指名：高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

ジエノゲスト0.5mgで生理は止まるのか

30代女性

子宮内膜症、チョコレート嚢胞を指摘され、ジエノゲスト0.5mgを内服して1年が経ちます。生理の回数は減りましたが、1〜2ヶ月に1回は生理のような出血とジエノゲスト内服前に感じていた腹痛等の症状があります。不正出血は月に2〜3週間あります。かかりつけ医の先生は「生理と不正出血の区別は付きにくいよね」とおっしゃっており、ジエノゲスト0.5mgは生理を止めることはできないと思っていたのですが、先生のYouTubeの投稿では「ジエノゲスト0.5mgは完全に生理を止められる」とおっしゃっていました。ジエノゲスト0.5mgは生理を止めることができるのでしょうか？生理が止まらない場合は薬が効いていないということでしょうか？そもそも私が生理と思っているものは不正出血なのでしょうか？また生理と不正出血の区別があれば教えていただきたいです。

回答済み

産婦人科

user_icon高橋怜奈/産婦人科医YouTuber先生

ご質問ありがとうございます。


子宮内膜症とチョコレート嚢胞を指摘されてジエノゲスト0.5mgを服用しているが、1〜2か月に1回生理のような出血が2〜3週間に1回続く。不正出血と生理の違いは何か、薬を変えた方がいいのかというご相談ですね。


ジエノゲスト0.5を服用している間、通常は排卵が止まり子宮内膜が薄くなります。以前YouTubeで生理が止まるとお伝えしたのは理論上そのように作られている薬という意味合いです。理論上、いわゆる生理は止まります。排卵がこず、内膜も薄くなっているので、そのあと起きる出血は基本的には不正出血です。

ただし、まれに排卵が起きてしまったり、特に飲み始めは不正出血が起こることがあります。人によっては生理のようなタイミングで月に1回、薬を飲む前よりも軽くなったけれども出血があるという方もいます。また服用していても下痢が続いていて吸収不良が起きている場合出血もおきやすいです。

生理か不正出血なのか、というのは基礎体温を測ったりホルモン検査やエコーをすればわかるのですが、基本的にどちらか診断しても方針が変わらないので、見極めるための検査はわざわざ行いません。ただしご質問者様は2〜3週間続いているということを考えると不正出血だろうなと思います。

（以下、生理も不正出血も合わせて『出血』と表現します）

現在、出血があるときは数週間続いてしまい、お腹も痛くなる、そしてチョコレート嚢胞も指摘されていることを考えると、かかりつけ医と薬の変更について相談してもいいのかなと思います。


ジエノゲスト0.5mgは月経困難症の適応で、それだけでも子宮内膜症が結果的に改善することもありますが、ジエノゲスト1mgは子宮内膜症に対して使えます。

0.5mgの服用でも出血や腹痛があるのであれば、1mgや、レルミナというGnRHアンタゴニストを一時的に使う方法もあります。


元々のチョコレート嚢胞の大きさや、子宮内膜症の程度、また、ご本人様が出血に対してどのようにお考えか（今くらいの出血なら全く問題ないのか、それともできれば出血は起こしたくないのか）などによっても薬剤の選択が変わります。


ジエノゲスト1mgやレルミナに変更することで更年期症状がでることもあり（漢方などで改善させることも多いですが）、それらを患者さんが以前他の薬で一度経験しているからあえて0.5mgを使うケースもあります。


ぜひかかりつけ医と相談されることをおすすめします。


また、子宮頸がん、子宮体がん、性感染症検査など、診察上必要がれば検査を相談の上、ご検討されてもいいでしょう。


以上、ご参考になりましたら幸いです。また何かご不安なことがありましたらいつでもご相談くださいね。

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2023年10月25日 09時57分

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高橋怜奈/産婦人科医YouTuber先生

産婦人科, 婦人科, 美容外科

YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
【質問時】婦人科検診歴（子宮頸癌検診、エコー、性感染症などの時期と結果）、現在の使用薬の種類、量をご記載下さい。

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