相談回答詳細
指名:Dr.ニコ(小児歯科) 先生
1歳3ヶ月の歯磨きにおけるフッ素使用について
10歳未満女性
ご質問ありがとうございます!お子さんのフッ化物配合歯磨き剤の使用について、授乳とむし歯についてのご相談ですね。 ・歯磨き剤について 結論から申しますと、まずはお子さんが気に入ってらっしゃるバナナ味を使い、それがなくなってから1000ppmFの歯磨き剤を使用すること、できるようであれば最後にガーゼなどで歯以外の部分を拭うことを提案します。 歯磨き剤は食品や飲み薬とは違うため、飲み込まないことが前提のものとして販売されています。吐き出さずに飲み込んでしまうことのリスクは、中毒などのすぐに起きる副作用と、歯のフッ素症などの慢性的に起きるものが懸念されます。しかしこれらが起こるのは、適正使用量を超えた量を守らずに(特に中毒は歯磨き剤丸々1本飲んでしまうなど)体に取り込まれた場合に考えられるものです。 これを踏まえて、吐き出しできない=うがいができない年齢であれば商品の説明上使用を控えたり、濃度の低いものでというようにおっしゃる先生方もいらっしゃると考えています。 実際に今回の改訂では、うがいが明らかに難しい0歳からの使用を推奨していることからも、適正な量であれば1000ppmFのものを安全に使用できるとされています。 さらにお子さんはバナナ味がお気に入りとのことですのでそれで歯磨きに対してポジティブになるのであれば、お子さんや質問者さんにとっても楽しく効率的にむし歯予防ができると思います。(お子さんの年齢で歯磨きを大人しくさせてくれるとは…日頃の質問者さんの努力の賜物ですね♪) より効率的にむし歯を予防するために、バナナ味がなくなった後、1000ppmFに近い濃度の歯磨き剤を使用することをおすすめします。 歯磨き剤後の吐き出しに関しては、お子さんの年齢では難しいと思いますので、可能であれば使用後にガーゼで唾に混ざった歯磨き剤を除去していただければと思います。 ・授乳とむし歯に関して 現在の考え方としては、母乳単体でむし歯になってしまうのではなく、母乳と他の食品が混ざってしまうことでお口の中でそれらが留まってむし歯のリスクが上がるとされています。質問者さんのように夜の授乳前に歯磨きをされているのであれば大きなリスクにならないと思います。 しかしお口の中を拝見していないので、かかりつけの歯医者さんにお口を見て頂いて他のむし歯のリスクがないかを確認してもらえるとより安心かと思います。 以上になります。遠くからお子さんのお口の健康が保たれますよう応援しております♪ 1)厚生労働省:e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-008.html (2023.01.26) 2)厚生労働省:e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-026.html (2023.01.26) 3) 日本口腔衛生学会他: 4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法. https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf (2023.01.26) 4) 小児科と小児歯科の保健検討委員会: 母乳とむし歯-現在の考え方. https://www.jspd.or.jp/common/pdf/06_03.pdf (2023.01.26)
2023年01月26日 08時23分
編集済み