指名: おとらりんたろう, MD, PhD  先生

子どもが難聴・音響外傷にならないような音との付き合い方について

10歳未満 その他

6歳と4歳の子どもがいます。
子どもが難聴・音響外傷にならないような音との付き合い方がよくわからず、悩んでいます。

①バンドのライブに行っても問題ないのは何歳からでしょうか?
イヤーマフ・耳栓の活用方法・選び方も含め教えてください。

②映画館に行っても問題ないのは何歳からでしょうか?

③テレビを見るときなど、イヤホン・ヘッドホンを使用しても問題ないのは何歳からでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

回答済み

耳鼻咽喉科

指名質問いただきありがとうございます。

お子さんの聴覚を守りたいというお気持ち、とても大切なことだと思います。順番にお答えしますね。

まず大前提として:年齢よりも「音の大きさ」が最も重要です

意外に思われるかもしれませんが、難聴・音響外傷のリスクで最も大事なのは年齢ではなく音量です。内耳(音を感じ取る器官)の構造は、子どもも大人もほとんど変わりません。ですから、どの年齢であっても大きすぎる音を聞けば、元に戻らない難聴を起こすリスクがあります。

目安として、音圧が100デシベル(dB)を超えると、子どもでも大人でも数分間で難聴のリスクが生じます。100dBを超えるのは、たとえばライブ会場のスピーカーのすぐ近くなどです。逆に言えば、音量さえコントロールできれば、年齢そのものを過度に心配する必要はありません。

①バンドのライブについて

何歳から「絶対に大丈夫」という明確な線引きはありませんが、音量の観点から考えてみてください。

スピーカーの近くは100dBを超えることが多く、ここは大人でも子どもでも、耳栓などの遮音がなければ難聴リスクが生じます。お子さんを連れて行く場合に限らず、スピーカーのそばは絶対に避けてください。後方の席であれば、リスクは比較的低くなります。

耳栓・イヤーマフについてですが、形状や種類で「これがおすすめ」というより、現実的には「お子さんが我慢してつけていられるかどうか」が一番の問題になります。普段つけ慣れていないお子さんに、当日いきなり「つけていなさい」と言ってもなかなか難しいものです。事前に家で慣れてもらえるかどうかを基準に、本人がつけられそうなものを選んであげるのが現実的です。

正直なところを申し上げると、4歳・6歳というご年齢で、大音量の音楽を聞く必要性がどれほどあるかは、少し疑問に思います。じっとしているのも難しい年頃ですし、大音量を心地よいと感じることもあまりないでしょう。お子さん自身が「どうしても行きたい」と強く希望されているのでなければ、この年齢ではあまり積極的にはおすすめしにくい、というのが正直なところです。

②映画館について

映画館はコンサートほど大音量のリスクは高くないと考えられます。ですから、ライブよりはハードルは低いとお考えください。

ただし、ご家庭よりは暗く、大きな音がする環境です。お子さんが「暗くて音の大きい環境」を怖がらず問題なく過ごせるかどうかが目安になります。あとは作品の内容しだいですね。本人がその環境で平気そうであれば、行っても差し支えないと思います。

③テレビなどでのイヤホン・ヘッドホンについて

これも特に年齢による決まりはありません。お子さんが嫌がらずにかけていられるかどうか、という点が現実的な基準になります。

そして繰り返しになりますが、ここでも最も重要なのは音量です。大きな音は年齢に関係なくリスクになりますので、ご家庭で聞く際には60dB以下を目安にしてあげてください。60dBというのは、ふつうの会話くらいの音量とイメージしていただくと分かりやすいと思います。「少し離れた人と普通に話せるくらい」の大きさですね。

まとめ

内耳の構造は年齢を問わずほとんど同じで、どの年齢でも音量しだいで不可逆的な難聴が起こりえます。だからこそ、「何歳だから大丈夫」と考えるより、「音量を適切に保つ」ことを軸にしていただくのが一番です。そのうえで、未就学のお子さんが大音量の環境にあえて行く必要があるかどうかは、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

お子さんの耳を大切に思うお気持ちが、何よりの予防になります。どうかご無理のない範囲で、楽しく音と付き合っていけますように。

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2026年06月02日 23時20分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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