指名: こどアレ@小児科&アレルギー  先生

6ヶ月の子のMRワクチンの接種について

10歳未満 女性

こどアレ先生のSNSでの情報発信をいつも興味深く拝見しております。
類似の質問が多い中で恐縮ではございますが、6ヶ月の子のMRワクチンの接種について質問させていただけたらと思います。

都内在住なのですが、子の整形外科の定期受診のために月に2回ほど公共交通機関を利用して移動する必要があります。都心のターミナル駅を乗り換えで利用せねばならず、麻疹の罹患リスクが高いのではと懸念しております。
そのため生後6ヶ月でのMRワクチンの接種を検討しており、かかりつけは1歳未満のワクチン接種に対応していないため、別の小児科で予約を取りました。
しかし1歳未満で接種することにより、1歳以降の定期接種を行った場合に抗体がつきにくい可能性があること知り、打つべきか迷いが生じております。

①生後6ヶ月ではどこまで抗体がつくかはわからないかと思いますが、SSPEの予防という観点では多少の効果は見込めるものでしょうか?
②仮に生後6ヶ月で打ったとして、1歳での定期接種以降免疫がつきにくい可能性があるとなると、小学校入学前に打つ定期接種2回目までの間も、麻疹に罹患するリスクは通常と比べて高いのでしょうか?
③生後6ヶ月以降1歳未満で打つとすると、移行免疫の観点から生後8-9ヶ月頃の方が良いのでしょうか?それともあくまで移行免疫がどこまであるかわからない以上は、あまり大差はないものでしょうか?
不明瞭な部分が多い質問で申し訳ございません。日々麻疹のニュースを見て心配しており、先生のお力をお借りできますと幸いです。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご回答お待ちしております。

回答済み

小児科

6ヶ月の赤ちゃんのMRワクチンの接種について、ご指名でのご相談ありがとうございます。「都内在住、赤ちゃんの定期受診のために月2回公共交通機関を利用(都心のターミナル駅で乗り換え)するため麻疹の感染リスクを鑑みて生後6ヶ月でのMRワクチンの接種を検討している、小児科で「1歳未満で接種することにより1歳以降の定期接種を行った場合に抗体がつきにくい」可能性があること知り接種を迷っている、①生後6ヶ月の接種でもSSPEの予防の効果はあるのか?、②1歳以降免疫が付き難い可能性があるとなると定期接種2回目までの間の感染リスクも通常と比べて高いのか?、③接種は生後6ヶ月より生後8-9ヶ月の方が良いのか?

特に東京都は麻疹の流行が拡大中でご心配かと思います。いろいろお調べになられていて素晴らしいです。ご指摘のように、まだはっきりわからないこと、なにより個人差もありますので、正解は無いかと思いますが、現状の僕の考えをご回答してみます。

ご存じかと思いますが、1歳未満の赤ちゃんのMRワクチンの接種については、あくまで「1歳の定期接種までの繋ぎ」のような位置付けではあります。お母さんの移行抗体が切れた後の無防備な期間における重要な防御手段で、任意で早期に接種するメリットは無防備な期間の麻疹の感染リスクを下げることにあります。もちろん、赤ちゃん以外のご家族はしっかりMRワクチンを2回接種して頂く必要はあります。その上で、赤ちゃんが早期に接種した方が良いかは「麻しんの感染リスク」=「お住まいの地域の麻しんの流行状況」や「お子さんやご家族の麻しんの感染リスク(=登園の有無や公共交通機関の利用や不特定多数の方と会う機会の多さ)」や「親御さんのご心配」などにより判断されることになります。お子さんの場合は、確かに都内で公共交通機関も都心のターミナル駅も使用することがあり、麻疹の感染リスクはある状況かとは思います。

確かに、移行抗体の影響で、早期接種することにより接種後の抗体の低下が早くなる傾向があるという報告はあります。それに伴い、1歳から5歳の間の感染リスクが上がる可能性は有り得ますが、麻しんの感染があまり無い現在の日本では母親からの移行抗体が少なくオランダほど免疫の獲得に影響しない可能性もあります。また、そもそも麻しんウイルスに対する免疫は、抗体だけではなく、細胞性免疫(T細胞)の誘導もありますし、見かけ上抗体が低く見えても免疫の記憶(メモリーB細胞)はあることが多く、仮に感染してしまっても重症化予防の効果は充分にある可能性もあります。つまり、仰る通り、感染のリスクは少し上がる可能性はありますが、それが実際の感染リスクの増加としてどの程度影響するかはエビデンスは無く、個人的にはあまり差が無いのではと考えております。また、6歳以降に関しても、抗体が低めになる可能性もありますが、5-6歳での追加接種にて免疫がより強化されますので、こちらも、そこまで感染リスクの差は無いと考えております(エビデンスはありません)。

また、SSPEの発症に関しては、麻しんに感染しないことが何より重要ではあります。早期接種により抗体が出来れば感染を予防出来てSSPEの発症を防げますし、こちらも先程の話と同様、仮に「接種したが抗体があまり上がらなかった」としても、抗体以外の他の免疫が誘導される可能性がありますので、未接種の状態とは異なり、SSPEのリスクを下げられる可能性があります。むしろ、重症化の予防と共に、SSPEの発症を減らすことがMRワクチンの早期接種の目的の一つとも考えられます。

その上で、接種時期の問題ですが、待てそうなら生後9ヶ月以降の方が良いのかも知れませんが、麻疹の感染および重症化やSSPEのリスクを考えると、結局、現状の「お子さんの麻疹の感染リスク」ということが一番の検討点になろうかと思います。個人的には、今後麻疹の流行が速やかにおさまるという可能性の方が低そうか、むしろGWで全国に拡大するのではないかと懸念されます。お子さんに関しては、都内在住で公共交通機関や都心のターミナル駅を利用されるようですので、ご心配であればお早めに接種されると良いのではないかとは思います。ただ、もちろん、今の状況で絶対接種すべきという訳でもありません。

解り難い回答で申し訳ありませんが、僕からの回答は以上となります。ご家族や小児科の先生とよくご相談されて決められると良いかと思います。

お忙しいところご回答いただきありがとうございます。とても悩んでおりましたので、先生のご意見を賜ることができ、感謝の念に堪えません。リスクベネフィットを考えて打つ方向でいこうと思います。この度は本当にありがとうございました。先生の益々のご活躍をお祈りしております。

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2026年04月21日 10時09分


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*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。

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