指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

生理前の少量の出血について

30代女性

39歳です。2021年12月に出産、今年2月まで授乳をしていました。卒乳後、何度か不正出血があったので、3月に受診し子宮頸がん検診をしましたが、大丈夫でした。エコーもしてもらい、出血の原因になるようなものもないとのことでした。しかし、春頃から生理2.3日前になるとおりものにも血が混じったり、茶色おりものが出たりして生理になるようになりました。今まではだらだらと始まることはなく、始まりがはっきりしていました。生理後はだらだら続くことはありません。
生理の間隔も年々短くなっていて、今はだいたい23日です。量は多い方だと思います。貧血を指摘され、鉄剤を飲んでいます。
ネットなどで調べると、黄体機能不全などが出てきますが、このような生理前の出血はよくあるのでしょうか、それとも病気が隠れているのでしょうか。また年齢的なものもあるのでしょうか。再度受診して調べてもらう必要はりますか。妊娠は希望していません。がん検診をしており、受診のタイミングが分からず悩んでいます。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。


今年2月に卒乳してから不正出血があり、3月に子宮頸がん検診で異常なかったが、生理前にダラダラ出血がでて生理が始まる、生理の期間も23日程度と短くなっている、妊娠は希望していないが受診をする必要があるかというご相談ですね。


月経の前に少量の出血が出てから本格的な月経になる、というのはよくあります。これに関してはあまり心配しなくていいでしょう。

月経周期は25日〜38日が正常周期なので、23日は短く、頻発月経で、なんらかのホルモン異常があることが予測されます。

また月経量が多く貧血を指摘されているとの事で、過多月経です。

子宮頸癌の検査や、おそらくエコーもして頂いていて異常がない事を考えると、機能性過多月経とホルモン異常が背景にあるのだと予測します。甲状腺や女性ホルモンの血液検査をしてもいいかもしれませんが、月経は頻発月経ではあるものの周期的にきているようなので、必須ではありません。

年齢的なものというほどの年齢ではなく、周期的に月経も来ているので更年期症状などではないと考えます。


今後ご妊娠の希望がないとの事ですが、その場合はホルモン治療を検討します。

ホルモン異常が長期間続いていると子宮体癌のリスクになったり、頻発月経や過多月経自体が子宮内膜症のリスクになり得ます。

そのため、妊娠を希望しない方の場合、ピルやジエノゲスト、ミレーナ®︎などで子宮内膜を薄くし、月経困難症や過多月経の改善、子宮内膜を薄くすることで子宮体癌の予防を期待します。


ホルモン治療をしない場合は、漢方薬などを使う事もありますが、貧血も指摘されているので、ホルモン治療が第一選択になるでしょう。


ホルモン治療自体は様々な婦人科疾患を予防する効果がありますので、積極的にご検討頂くといいと思います。


受診のタイミングとしてはいつ受診してもいいですが、まず検査だけご希望であれば、月経が始まって3日以内に受診するとホルモン採血をする時期としてはいいです。ただ採血自体は私は必須とは考えないため、いつでもいいとも思います。


以上ご参考になれば幸いです。

また何かご不安なことがありましたらいつでもご相談くださいね。

ありがとうございます。よくわかりました。不安も軽くなりました。やはりピルなどの検討はした方が良いとのことなので、また相談させてください。

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2023年11月01日 16時03分


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YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
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