4歳睡眠時無呼吸症候群

10歳未満女性

4歳娘が滲出性中耳炎を疑われたことをきっかけに大学病院を定期的に受診しています。
その際アデノイドが少し大きいかも?ということと、時折イビキが出るという話をしたところ睡眠時無呼吸症候群の可能性を指摘されました。
2日にわたって自宅で機械で検査し、結果睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
親としてはアレルギー症状がでて鼻水が出ている時はいびきをかきますが、そうでない時は大体静かに眠っているので本当にそうなのだろうか?と疑ってしまっている部分があります。
ただ幼少期の睡眠時無呼吸症候群はその後の発達などにも影響が出るとのことなので本当に必要なのであれば手術をした方が子供のためなのかなとも思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、お聞きしたいのは以下です。

①アレルギー起因の鼻水、鼻詰まりがあることによって睡眠時無呼吸症候群と診断されることはあるのか。
②5.6歳までにアデノイドは縮小する可能性があると見たが待った方がいいのか、診断が下りたのであれば早めに手術したほうがいいのか。
③手術以外で睡眠時無呼吸症候群を治療する方法があるのか。あれば手術とその治療法のメリットデメリットが知りたい。

たくさんお聞きして申し訳ないのですが、教えていただきたいです。よろしくお願いします。

こんにちは。ご相談いただき、ありがとうございます。

少し回答が遅くなってしまい、申し訳ありません。

「4歳の子が滲出性中耳炎のため大学病院に通院しており、アデノイドが大きめであることといびきの相談から、検査を行って睡眠時無呼吸症候群と診断されました。ただ、アレルギー性鼻炎の症状が出ているときはいびきがあるものの、落ち着いているときは静かに寝ているので診断に疑問も感じている。治療や検査について相談したい。」ということですね。


検査で診断はされつつも、症状の波もある場合に手術をするかどうかというのはご家族としては悩まれて当然だと思います。

アデノイドの手術適応の判断については、耳鼻科の先生が専門ですので、引き続き担当の先生とご相談いただければと存じますが、小児科医として一般的な回答をさせていただきます。


① アレルギー性鼻炎によって睡眠時無呼吸症候群と診断されることはあるか?

小児の睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、この場で詳細な記載は難しいですが、一般的にはいびきや睡眠中の苦しそうな様子という症状があるお子さんで、睡眠中の呼吸をモニタリングする検査で一定の頻度で無呼吸がある場合に診断となります。

ただ、実際には全員に睡眠中の呼吸モニタリングを行うことは難しいため、はっきりした症状の訴えに加えて、アデノイドの大きさを含めて専門(耳鼻科)の先生が総合的に判断するということもあります。

そのため、鼻炎症状によって無呼吸が悪化している場合でも診断がつくことはあります。

ただ、一般的には鼻炎症状がありそうな場合には、ステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬などによる鼻炎への積極的な治療を始めてみて、反応性をみてから判断されるという場面が多いかなと思います(私自身いびきで相談があった場合に、鼻炎があるお子さんではまずは鼻炎の治療の強化を行って、反応が不十分な場合に耳鼻科で相談としています)。


日本耳鼻科学会の睡眠時無呼吸についての記載がわかりやすいのではないかと思い、参考に載せさせていただきます。

・https://www.jibika.or.jp/modules/disease_kids/index.php?content_id=22


② 5、6歳までにアデノイドは縮小する可能性があるということで、待った方が良いのか、診断が付いた時点で手術をした方が良いのか、どう考えるか。

確かに自然と小さくなってくることはもちろんありますが、やはりその時点で手術が望ましいというレベルのアデノイドの大きさや無呼吸の程度であった場合には、手術を含めて治療を相談していただくようおすすめしています。

私自身も小児期に手術をされていますが、患者さんにもよりますが、治療効果も小さくないことが多いため、程度が強い方には手術は十分選択肢に上がってくると思います。

ただ、鼻炎によって悪化している場合や、あごの形などアデノイド以外の要因が問題になっている場合もありますので、手術適応については耳鼻科の先生の判断が重要だと思います。

ご相談者さまのお子さんの場合は、滲出性中耳炎に対する意味も含めての相談になるのではないかなとも思いますので、やはり担当の先生としっかりご相談いただくことが大切です。


③ 手術以外の睡眠時無呼吸の治療法について

鼻炎症状がある方の場合は、やはりアレルギー性鼻炎の治療強化というのがよく行われると思います。他に、例えば肥満のお子さんであれば肥満に対する介入を行うこともあります。また、枕など寝るときの体勢によっても多少変動がありますので、抱きまくらなどで横向きに寝るというのも一つのパターンとしてはあると思います。

ただ、いずれにしても症状が続いてしまう場合はやはり手術の相談が必要になるのではないかなと思います。


回答としては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。

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2024年01月17日 11時14分


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