MRワクチン 任意接種
10歳未満 女性
HAL先生こんにちは。
補完食読みました!一滴の母乳には一滴の価値があるという言葉に救われました!
MRワクチン任意接種についてご相談させてください。
4月17日に生後6ヶ月になる娘です。京都在住で、私は産後風疹の抗体が低かったためMRワクチン3回目追加接種、夫も最近3回目追加接種済みです。
関西で麻疹がちらほら出ていること、これから大阪万博が始まるのですごく心配で、支援センターなども怖くてなかなか外出できていません。SS PEというのがあると知ってますます怖いです。
かかりつけの小児科の先生に任意接種について相談した時は、「今の状況は流行とは言い難いので、一歳を待っての接種でいいんじゃないかな?」とのご意見でした。
私としては、5月、7月に大阪在住の知人に会う予定があったり(子供同伴)、支援センターにも安心して行きたい気持ちがあるので、安全でデメリットが少ないのであれば任意で打ちたいなという気持ちです。
3つ質問させてください。
①上記の状況で先生的には接種してもいいと思いますか?しないほうがいいと思いますか?
回答済み
ご質問ありがとうございます。
本も読んでくださってありがとうございます!
生後6ヶ月のお子さんのMRワクチン任意接種についてのご質問ですね。
京都にお住まいで関西方面で麻疹患者さんも出ており、安全でデメリットがなければ接種したい気持ちがある。かかりつけの小児科の先生には、1歳を待っての接種でいいのではないかと言われている、ということですね。
2通にわけてのご質問でしたので、分けて回答していきますね。
個人的に、もし流行したとしたら一番心配なのが1歳前、特に生後6ヶ月〜の赤ちゃんと思っております。ですので、ご心配であるお気持ち、大変わかります。
順番に回答していきますね。1と2は内容がかぶるので、一緒に回答します。
①上記の状況で先生的には接種してもいいと思いますか?しないほうがいいと思いますか?
②接種のデメリット、危険性はありますか?(sspeの可能性が増えるなど)ネットで早期接種はブースター効果を弱めるというような内容を見て、未来に不利益があるなら打たないほうがいいなと思っています。
うーん、なかなか難しいです。ただ、1歳未満のワクチンには若干のデメリットがあります。
赤ちゃんは、お母さんが持っている抗体を胎盤経由で受け取ってうまれてきます。移行抗体と言います。生後しばらくはこの抗体によって守られているんですね。
しかし、生後6ヶ月頃にはこの抗体がかなり減ってしまいまして、赤ちゃんは十分に守られなくなってしまいます。(移行抗体がどのくらい長続きするかは人により違います)
そして赤ちゃん自身が病原体に触れて感染したりして、徐々に自分の力で様々な感染症に対する防御を固めていくんですね。ただ、あまりに危険な病原体は、実際に感染・発症すると命やその後健康に関わりますので、ワクチンが開発され、それによって実際に病気にかかるよりも安全に免疫を身につけていきます。麻疹もその一つですね。
麻疹についても、麻疹の移行抗体を持って生まれてきますので、生後6ヶ月頃までは守られていますが、その後1歳の定期接種まで免疫に十分守られていないことになります。
前置きが長くなりました。ここで任意接種でしたら生後6ヶ月以降であれば麻疹のワクチンを接種することができます。しかし、先ほど言った移行抗体が若干残っている影響で、1歳未満で麻疹のワクチンを接種しても、効果が長持ちしない可能性があるんですね。なので、1歳未満の麻疹のワクチンは「ワクチンの回数にカウントしない」ということになっています。
1歳未満でMRワクチン接種(1回目)→1歳のうちに定期接種(2回目)→年長さんで定期接種(3回目)
の合計3回の接種が必要となります。
メリットはもちろん、1歳まで赤ちゃんを麻疹から守れる可能性があがる、ということです。
デメリットは、1回余分にワクチンを接種する必要があること。1歳未満の副反応が特に多いというデータは見つからなかったんですが、接種すればもちろん副反応の可能性があります(主に、接種後1週間〜くらいで起こる発熱や発疹です)
もう一つの大きなデメリットはお金ですね。麻疹単独ワクチンはほとんど流通していないので、通常MRワクチンを接種することになりますが、少々お高いです……。定期接種であれば公費で接種できますので、余分な出費になってしまう、ということになります。
参考のサイトを見ましたが、どうかな…………? という感じです。もしかするとめちゃくちゃ詳しくてものすごいデータをお持ちの先生かもしれません。(ただ、1歳以降の2回接種について、流行地に行く場合などは定期接種を待たずに2回目を接種することもありますし、それで問題となった事例は私は確認できておりません。そのグラフの根拠はちょっと不明です。)
https://publications.aap.org/redbook/book/755/chapter/14079321/Measles?autologincheck=redirected
移行抗体の影響で1回目のワクチンで十分に免疫がつかない可能性があるというのは事実です。(ただ、そのサイトのグラフは根拠不明です)
そしてこれは確実ではないのですが、生後8.5ヶ月以前に麻疹のワクチンを接種+1歳で麻疹のワクチンを接種した場合、抗体の減弱が早いかもしれないことは示唆されています。6歳になる時に、基準値を満たさなくなるくらいまで下がるかも、というものですね。
https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciae537/7874423#google_vignette
本文中にも書かれていますが、抗体が検出できることと免疫で守られていることはまた別(免疫は抗体だけではなく、いろいろなものが絡んでいるので、この研究では抗体しか見ていないので、実際に免疫で守られているかは他の免疫細胞含めた更なる研究が必要ですし、流行時にはそんなこと言ってられないので1歳未満の接種も進められることになると思います)
1歳未満での麻疹を防げる可能性というのは非常に大きなメリットです。
ただ、流行していない状況ではちょっと話が違ってきますよね。ほとんど感染リスクがない状況でしたら、そのメリットはほとんどないことになります(ここ数年、本当に国内の麻疹が少なくて素晴らしかったのですが……)
逆に、たとえばベトナムに旅行に行こうかという状況だと、このメリットがめちゃくちゃ大きいことになります。
というメリットデメリットをはかりにかけた上で、今の状況で接種するかしないかということになります。現状では、海外からの持ち込みが立て続けに起こってはいますが、国内での流行には至っていません。ただ、今後の状況によってはわかりません。あまりに持ち込みが多いので、なにかの拍子に広がるかもという懸念はあります……
さらに、MRワクチンが不足していまして、もし接種したいと希望しても接種できるかは微妙です(定期接種分だけでもカツカツで……)。
京都でも確かに麻疹患者さんは出ているのですが、本当に近隣に出ている状況でなければ接種はしないかなあ……と思います。かかりつけの先生と同意見ですね。
(ただ、近くの保育園で出た、患者さんが増えてきた等あればまた話は変わってくると思いますし、おっしゃるとおり万博でどうなるかはちょっと未知数です。)
(二つ分まとめて返信していいかわからなかったので、ここで分割しますね)
2025年04月17日 12時12分
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