指名: 相川晴(HAL)  先生

MR、MMR接種が出来るところを探しています

30代 女性

この度は大変お世話になります。
いつも感染症の情報やアレルギー情報など、大変参考になり、発信いただき誠にありがとうございます。

現在麻疹が流行しているため、改めてMRもしくはMMRを接種していただける病院を探しています。

2歳の時、麻疹単体ワクチンでアナフィラキシーショックを起こしました。
風疹単体ワクチンは大丈夫でした。

大学生、妊娠時に抗体検査をしたところ抗体はほとんどありませんでした。

これまで手当たり次第、様々な病院に接種できるかを確認して参りましたが、どこも断られてしまいます。

海外へ帯同していた時も、海外の病院に尋ねてみましたがこちらもダメでした。

厚生労働省や区の相談窓口にも問い合わせてみましたが全滅です。

やはり過去にアナフィラキシーショックを起こしていると接種は難しいのでしょうか。

子供と夫は接種しており、抗体検査も受けてもらい抗体ありとのことですが、万が一自分が感染してしまうと家族や周囲に迷惑がかかってしまうため非常に不安です。

上記のような状況でも打っていただける病院、もしくは相談できるところなど何かご存知のことがございましたらご教示いただけますと幸いです。

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

回答済み

一般内科 , 総合診療科

ご質問ありがとうございます。

2歳の時に麻疹単体のワクチンでアナフィラキシーショック、風疹ワクチンはOKだった。大学・妊娠時に抗体検査で抗体が少なく、MRワクチンもしくはMMRワクチン接種を検討しているが、海外含めてどこでも断られている。接種は難しいか、相談先はあるか、といったご相談ですね。


かなりいろいろ調べてみたのですが、結論としては接種はやはり厳しい……というお返事になります。


実際にMRワクチンもしくはMMRワクチンに反応する可能性があるかについては、プリックテスト(皮膚にワクチンの液を垂らして、少し針で傷をつけて反応を見るテスト)や、少量皮内に注射をして反応をみるテストなどがあります。アレルギーの検査に慣れているところであれば実施自体は可能と思います。

https://www.jsaweb.jp/modules/stwn/index.php?content_id=18

https://www.jsaweb.jp/uploads/files/gl_hifutest.pdf

ただ、これらの検査は絶対ではない(たとえばアレルギーがあるのにテストでは反応が出ない)ということもありますし、過去に麻しん単独ワクチンでアナフィラキシーショックを起こしていることを考えますと、基本的にはそれを含有しているMRワクチン、MMRワクチンでも反応が起きる可能性が高く、もしテストが陰性だったとしても、アナフィラキシーショックの既往を考えると、ちょっとリスクが大きすぎて接種には踏み切れないと考える先生が多いと思います。おそらくそれでこれまで断られてきたのではないか……と思われます。


一つ、可能性として……の話になるのですが、2歳の時の麻疹のワクチンの種類がはっきりすれば、接種できる可能性もゼロではないです。年代によりますが、当時はゼラチンを含むワクチンで、それに反応してアレルギーの反応を起こすことがありました。1996年頃からゼラチンを使わない製法に切り替わっており、現行のMRワクチンはゼラチンを含んでいないので、もしゼラチンに反応していたなら接種できる可能性もあります。

(これはゼラチンを含む麻疹ワクチンで強い反応を起こしたけれど、ゼラチンを含まない風疹ワクチンでは反応を起こさなかった症例)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci1987/11/4/11_4_288/_pdf/-char/ja

接種したのがゼラチン含有ワクチンであることがはっきりすれば、ゼラチンの検査+現行のMRワクチンのプリックテストをする価値もあるかも……とは思いますが、でもアナフィラキシーショックを起こした既往を考えると、やはりリスクが大きいため接種は難しいという判断をされるところが多いと思います。


相談先も、厚労省や区の相談窓口にも相談されているとなると、あとはPMDAのくすりの相談窓口くらいかなあ……。

ただ、おそらく厚労省等と同様の回答になるかと思います。

https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/0003.html


ここからは個人の意見になりますが、ご自身がお子さんやご家族や誰かにうつしてしまうことを考えて接種を検討してくださっていること、とてもありがたいことと思っています。しかし、ワクチン接種はメリットデメリットで考える必要があります。

相談者の方の状況では、麻疹にかかるかもしれない&かかった場合のリスクよりも、麻疹のワクチンを接種した場合の健康被害のリスクの方が大きいのではないかと考えます。

幸い、ご家族の方はワクチン接種をしてくださっており、さらに抗体検査までして確認してくださっている。大変素晴らしいです。ご家族がかかる可能性は低く、かつ間接的に相談者の方を守る形となっています。やはり一番感染リスクが高いのは家族なので、家族がかからないだけでもリスクは減ります。

ワクチンというのは、接種した人だけでなく、周囲の大切な人も守ることができるんですよね。

そして、守られるべきは、あなたのような方です。いろいろな事情でワクチンをうつことができない人を守るために、ワクチンをうつことができる人が接種して、麻疹を流行らせないようにする。あなたが命の危険をおかしてワクチン接種をするのではなく、周りの人たちが接種して守ってあげる、それがワクチンのあるべき姿じゃないかなあと私は思います。

そして、私自身、そういった方を守りたくて、麻疹の情報発信をしています。


ひとつだけ、もし麻疹患者さんと接触したことがわかった時は早めに医療機関にご相談ください。4〜6日以内であれば、γ-グロブリンという注射で発症を抑えることができる可能性があります。ただ血液製剤ですし、安易に使えるものではないので、よく相談された上でお願いいたします。そういう方法があることを知っておくだけでも、安心材料になるかもしれません。


以上になります。

はっきりと解決策をお示しできず申し訳ないです。

少しでも参考になれば幸いです。

(そして、もしこれを読んだ医療関係の方で、よい解決策や相談先がありましたらご連絡いただけますと嬉しいです)



参考

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2013/133091/201318057A_upload/201318057A0025.pdf

https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=594&setpopflage=true

https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=595

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/mr/index.html

http://www.wakutin.or.jp/medical/pdf/qa_2025.pdf#page=165

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40321139/

https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/measles/detail/index.html

HAL先生、この度はお忙しい中誠にありがとうございます。ゼラチン含有のワクチンでしたので、早速検査に行って参ります。三寒四温の折、何卒心身ともにご自愛のほど何卒お願い申し上げます。

7

2026年02月26日 17時50分


参考になりましたか?
ハートを贈り相川晴(HAL)先生を
サポートしよう!

内科医なのですが、こちらでは補完食(離乳食)についてや、ネットなどの健康情報の疑問などに回答できたらと考えています。

私の実力不足により、お答えできない質問はキャンセルさせていただくことがあります。ご了承ください。
回答まで少しお時間をいただきます。ご了承ください。

ハート、ありがとうございます! お返事ができませんが、少しでもお役に立てたのであればこれ以上嬉しいことはありません。

相談一覧