慢性副鼻腔炎？の治療は必要か
30代女性
副鼻腔炎についてご相談させてください。
（現在の症状→ 後鼻漏。
そのせいなのか風邪を引いたようなだるさ、喉の痛み、軽い咳が出るときもあります。
また、後鼻漏は食後に酷くなるような気もしています。）
痰が絡まるような症状が気になり、2018年に初めて受診をし、副鼻腔に少し膿が溜まっているとのことで治療を開始しました。
確か2週間ごとに抗菌薬を変えながら治療を続けたのですがなかなか良くならず、数ヶ月で通院をやめ、その後妊娠したため病院には行っていませんでした。
症状が出る時期と出ない時期がありやり過ごしていたのですが、後鼻漏がかなり辛いときもあり、治したい（又は症状を和らげたい）気持ちと、子どもも小さいので通院が大変、前のようにまたなかなか治らないんじゃないか、そして治らないまま様々な抗菌薬を次々飲み続けると耐性菌ができないかと心配しています。
治療すれば改善は見込めるのでしょうか？
また耐性菌のリスクなどないのでしょうか？
治療せず放置すると、悪化したり別の病気を引き起こす可能性はありますか？
まとまりのない文章で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
回答済み
指名質問いただきありがとうございます。後鼻漏、喉の痛み、咳が続いているということですね。結論から申し上げますと、きっちり検査・診断を受けることと、自分でもできるケアから行っていくことをおすすめします。
慢性副鼻腔炎は一般的な疾患ですが、原因によって治療法が異なります。急性炎症から3週間程度経過しても改善しない鼻汁・後鼻漏から疑い、レントゲンやCTや検査で診断します。最も多いのは風邪のあとに細菌やウイルス感染を生じ、続発的におこった炎症が排出しきれなくなることで発症します。慢性的に鼻汁、後鼻漏、頭痛などが継続することがあります。
問題は、この「続発的に起こった炎症」がどのような原因で起こっているかを明らかにする必要がある点です。細菌感染が継続することもありますが、骨の構造的に起こりやすい方もいらっしゃいますし、近年ではアレルギー性の要因が関係していることもよくあります。このあたりをしっかり見極めるには、一度CT検査や、必要に応じて培養検査・血液検査を受けることが必要となります。
治療としては去痰薬をベースとして、診断に合わせて選択します。細菌感染では抗菌薬を継続する場合もありますが、効果がなければ抗菌薬は漫然とは投与しません。おっしゃるとおり、耐性菌をなるべく発生させたくないというのがその理由になります。抗菌薬を投与しない場合、アレルギー性鼻炎に用いるような薬剤のほうが有効かもしれません。このあたりは鼻内の所見やCT検査などで考えていく必要があります。
そして、そもそも論として、本当に副鼻腔炎であるかどうかを見極める必要があります。後鼻漏、喉の痛み、咳などが続いていたとしても、検査してみたら副鼻腔炎はない、という方をよく見かけます。この場合はもちろん抗菌薬は不必要となりますよね。やはり診断が非常に重要です。
慢性副鼻腔炎を放置した場合、すぐに問題になるようなことは殆どありません。しかし、一応理論上はリスクとしては慢性炎症から癌の発症リスクが高くなることが知られています。ですので、副鼻腔炎が間違いないとすれば治療は行っていただいたほうがよろしいかと思います。
また、ご自宅で可能なケアとして、鼻洗浄・鼻うがいがあります。Amazonでハナクリーンもしくはサイナスリンスという商品を検索してみてください。いずれも鼻洗浄を簡単に行うことができる器具になっています。鼻洗浄を行うことは症状を改善し、副鼻腔炎の改善にも役立つため、行っていただくことをおすすめします。
以上まとめますと、やはりCT検査を念頭にまずは診断をしっかりしていただき、それに合わせた治療を行っていただくことをおすすめします。ご自宅で鼻洗浄を行ってみてはいかがでしょうか。以上返答させていただきます。小さいお子様がいらっしゃるということで、普段から忙しいことと思います。疲れ・睡眠不足への対応も重要であることをどうぞ念頭に置いてください。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。
2024年03月04日 12時34分
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