【愛着ってなに?】それは生きていくために必要なもの
【はじめに】
この記事は
•愛着という言葉を聞いたことはあるけど, 意味がよくわからないあなた
•現在子育て中のお母さん, お父さん
•そして妊娠中のお母さん, 奥様が妊娠しているお父さん
に向けて書いています.
【1.愛着という言葉の定義】
【2.愛着はなぜ生まれたの?〜進化論との関係〜】
【3.なぜ今, 愛着が大事なのか?】
について順番にお話ししてきたいと思います.
【1.愛着という言葉の定義】
愛着という言葉は1960年代に生まれた言葉で,
英語ではAttachmentといいます.
親と子どもの関係を表す言葉として,なんとなく使われていますが,
本当の定義は
人が不安やストレスを感じた時に,
自分を助けてくれるであろう人に
助けを求める“行動”
のことをいいます.
例えば, 子どもが注射をされる時,
「ヤダ」とか「イタイ」とか言いそうな場面でも
子どもは「ママ〜」と思いっきり叫ぶのです.
つまり, 注射が怖い子どもが,
自分を助けてくれるであろうお母さんに助けを求める.
この行動こそ愛着そのものなのです.
よく聞く【愛着障害】と言うのは
不安やストレスを感じているのに,
誰にも助けを求められなくなっている状態
のことを言うのです,.
【2.愛着はなぜ生まれたの?〜進化論との関係〜】
実はこの愛着, 人間の進化と密接に関係しています.
人間の赤ちゃんはとても未熟な状態で生まれてきます.
生まれて数十秒後には走り出す動物がいる中で,
人間の赤ちゃんができることは
泣くこと
反射でおっぱい(ミルク)を飲むこと
だけです.
人間の赤ちゃんは群を抜いて未熟で弱いののです.
ではなぜ, 人間の赤ちゃんはこんなに弱い状態で生まれてくるのでしょうか?
実は人間が二足歩行になったことと深い関係があります.
人間は道具を使うために二足歩行になりました.
結果, 子宮の向きが四足歩行の時と変わることになったのです.
子宮の出口が地面を向いて,
子宮の出口は重力に耐えなければ行けなくなりました.,
結果として,子どもが成熟するまで, 妊娠を継続できなくなってしまい,
他の動物よりも早産で生まれることになったのです.
ここから愛着の話に戻ります.
弱い人間の赤ちゃんは自分で自分の身を守れないため,
親や周囲の大人に自分を守ってもらう必要があります.
だからこそ, 赤ちゃんには
【自分を守るために泣く】
【泣いて, 泣き声に気がついた親に守ってもらう】
という機能が備わっているのです,
考えてみてください,
出産の時に大きな声で泣く赤ちゃんは人間の赤ちゃんだけです.
泣けばオオカミやライオンのような外敵に自分の居場所を明かすことになります.
これは命を守るためには非常に不利なはずです,
しかし, 人間の赤ちゃんは外敵に自分の居場所がバレたとしても
守ってもらうために泣くことを選んだのです.
【3.なぜ今, 愛着が大事なのか?】
なぜ今, 愛着が大事なのでしょうか?
人間の社会のストレスはますます増すばかりで,
子どもが抱えるストレスもこれまでになく増えています.
不登校
自傷行為
自殺
少子化の日本で, どんどん増えています.
残念ですが, 子どもの不安やストレスはなくせません.
だからこそ, 子どもがSOSを出せるように,
つまり, 人間に元々備わっているはずの本能とも言える
“愛着”
を機能させることが重要なのです.
子どもが泣いている時, それは親御さんとしては心配なことだと思います.
でも, もっと心配なのは泣かないといけない時に
子どもが泣いていない時なのです.
『子どもが安全に生き延び, 健やかに成長・発達するために,
SOSを出せる環境を
お母さん, お父さんと一緒に,
社会の大人が作っていくことが重要なのだと思っています.
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【公認心理師】の資格も保有してます.
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