指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

ジェネリックと先発薬の違い、新制度について

10歳未満男性

いつも先生の投稿参考にしてます。

先日夫と子どもが小児科を受診した時、病院か薬局どちらかで「10月からはジェネリックでなく先発薬を希望すると追加料金が発生する」と説明されました。

私はその場にいなかったのですがネットで調べたところ、今後患者都合で先発薬を希望すると追加料金が生じるという記事を見掛けました。

ただこの新制度が実際に小児科にどのように影響してくるかイメージが掴めてません。

基本的には先発薬もジェネリックも成分は同じと認識してます。

しかし以前ネットで、気管支を拡張するテープは先発薬とジェネリックで薬を吸収させる仕組みが違うと見掛けました。

また「◯◯という薬はいつも先発薬で指定してる」という医師の方の投稿もXで見掛けたことがあります。

非医療従事者なので誤認識でしたら本当に申し訳ありませんが、先発薬にのみ用いられてる技術があるなら先発品のほうが優れてそうだし、先発薬のほうが各種データや実績も豊富な印象があります。

以上のような理由から先発薬を希望したら今後は料金が発生するのでしょうか?ちなみに小児医療費は無償の地域です。

まずはジェネリックで使用してみて、もしも効果が乏しかったり副作用があった時のみ、先発薬に切り替えるべきでしょうか?

新制度についてのご解説や、先発薬とジェネリックの相違点、先発薬のほうが望ましい状況はあるのかという点についてお伺いできると幸いです。

よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

ジェネリックと先発薬の違い、新制度について、ご指名でのご質問ありがとうございます。「先日小児科受診した際に「10月からはジェネリックでなく先発薬を希望すると追加料金が発生する」と夫が聞いた、ネットで調べてみたが実際に小児科でどのように影響してくるかわからない、基本的には先発薬もジェネリックも成分は同じと認識しているが、以前ネットで、気管支を拡張するテープは先発薬とジェネリックで薬を吸収させる仕組みが違うと見かけた、また「◯◯という薬はいつも先発薬で指定してる」という医師の投稿もXで見かけたことがある、先発薬にのみ用いられてる技術があるなら先発品のほうが優れてそうだし、先発薬のほうが各種データや実績も豊富な印象がある、このような理由から先発薬を希望したら今後は料金が発生するのか?まずはジェネリックで使用してみて、もしも効果が乏しかったり副作用があった時のみ、先発薬に切り替えるべきか?先発品の方が望ましい状況はあるか?」というご質問でした。

この10月から制度が変わるのにあまりまだ情報が少なくて混乱される方が続出しそうで心配です国の医療費を削減するために、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、 特別の料金をお支払いいただきます」という制度です(参考:「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養費について」)。特別な事情が無く患者さんが先発医薬品を希望されると後発医薬品との差額の1/4を負担することになります。これは選定療養費という形で徴収されますので、こども医療(乳幼児医療)の助成に含まれませんので、実費でお支払い頂くことになります。

その対象医薬品リスト(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001247591.pdf)がありますが、小児科で関連するお薬もあります。例えば、ムコダイン、ムコソルバン、メプチンシロップ、オノン、ジルテック、アレロック、シングレア・キプレス、クラリチン、ザイザル、セフゾン、タミフル、などなど、たくさんあります。

基本的に、内服薬に関しては先発医薬品と後発医薬品との「薬効の差は無い」とされてありますので、医療上、先発医薬品じゃないといけない理由は無くなり、そのまま後発医薬品に変更となります(てんかんの薬などガイドラインで変更が推奨されていないものは除きます)。患者さんが先発医薬品をご希望される場合、選定療養費をお支払い頂くことになります。

問題となりそうなのは、「ホクナリンテープ1mg」「ホクナリンテープ2mg」(「ホクナリンテープ0.5mg」は対象になっておりません)、「ヒルドイドソフト軟膏」「ヒルドイドローション」などかと思われます。

ご指摘の通り、「ホクナリンテープ」は後発医薬品では先発医薬品のような薬剤の放出システムとは同様には出来ず、血中濃度の上がり方や持続時間が異なる場合がありますが、臨床的にそこまで効果の差を感じることはあまり多くありません。ただ、時々動悸などの副作用の差があることは経験します。また、皮膚のかぶれという面では、先発医薬品ではかぶれなくて後発医薬品はかぶれるという患者さんは居て、確かに先発医薬品と後発医薬品では貼付薬自体の素材が異なりますので、差が出ることはあり得ます(実際そのような患者さんはいらっしゃると推測されます)。副作用の面であれば、医療上先発医薬品が必要ということで申告は出来ますが、ただ、皮膚のかぶれを理由とする先発医薬品への変更の場合には、後発医薬品自体にも様々な種類がありますので、あえて先発医薬品が必要だということが認められるかどうかはまだわかりません。

「ヒルドイドソフト軟膏」「ヒルドイドローション」に関しては、「塗り心地」による先発医薬品の必要性は認められないようですので、成分が同等である以上、医療上先発医薬品でないといけないと認められる場合は無さそうです。「ホクナリンテープ」と同様に、後発医薬品でかぶれる場合に先発医薬品の使用を医療上認められるかどうかは今のところわかりません。新たな情報がわかれば追記させて頂きます。

僕からの回答は以上となります。なかなか難しい部分もありますので、お近くの病院や薬局でもお尋ねされると良いかと思います。

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2024年09月16日 18時59分
編集済み


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