みなさんは何かの製品を調べたりしている際に、その説明文や口コミなどを見て参考にしますか?例えばその製品に医師によるコメントやおススメな理由などが記載してあったらどうでしょうか?

世の中には、エビデンスに基づいた製品ではないのに、あたかも〇〇〇な効能があるといった宣伝が記載してある製品ページを目にします。残念ながらそのようなコメントや監修者の中に医師もいるのが実情になります。

私は医師として正確な医療知識を発信していくことを目的に定期的に記事を書いていますが、医師としてSNSで発信をしていると時々こんな依頼が来ることがあります。

「この製品に関して、医師として有用であるという内容として宣伝記事を書いて欲しい」

ライターとして活動していると、記事を依頼してくださるクライアントの方はお客様です。なかには、言われた通りに宣伝記事を書く方もいるかもしれません。

しかしながら私は自身のライターとしてのスタンスとして、エビデンスのないことをあたかも効果があるというような宣伝記事はお断りしています。というのは、私は医師という仕事に責任をもって取り組んでおり、正確な情報を伝えるということを自身の信条としています。ですから、現状正確ではない情報を宣伝として発信することは自身の信条に反していると考えるからです。

ただし、ただお断りするのではなく、ご依頼いただいた内容に関してきちんとヒアリングし、必要に応じて軌道修正をして記事を執筆させていただいています。

それでは私がどんなことに気を付けて記事を執筆しているのかお伝えします。


1.大切なことは、その製品についてどんなことを何を目的に伝えたいのかヒアリングしてみる

例えば、とある企業から感染対策製品としてオートアルコールディスペンサーに関して製品の宣伝記事を書いてほしいという依頼を受けたとしましょう。手をセンサーにかざすだけでアルコールが噴霧されるため、触れずに使用することができます。手動タイプよりは直接ディスペンサーに触れることはないのでディスペンサーを介した接触感染リスクは低減されるように思います。

しかしながら、実際に手動と自動のアルコールディスペンサーを前向きで比較して接触感染のリスクを比較した研究というのはあまりないかと思います。手動でも自動でもこまめな手指消毒が感染対策上有効なのはいうまでもありません。

クライアントにヒアリングしてみましょう。クライアントは新型コロナウイルス感染症の流行を鑑みて、少しでも感染対策に役立つ製品を開発したのです。もちろん、売れる製品を作って販売したいということはあるかと思いますが、きちんと感染対策を学び、論文を調べて正しい情報を発信しながら販売していきたいという想いがありました。


2.正しい発信がクライアント企業の信頼を高めることにより、結果的に製品も売れるようになる

クライアントからヒアリングをした私は、単にこの製品の宣伝記事を書くのではなく、企業として正しい感染対策に関する知識を発信していくのはどうでしょうか?それにより、企業イメージが高められ、きちんと感染対策をはじめとしたエビデンスにこだわっていることで製品へのイメージも良くなり、結果として製品が売れるようになるのではないかと提案しました。

すると、クライアントも共感していただくことができ、論文やガイドラインなどをもとに正しいエビデンスを発信し、感染対策の知識を一般の方へ伝えていくという記事執筆へ依頼が変更となり、実際多くの記事執筆をさせていただけることになりました。

もちろんそれが実際の売り上げに貢献できればなおよしですが、そこは今後に期待したいと思います。


3.医師ライターとしてのスタンスを崩さないことが新たな信頼を得ることができ、次の依頼にもつながる

このように、単に一つの製品の宣伝記事を書いてくださいという単発の依頼を、うまくヒアリングすることで、正しい方向へクライアント企業を導き、製品だけでなく企業イメージも高めながら、正しい発信としての記事執筆依頼へとつなげることができました。

私たち医師は、医師という仕事にやりがいをもち、日々勉強しながら知見を培っています。ですからそのような知見を正しい方向性で発信したいと常々思っています。


まとめ

今回は、ある製品の宣伝記事を書いてほしいと依頼されたら?というタイトルで記事を執筆しました。医師に限らず専門職の方でライターをしていると、時々監修依頼や執筆依頼がくることがあります。その時に、自身のスタンスを崩さず、でもクライアントにただお断りするのではなく、上手にヒアリングすることでお互いが納得した記事を執筆できるようになると良いですよね。