指名: ドクターK@眼科医  先生

子供の近視の治療について

10代 男性

2015年生まれで現在10歳、2018年生まれで現在7歳の男児についてご相談させていただきます。

小学校に入学してから、2人とも視力が急激に低下してしまいました。
現在の視力は、長男が右0.2・左0.1、次男が右0.8・左0.1です。定期的に眼科で検査を受けており、2人とも眼鏡の着用を勧められています。

夫の家系が近視で、私自身は近視ではないものの、家族に近視の者が多いため、いずれは眼鏡が必要になるだろうとは覚悟していました。しかし、思っていたよりもずいぶん早い段階で必要になってしまい、戸惑いを感じています。特に次男はまだ小学1年生ということもあり、できることならもう少し学年が上がってからにしてあげたかったです。

また、長男は学校で眼鏡をからかわれてしまうことがあるようで、家の中でしかかけたがりません。視力の問題だけでなく、その点も悩んでおります。

近視の進行を抑える方法として、アトロピン点眼やオルソケラトロジーなどがあると聞きましたが、いずれも自由診療である点が気にかかっています。親族が以前、効果の無い高額な自由診療を受けた経験があり、そのこともあって慎重になってしまいます。

子どもたちの将来の目の健康を守れるのであれば前向きに検討したいと思う一方で、本当に医学的根拠のある治療なのか、どの程度信頼できるものなのかをきちんと理解した上で判断したいと考えております。

これらの治療について、医学的な根拠や有効性、安全性の面からどのように考えられているのか、ご教示いただけますと幸いです。

回答済み

眼科

ご相談いただきありがとうございます。


小学校に入学してから視力が急激に低下したとのこと、ご心配なお気持ちは当然だと思います。特にご兄弟で同時期に進行していると、「このままどこまで悪くなるのだろう」と不安になりますよね。


まず、現在の視力についてですが、長男さんの右0.2・左0.1という数値は、学校生活において黒板の文字がはっきり見えない可能性が高い状態です。次男さんも左0.1とのことですので、左右差も含めて注意が必要です。眼鏡を勧められているのは妥当な判断と考えられます。眼鏡をかけることで近視が進むわけではありません。むしろ、見えにくい状態を放置するほうが、学習面や生活の質に影響を及ぼします。


近視は主に眼球の奥行き(眼軸長)が伸びることで起こります。一度伸びた眼軸は元に戻らないため、「治す」というよりも「進行をどれだけ抑えられるか」が重要になります。ご主人のご家系に近視が多いとのことですので、遺伝的要素はある程度関与している可能性がありますが、近年は屋外活動の減少や近くを見る時間の増加も大きな要因とされています。


ご質問のあったアトロピン点眼やオルソケラトロジーについてですが、これらは決して根拠のない治療ではありません。低濃度アトロピン点眼は、海外を中心とした大規模な研究で、近視の進行や眼軸の伸びをおよそ30~60%程度抑制できる可能性が示されています。副作用は低濃度であれば比較的軽度で、重篤な合併症はまれとされています。ただし、自由診療であること、やめるとやや進行が再びみられることがある点は理解しておく必要があります。


オルソケラトロジーも、複数の臨床研究で近視進行抑制効果が確認されています。夜間に特殊なコンタクトレンズを装用し、日中は裸眼で過ごせる点が利点です。ただし、レンズ管理が適切でないと角膜感染症のリスクがあるため、本人とご家族の管理能力が重要になります。また費用は高額になります。


どちらの治療も「完全に近視を止める」ものではなく、「進行を緩やかにする」ことを目的とした治療です。その効果は個人差があり、必ずしも全員に同じ結果が出るわけではありません。しかし、医学的には一定の根拠がある治療と位置づけられています。


もう一つ、費用がかからず、かつ科学的に有効とされている方法があります。それは、1日2時間程度の屋外活動です。自然光を浴びることが近視発症や進行の抑制に関与すると報告されています。これは最も基本的で重要な対策です。


長男さんが眼鏡をからかわれているという点も、とても心配ですね。見えない状態で我慢することは、学習面だけでなく自己評価にも影響する可能性があります。最近は軽量でおしゃれなフレームも多く、「目を守るための道具」という前向きな意味づけをしてあげることも大切です。学校側にさりげなく配慮を相談することも一つの方法かもしれません。


まとめますと、現在の視力であれば、まずは適切な眼鏡装用が優先です。そのうえで、近視の進行速度やご家庭の状況を踏まえ、アトロピンやオルソを検討するという順番が現実的だと思われます。自由診療に不安がある場合は、眼軸長を測定して経過を数値で示してくれる医療機関で相談されると、より客観的に判断できます。


お子さんの将来の目を守りたいというお気持ちはとても大切です。焦らず、しかし放置せず、段階的に考えていくことが良い選択につながると思います。

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2026年02月21日 14時59分


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