指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

副鼻腔炎と風邪の違いについて

20代女性

子供の風邪をよくもらうようになってから、風邪の終わりに後鼻漏(透明だったり黄色や緑だったりその時によります)になるようになりました。

2-3週間続いた時に一度耳鼻科で内視鏡で鼻を見ていただきましたが、粘膜のむくみはあるものの明らかな副鼻腔炎らしい状態ではないと言われました。

たいてい風邪症状が出始めてから3週間もすればなくなるのですが、これは風邪の引き終わりの症状ということで良いのでしょうか?(後鼻漏以外の症状は1週間以内に治ります)

また10代の頃は後鼻漏になることはなかったのですが、最近はそもそも風邪の時の鼻水が最初から鼻からは出ずに喉からほとんど出てくるのですが、これは老化?でしょうか…

回答済み

耳鼻咽喉科

指名質問いただきありがとうございます。お子様の風邪で後鼻漏が出やすくなってこまっている、ということですね。おそらく指摘された症状は上咽頭炎もしくは咽頭扁桃炎による後鼻漏とよばれる状態と考えます。風邪の症状の一つで老化は関係ありません。


鼻の一番奥の部分を上咽頭といいますが、この部分には扁桃腺=口蓋扁桃の親戚である咽頭扁桃とよばれる扁桃組織が存在します。扁桃はリンパ組織であり、はな・のどの感染があると反応して腫れたり分泌物を出すことがあったり、その組織自体が細菌・ウイルスの感染対象になったりします。この状態を上咽頭炎もしくは咽頭扁桃炎と呼びます。


副鼻腔炎と診断が難しいことがありますが、副鼻腔炎の場合は鼻汁、頭痛、歯痛を伴うことが多いです。相談者様の場合はいかがでしょうか?耳鼻咽喉科で内視鏡を受けたが鼻汁は認めなかったということと思いますので、副鼻腔炎の可能性は比較的低いものであろうと思います。すると、やはり上咽頭炎として対策を考えるのが良さそうです。


上咽頭炎は風邪でよく起こる状態のひとつで、症状としては喉が痛い感じ、鼻と喉のおくに痰がくっついている感じ、鼻水が喉に落ちる感じがするが鼻水は出ない、といった症状が出ることが多いです。必ずしも老化は関係ないですし、20代では老化による症状は出にくいでしょう。むしろ免疫が活発な20−40代では扁桃の症状がでやすいので、若いからこそ出る症状かもしれません。


風邪と同様、基本は対症療法での対応となります。痛いときは鎮静薬を使ったり、分泌物を排出しやすくするため去痰薬を処方することもあります。ご自宅でできる対処法ですが、気になるときに鼻洗浄をするという方法があります。鼻洗浄の器械として、アマゾンで購入可能なハナクリーンSもしくはサイナスリンスという商品をおすすめします。毎日のケアというよりは、後鼻漏が付着して気になるときに洗い流すという方法で使っていただきたいです。


以上返答させていただきます。お子様はどうしても風邪を引きますし、寒くなってくるとますます風邪が増えてしまいますよね。せめて外から風邪を貰わないように、マスク着用、手洗いうがいを励行し予防を心がけてください。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

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2023年11月15日 07時27分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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