アレルギー?緑茶摂取による嘔吐

10歳未満男性

現在4歳半の息子についてです。
緑茶を摂取すると5時間後くらいに嘔吐するということが3歳までに6回あり緑茶アレルギー?と思っています。かかりつけ医は緑茶アレルギーは聞いたことがないとしながらも「緑茶は栄養素としては摂取しなくても問題ないし、年齢があがれば飲めるようになるかもしれない」と除去が適当として、3歳頃から緑茶・抹茶を摂取させていません。特に日常生活で困っていることはありませんが、このままでいいのか?とも思っています。
あまりアレルギー食材として一般的ではないものでアレルギー様反応を起こすこともあるのでしょうか。それとも、原因は別にあると考えるべきでしょうか。

以下は緑茶アレルギーを疑った経緯です。2歳〜3歳頃のことです。いずれも30分以内に数回吐き、その後はケロッとしていました。
1,2,3回目 実家から帰る時に車の中で嘔吐するということが2回と、実家でお昼寝から起きて嘔吐、ということがありました。車での嘔吐は山道を走るので気持ち悪くなった、昼寝から起きた時は体調が悪かった、と思ったのですが、もう何度も行っているし毎回でもなく、なぜ…と考えたところ、いずれもペットボトルのデカフェ生茶半分ほどを飲んでから5,6時間後のことでした。緑茶の摂取はこの時が初めてだったと思います。
4回目 午前中に店で提供された冷たい緑茶を2〜3口飲みました。その後家でお昼寝から起きて嘔吐がありました。
5,6回目 家で寝る前に嘔吐がありました。園のおやつで5回目は抹茶クッキー、6回目はお茶っ葉を混ぜたおにぎりが提供されていました。園には1歳から通っており、これより前にも提供されていたようなのですが、嘔吐したのがその日だったかどうかわかりません。
これ以降園にも除去をお願いし、摂取していません。

ほうじ茶では症状出ません。緑茶というよりカフェイン中毒とか?とも思ったのですが、最初の生茶はデカフェでしたし、チョコレートは食べてもまったく問題ありません(量が全然違うかもしれませんが…)。

具体的症例の相談のようになってしまいすみません。お聞きしたいのは「あまりアレルギー食材として一般的ではないものでアレルギー様反応を起こすこともあるのでしょうか。それとも、原因は別にあると考えるべきでしょうか。」です。よろしくお願いします。

こんにちは。ご相談いただきありがとうございます。


最後にまとめていただいておりますが、「あまりアレルギー食材として一般的なもの(緑茶)でもアレルギー様反応を起こすことがあるのか」というご相談ですね。


今回のご相談への回答としては、お子さんの現状でどう対応した方が良さそうかということと、実際に緑茶などでアレルギーがあるのかと分けた方がわかりやすいかと思いますので、分けて回答させていただきます。


① 4歳のお子さんが、緑茶の摂取 5時間後くらいで嘔吐することを繰り返しているが、どうした方がよいか?


まず、②で説明させていただきますが、緑茶に対してアレルギーを起こすことは稀ではありますが、0ではありません。

ただ、お子さんの症状の経過は、卵アレルギーや小麦アレルギーなどのようないわゆる食物アレルギーの経過と少し異なります。それは、症状が出るまでの時間が長いこと(一般的におおむね2時間以内)、じんましんなど皮膚症状や咳など呼吸器症状を伴っていないこと(複数回エピソードがあれば、何度かはじんましんを伴うことが多いです)があります。


そのため、アレルギーがあるとしても、いわゆる食物アレルギーと少し異なるため、少しずつでも摂取しておいた方がよいという指導は不要だと思います。

その上で、緑茶は必ずしも摂取しなければいけないものではないので、ご不安であれば、しばらく避けていただくことも一つの選択肢だと思います。もう少し年齢が上がって、本人が訴えやすくなってきてからでも良いでしょう(就学前後くらいでしょうか)。

ただ、頻度の低さを考慮した場合や日本の集団生活では緑茶を飲む機会が多いことを考えれば、早い段階で一度確認しておくという視点も大切です。特殊なパターンではあるため、負荷試験を行う場合は入院である程度時間をみた方が良い気もしますが、実際に病院で摂取してみる食物経口負荷試験も一つの手です。

もちろん今までの症状も決して重症度が高い反応ではないことから、担当する医師によっては自宅でもう一度試してみましょうと相談になることも十分あるかと思います。


② 緑茶などアレルギー食材として一般的ではないものでも、アレルギー反応が起こることはあるのか?(少し専門的な内容にはなりますので、流し読みで良いです)


食物アレルギーは、一般的にタンパク質に対する反応のため、卵や小麦などタンパク質が含まれるもの以外ではあまり起こらないと考えられています。しかし、緑茶などポリフェノールの類や糖類などで、稀な例外のようなものとしてアレルギー反応が起こることはあります。(他にタンパク質を含むものであまりアレルギー起こすものと捉えられにくいものでは、例えばお米などでもアレルギーが起こることはあります)


例えば緑茶では、エピガロカテキンガレートというカテキンの一種が職業性喘息(お茶工場職員など)の原因の一つと考えられるという報告があります。非常に稀ではありますが、緑茶の経口負荷試験で陽性となったという報告もあります。

アレルギー診療に従事していると、そんなものではアレルギーは起こらないだろうというものでも、意外と本当に反応が見られるようなことはよく経験されます。


もちろん、一般的ではないもののアレルギーの頻度は極めて稀です。また、職業性など何らかの要因が影響していることが多いと思います。

実際の外来でも、アレルギーに従事している医療者からみて稀な食べ物について、「〇〇が原因かもしれない」と相談された方のほとんどは実際に全く関係がありません。ご指摘いただいているような車酔いや体調不良など他の要因が原因だったと想定されます。


回答としては上記となります。

長文かつやや専門的な内容でわかりにくく、申し訳ありません。


基本的にはしばらく避けていただいてもよいかと思いますが、今後の生活を考えていくと、どこかで負荷試験をするなど一度しっかりと確認していただいた方が生活はしやすくなることが予想されます。負荷試験とするか、自宅で再度摂取してみていただくかなどの相談は、かかりつけの先生もしくはお近くで負荷試験を実施している医療機関でご相談いただければと思います。

*負荷試験を実施している医療機関は食物アレルギー研究会(https://www.foodallergy.jp/ofc/)で確認いただけます。

お礼が遅くなり大変失礼しました。とても参考になりました。こちらも踏まえてかかりつけ医に再度相談し、どっと先生のおっしゃる通り、就学後に挑戦してみることにしました。ありがとうございます。

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2023年03月06日 13時26分


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