が直ります。
たまにおむつに鮮血が付着することがあり、
便は少し硬めでした。

小児科へ相談したところ、
お腹の動きも弱いと言われ
酸化マグネシウム(1日2回)を処方されたので
現在も継続的に飲んでいます。
処方量飲んでいれば多少ふんばる様子はありますが
ぐずることなく排便できています。

また、0歳のときには数日出ない便秘があり
イチジク浣腸やモニラック使用し徐々に薬をOFFした経緯があります。

現在も徐々に薬の1回量を減らしていきたいのですが
便はやわらかいものの
ふんばる様子やぐずりが長く出てしまい
なかなか減量できません。

小児科からは様子をみていきましょうと言われていますが
このまま同じ薬の内服を続けていて良いのでしょうか。

また、なるべく運動させることや
繊維が多い食事等気をつけているつもりですが
何か改善につながることがありましたら
ご助言いただけますと幸いです。

回答済み

小児科

こんばんは。ご相談いただき、ありがとうございます。

「2歳の子が夏から排便時に強く踏ん張ったり、グズったりすることがあり、小児科で酸化マグネシウムを処方され、グズらずに便は出るようになってきている。徐々に薬を減らしていきたいと考えているが、便は軟らかいものの、ふんばる様子やグズることがあり、なかなか減量できない。小児科からは様子をみていくよう言われているが、このまま同じ薬を飲んでいっても良いのか。」というご相談ですね。


お薬をどのくらい飲んでいっても良いのかというのは悩ましい問題だと思います。基本的には今処方していただいている小児科さんで引き続きご相談いただくという形で良いのかなと思いましたが、参考までの便秘の治療について少しコメントさせていただきます。


お子さんの便秘症状というのはよくありますが、やはり便を出す関係でぐずってしまったり、しっかりと踏ん張らないと出ないというは、お子さんにとってはまだ大変な状況なんだろうなと思います。


便秘は体の中の悪循環が問題となってしまっていることが多いです。

それは「便がたまる→便が硬くなる→排便時に痛くなる→便を我慢してしまうようになる→腸に便がたまることが当たり前になってしまい、便意が出なくなる→便がたまる」というような感じです。

どれかが良くなれば一気に良くなるという問題ではなく、例えば頑張って便を出させても痛みが伴えば結局我慢してしまいますし、痛がらずに軟らかくして出していっても、腸の動き・便意が安定するまでには思っているより時間がかかります。


特に小児期は、痛くなるとなかなかうまく出せなくなってしまうことや、保育園や小学校など排便しにくい環境がその後待っているため、便秘がちな子は何度か悪化してしまうタイミングを迎えることも珍しくありません。


このようなことから、便秘の治療は思っているより長くかかることが多く、私は外来で説明するときには、程度によっては1-2年くらい継続的にお薬が必要になることも珍しくはないですよとお話しています。

お子さんが負担なく便が出せて、スッキリ気持ちいい排便という感覚をしっかり続けられるようになってから、ゆっくり止めていくというのが無難なことが多いです。

ほどよい排便習慣が獲得できて、食事や水分もバランスよく取れて、ある程度運動も出来ていれば、徐々にお薬を減らしたり、終了していっても安定して便が出せるようになってくるかなというイメージです。


もちろん短期間の治療で良くなってしまう方もおられますが、今もまだ踏ん張ることが多かったり、排便関連でぐずってしまうようでしたらお薬はまだ減量できるほど悪循環は良くなっていない段階という感じなのではないかなと感じます。

場合によっては、むしろ少し治療を強化することで、残っている残便のようなものを排除した方が良い場合もあるかなという印象です。


酸化マグネシウム自体は体格に対して適量でしたら、下痢などの可能性はありますが、長期使用に関する副作用などの心配はあまり大きくはありません。


引き続き、通院されている小児科さんで経過をみつつ、調整していただくことをおすすめします。


なお、日本小児栄養消化器肝臓学会の便秘に関する資料がとてもわかりやすいので、よろしければご参考いただければと思います。

(https://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf)


なかなか悩ましい状況かとは思いますが、安定していってくれると良いですね。お大事になさってください。

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2023年10月27日 22時47分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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