0歳のMRワクチン接種について

10歳未満 男性

こどアレ先生、こんにちは。

現在8ヶ月ちょうどの子がいるため、麻疹の流行を懸念し8ヶ月半でMRワクチンの摂取を検討しています。かかりつけ医は、8ヶ月半では抗体がつくかわからないので早期摂取するにしても10ヶ月くらいがおすすめだけど8ヶ月半で打ってもいいよとのことでした。

大阪寄りの京都府在住ですが、夫が関東含む全国出張が多く、愛知や大阪在住の家族とたまに会うため、私としては6ヶ月から打ちたい気持ちでしたが移行抗体の影響を考えて8ヶ月半まで待とうと思いこの時期になりました。
(私は3回接種。夫は2回接種ずみ。)

以下質問です。
①8ヶ月半でワクチンを打った場合、定期接種1歳以降はいつ打つのが良いか。1歳すぐだと8ヶ月半で打ったワクチンの抗体が1歳で打ったワクチンの効果を打ち消してしまわないか。

②オランダの研究で、8ヶ月半未満にワクチンを打つと1歳以降でもう一度打っても抗体衰退が速いとされているようですが、そうなった場合1歳から次回接種の6歳までの期間に逆に感染リスクが高まってしまうのか。さらに6歳以降も抗体衰退が速いのか。


③0歳接種した場合、後の2回定期接種をしても、長期的には3倍ほど麻疹感染率が上がると言われているようですが(複数の研究のメタアナリシスにより)これもデメリットになるか。

④8ヶ月半や1歳接種でも抗体獲得できなかった場合はSSPEのリスクは未接種と同等になるのか。

もし0歳接種で長期的な保護率が下がるなら、1歳まで待つことも検討しています。
長くなってしまいましたが、ご教示いただけますと幸いです。

回答済み

小児科

乳児のMRワクチン接種について、ご質問ありがとうございます。生後8ヶ月のお子さん、「麻疹の流行を懸念し生後8ヶ月半でのMRワクチンの接種を検討、かかりつけ医は「8ヶ月半では抗体がつくかわからないので早期接種するにしても10ヶ月くらいがお勧めだけど8ヶ月半で打っても良い」との返答、京都府在住、父が関東含む全国出張が多く愛知や大阪在住の家族とたまに会うため生後6ヶ月で接種したかったが移行抗体の影響を考えて8ヶ月半まで待つことにした(母3回接種、父2回接種済み)。①8ヶ月半で接種した場合、定期接種は1歳以降いつが良いのか?早過ぎると効果が落ちないか?②オランダの研究で、8ヶ月半未満での接種は抗体衰退が早いとされているようだが、1歳から6歳までの感染リスクは上がるのか? 6歳以降も抗体衰退が早いのか?③乳児で接種した場合、その後2回定期接種をしても長期的には3倍ほど麻疹感染率が上がるようだがどう考えるか?④8ヶ月半や1歳での接種で抗体獲得出来なかった場合はSSPEのリスクは未接種と同等になるのか?」というご質問でした。

麻しんの報告が相次ぎご心配かと思います。回答が長くなりますし、内容的にも解り難くなるかも知れませんが、ご質問に回答してみます。

ご存じかと思いますが、1歳未満の赤ちゃんのMRワクチンの任意での接種については、「1歳の定期接種までの繋ぎ」のような位置付けではあります。お母さんの移行抗体が切れた後の無防備な期間における重要な防御手段で、早期に接種するメリットはその無防備な期間の麻しんの感染リスクを下げることにあります。その上で、赤ちゃんが早期に接種した方が良いかは「麻しんの感染リスク」=「お住まいの地域の麻しんの流行状況」や「お子さんやご家族の麻しんの感染リスク(=登園の有無や公共交通機関の利用や不特定多数の方と会う機会の多さ)」や「親御さんのご心配」などにより判断されることになります。もちろん、赤ちゃん以外のご家族はしっかりMRワクチンを接種して頂く必要はあります。

1歳未満で任意接種された場合、通常、1歳になったら速やかに定期接種をすることが勧められます。移行抗体の影響で免疫が不十分となっていたとすればそこでしっかり免疫をつけるため、もし仮に既にしっかり免疫がついていたとしても、再度接種することで通常のワクチンの追加接種のように、より免疫が強化されるであろうと考えられます。

また、オランダの研究含めて、よく調べられてますね。確かに、移行抗体の影響で、早期接種することにより、抗体の低下は早くなるようですので、感染リスクが上がる可能性はあります。ただ、麻しんの感染があまり無い現在の日本では、そもそも母親からの移行抗体が少ない可能性もありますし、定期接種で1歳で再接種しますし、そもそも、麻しんウイルスに対する免疫は、抗体だけではなく、細胞性免疫(T細胞)の誘導もありますし、見かけ上抗体が低く見えても免疫の記憶(メモリーB細胞)はあり、仮に感染してしまっても重症化予防の効果は充分にある可能性もあります。つまり、仰る通り、感染のリスクは少し上がる可能性はありますが、それが実際の感染リスクの増加としてどの程度影響するかはエビデンスはなく、あまり差が無いのではと考えております。また、6歳以降に関しても、抗体が低めになる可能性もありますが、5-6歳での追加接種にて免疫がより強化されますので、こちらも、そこまで感染リスクの差は無いと考えられます(エビデンスはありません)。③についても同様で、早期接種で麻しんの感染リスクが相対的に上がるという点も、相対的には上がるものの、もともとの感染率も感染リスクが小さいこともあり、絶対的なリスクとしてはそれまで上がらないのではないかと推測されております。

また、SSPEの発症に関しては、麻しんに感染しないことが何より重要ではあります。これまでの話でお解りになろうかと思いますが、接種するかしないかでは大きく異なり、しっかり免疫が出来ればもちろん良いですし、仮に「接種したが抗体が上がらなかった」としても、抗体以外の他の免疫が誘導される可能性がありますので、感染は完全には防げないにしても、やはり未接種の状態とは異なり、SSPEのリスクを下げられる可能性があります。

まとめると、1歳までの麻しんの感染あるいは重症化リスクを減らすために早期接種は重要ですが、麻しんの感染リスクが低い状態で接種してもメリットは無く、逆に、移行抗体の影響で長期的な免疫に関してマイナスになる可能性はあります。ただ、そのマイナスも定期接種2回して免疫を強化することで、大きな差にならずに済む可能性があると考えられます。結局、早期接種するかどうかは「麻しんの感染リスク」によりどうするかという最初の問いに戻ってしまいますが、お子さんのように8.5か月以降の赤ちゃんに関しては、早期接種のデメリットもほぼ無いかとは思われますし、ご心配でしたら1歳未満でも接種されると良いかと思います。とはいえ、現状では、客観的にみて、本当に早期接種した方が良いと思われるほど大流行の地域も我が国には無いようにも思われます。解り難い回答で申し訳ありません。かかりつけの先生、ご家族とよくご相談ください。

ご丁寧にご回答いただきありがとうございます。
客観的に見ると早期接種するほどではないのかなと思いつつ、どうしても万一を考えて心配が勝ってしまっている心境です。
早期接種に大きなデメリットがないのであれば、8.5ヶ月での接種を前向きに検討しようと思います。
ありがとうございました。

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2026年04月09日 15時53分
編集済み


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