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指名:麻酔科🏳️‍🌈まるか 先生

コロナ感染後の手術について

10歳未満男性

4歳の子供がアデノイド肥大の為、今後酷くなれば手術を考えています。
麻酔科学会のHPで、コロナ感染後の手術は7週間経ってから、感染後それ以内だと死亡リスクが上がるというのを見ました。
無症状だと全く気付かず手術をむかえる事になると思うのですが(知らぬ間にかかって治っているので手術前のPCRは陰性)無症状感染でも7週間経っていなければ死亡率は上がるのでしょうか。
以前コロナにはすでに感染しており、どこで移ったのかは検討もついておらず、濃厚接触者うんぬんでなくともコロナにはかかるという認識の為、無症状だと分からず手術をむかえてしまうのでは…と不安があります。

回答済み

小児科,麻酔科

ご質問ありがとうございます。 まずは、無症候性の新型コロナウイルス感染後に手術を受けて死亡リスクが上がるか、ということについては、まだ十分なエビデンスはありません。 ただ、もしもコロナ感染後7週間以内であっても、コロナが無症状で、かつ、術前のPCR検査でも陰性になるほど時間が経っていれば、通常はほとんど問題にならないと思います。 (術前にCOVID-19を疑わせる症状もなく、コロナの濃厚接触でもない患者の場合、術前のPCR検査をルーチンで行わない施設もありますが、それでもほぼ問題にはならないでしょう。) COVID-19に限らず、風邪などで気道に炎症があった場合は感染が治った後もしばらく気道の過敏性が亢進するため、感染後4週間以内に手術・麻酔を受けると呼吸器合併症のリスクが高くなります。 術前4週間以内に咳などの症状が全くなければ、このリスクは考慮しなくてもよいでしょう。 周術期は少なからず免疫機能が低下するため、COVID-19に限らず何らかの感染症にかかっている場合は、その感染症が増悪するリスクがあります。 しかし、実際のところ、多少の感染症があっても緊急度が高ければ感染症が治る前でも手術を行いますが、それで感染症が明らかに増悪するような症例はほとんどありません。無症状かつ検査でも指摘できないような感染であれば、術後に感染が増悪するリスクは考慮しなくてもよいでしょう。 <まとめと対策> ・無症候性のコロナ感染と周術期の死亡に関して十分なエビデンスはないが、風邪やインフルエンザなどの他の感染症と同様に考えると、4週間以上無症状なら手術を行なってもほとんど問題にならないと考えられる。 ・手術の前は特にコロナの感染対策をする。 ・もし発熱や咳など何らかの症状があらわれた場合は早めに主治医に相談する。 ※無症候性コロナ感染は医療者への感染のリスクもありますが、今回は説明を割愛しています。

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2022年11月29日 21時00分


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