指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

ステロイドの副作用について(オムツかぶれに長期使用)

10歳未満女性

上の子のときから、Twitterやnoteを大変参考にさせていただいています。

生後3ヶ月の第二子のステロイドの副作用が心配でご相談しました。

出産した産婦人科の2週間健診でオムツかぶれにキンダベートを処方されました。
うんちの回数が多いため治らないのだと思い込み、1ヶ月健診までの3週間1日2回キンダベートを塗り続けました。(1ヶ月健診でエキサルベを処方され、オムツかぶれは治りました。)

今改めてキンダベートの添付文書を読んだところ、オムツは密封法と同じ効果があり副作用が出やすいとの記載を見つけ、今更ながら後悔し、不安に思っています。

また、生後2ヶ月からアトピー性皮膚炎の疑いで、皮膚科でステロイドを処方されています。
目の周りには
キンダベート1日2回1週間
→リンデロンA軟膏1日2回1週間
→リンデロンA軟膏1日1回2週間(現在) で、
顔、手足、お腹、背中にも処方された通りにステロイドを使用しています。

娘は元気に見えますが、
副腎や眼圧など見た目でわからない副作用が起きてしまっていないか?と心配しています。

①オムツの内部に3週間も塗っていたことは、副作用の危険が高いのでしょうか?

②副腎や眼圧など、ステロイドの副作用が出ると、どんな症状が現れるのでしょうか?
(最寄りの眼科に眼圧の検査について問い合わせましたが、小学生にならないと測れないと言われどうしたものかと……)
今後注意して観察すべきことや、こんな症状があれば検査や受診をした方がいいなど教えていただけると幸いです。

ステロイドの副作用について、ご指名でのご相談ありがとうございます。生後3ヶ月のお子さん、「生後2週間から3週間おむつかぶれにキンダベート使用、生後2ヶ月からアトピー性皮膚炎の疑いにて目の周りにステロイド使用(キンダベート1日2回1週間→リンデロンA軟膏1日2回1週間→リンデロンA軟膏1日1回2週間)、顔や腹部も処方された通りにステロイド塗布、おむつかぶれに3週間のステロイド塗布は副作用のリスクが高いのか?副腎や眼圧などは大丈夫か?」というご相談でした。

お子さんの皮ふの状態や現在の塗布の状態もわかりませんので、やはり詳しいことはかかりつけの先生にご相談ください。とはいえ、簡単にですが、一般的なこと、僕の個人的な感想についてお書きしておきます。

まず、ステロイド外用薬の副作用についてですが、長期間同じ場所に塗り続けることで塗った場所に起こる「局所的な副作用」とステロイド外用薬が過剰なために起こす「全身的な副作用」は区別する必要があります。「局所的な副作用」には「皮ふが薄くなる」「毛細血管が拡張して血管が浮き出てみえる」「真菌やヘルペスなどの感染症」「酒さ(赤くなる)」などがあります。「全身的な副作用」には「感染症に弱くなる」「副腎皮質機能の抑制」「糖尿病」「骨粗しょう症」などがあります。いずれも初期の症状としては乏しく、他覚的に早期に発見することは困難かと思います。ただ、全身性の副作用に関しては、ステロイドの内服薬や注射薬で起こることが殆どで、外用薬であれば、Ⅲ群以上のステロイド外用薬を多めに(1日15g以上)、1∸2週間以上続けて塗ると全身性副作用が起こる可能性があるとされております。ちなみに、キンダベートはⅣ群で、オムツ内にキンダベートを3週間塗っていたとしても、ステロイドのランクや塗布量からは全身性の副作用が起こる可能性はかなり低いかと思われます。おむつ以外の部分へ塗られているステロイド外用薬のランクはわかりませんが、通常の指示通り塗られて全身的な副作用が出る可能性は低いと考えられます。局所の副作用については、オムツ内だとしても、Ⅳ群で3週間の塗布であれば、通常起きないのではないかと思います。現在の見た目などで気にならなければ良いかと思いますが、次回受診時にかかりつけの先生にご相談ください。

続きまして、目の周りについてですが、同様に、一般的には、ステロイド外用薬を目の周りに「頻繁に」「長期間」使用している方では眼圧が上がりやすいと考えられておりますが、眼圧が上がってしまうまでの期間は「塗布量」「塗布頻度」「ステロイド外用薬の強さ」などによっても異なるようで、なにより、「個人の反応性」の差があるようです。つまり、そもそも、ステロイド薬の使用により眼圧が上がりやすい「ステロイドレスポンダー」と呼ばれる方が居て、特にステロイド点眼薬の場合、お子さんでのステロイドレスポンダーの割合はかなり高いという報告があります。お子さんの反応性については、事前に予想は出来ませんので、出来るだけ目の周りへのステロイド外用薬の使用を減らすことは重要ではあります。一方で、目の周りが痒くて激しくこすってしまうことも、目自体へは悪影響となりますので、適切な湿疹の治療も重要です。現在のお子さんの治療に関しては、一般的かとは思いますが、具体的な治療の方法については、湿疹の程度によっても異なりますし、上述したようにステロイドへの反応性には個人差があり今後も慎重な管理が必要かと思われます。こちらも、ぜひかかりつけの先生とよくご相談ください。

お忙しいなか、丁寧に教えてくださり、ありがとうございます!アトピーや離乳食について、これからも先生の発信で勉強させていただきます!本当にありがとうございました!

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2023年09月26日 16時21分


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