つかまり立ちの練習で頭をぶつける

10歳未満男性

いつもツイキュアの先生方のポストを参考にしております。

もうすぐ7ヵ月の子どもがつかまり立ち・お座り・ハイハイの練習の真っ最中です。

ただどれも完全には出来ないので毎日何回か頭をぶつけます。

なるべく慌てて手を差し伸べますが間に合わない時もあったり、時には横になって休んでいる親の身体を支えにつかまり立ちをしようとして転倒するという咄嗟に支えるのは難しい状況もありました。

大体はジョイントマットと呼ばれる硬めのクッション素材のマットの上に倒れますが、それでもゴツンと結構音がします。

フローリングにぶつけた時はさすがに当日お風呂はやめてしばらく経過観察しました。

ネットではマットの上での転倒でも打ち所がわるく入院したというケースを見かけて不安です。

以下4点質問させてください。

1.親としてどの程度こうした転倒に注意してあげたら良いか悩んでます。何かこれだけは気をつけてとか、こういうスタンスで注意してというのはありますか?

2.子どもにサッカーのヘディングは悪影響と聞きますが、同じように程度の軽い転倒でも回数が積み重なり脳などに大きな影響を及ぼすことはあるのでしょうか?

3.うちの子は痛みに鈍いのか転倒時泣くときもあれば割と大きな音がしたのに泣かないこともあります。その後ぐったりとか嘔吐がなければあまり気にしなくてよいでしょうか?

4.市販の「転倒防止リュック」などで検索したら出てくる対策グッズは有効ですか?逆に危険性はないでしょうか?

よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

・つかまり立ちの練習で頭をぶつけてしまうのは大丈夫?

こんばんは。ご相談いただき、ありがとうございます。

「生後7か月の子どもが、つかまり立ちやおすわり、ハイハイ練習の真っ最中です。まだまだ安定しないため、毎日頭をどこかにぶつけてしまっていますが、大丈夫でしょうか。特別注意した方が良いことや頭をぶつけてしまうことの影響について教えてください。」というご相談ですね。


何回も転んだり倒れて頭をぶつけてしまうという状況は、周りで見ているととても心配になりますよね。大きな音を立てたり、時には少したんこぶができてしまうようなこともあるかと思います。

子どもの頃、特に乳児期は体の大きさに対して頭が大きく、手足や体幹の力・バランスがまだ不安定なため、どうしても倒れてしまうことが多いです。ほとんどのお子さんが通る道ではありますが、見ていて不安になられるお気持ちはよくわかります。


ぶつけてしまう場所や環境にはある程度の注意が必要ですが、自分の体の高さの範疇で、自重でバランスを崩して倒れてしまうことによって大きな問題になることはほとんどありませんので、ある程度は落ち着いてみていただいて良いかと思います。


注意する必要があるのは、やはり家具のとがっている角への接触やフローリング・コンクリートなど硬い床、階段やイス・ソファの上など高さがある所からの転落などです。

すでに行われているものもあるかと思いますが、コーナークッションをつけることや、床が転びにくくする工夫、普段過ごす床にはクッションになるマットを配置することなどが有用です。

また、階段やベランダなど危険な場所には立ち入れないように、間取りによってはベビーサークルや個別で柵をつけるなど予防的に対応しておくことが大切です。


1. これだけは気をつけてというポイント

やはり大きな問題が起こりやすいのは、イスやテーブルの上など高さがある所からバランスを崩して、頭から直接落ちてしまうような状況です。

つかまり立ちの延長として簡単に登れるような家具には、特に注意が必要だと思います。


2. 子どものヘディングが危ないと聞いているが、同じように何度も頭をぶつけてしまうことは問題ないのか

ご指摘の通り、ヘディングは悪影響があるという懸念があり、特に子どもの頃には練習もしないようになってきています。これは、ヘディングをたくさん行ってきた選手にさまざまな病気のリスクがあることがわかったという結果をもとに提示されています。

ただ、どういった動きがどのように悪いのかなど具体的な病態ははっきりしていません。そのためどのくらいの回数、どのような動きが加わるとリスクが高くなるのかなどは、明確には指摘できません。

報告されるような元プロサッカー選手の方々は、練習も含めてヘディングを数万回から数十万回行っていると言われています。その回数や衝撃の程度と比較すると、乳児期に頭をぶつけた回数というのはとても少ないものとは思います。

また、ほとんどの子どもたちに繰り返し頭をぶつけるという時期があることからも、生物学的にはあまり大きな悪影響というのは想像しにくいように思います。もちろん回数や程度は、少なく、軽い方がなんとなく安全だろうということも正しいとは考えます。


3. 痛みに鈍いのか、大きな音がしたのに泣かないときもあるが、大丈夫なのか

泣いてしまうか、泣かないかというのは個人差も大きいものですので、一概にはいいきれませんが、お子さん自身にとって予想できる範囲の衝撃であったり、周りに大人がいない状況であったりすると、結構な衝撃に見えたのに泣かなかったということはよくあります。

逆に本当に大したことのない接触でも、すぐそこに親御さんがおられたり、眠くてぐずっているときには大泣きしてしまうということもよくあります。

ご指摘の通り、その後の様子が普段どおりでぐったりしていたり、繰り返し吐き続けているなどの様子がなければ、あまり問題はないということがほとんどだと思います。

(どのくらいなら様子をみたら良いかなど判断が難しいようでしたら、「教えて!ドクター」という無料アプリの”頭をぶつけた”の項目をご参照いただけると参考になるかなと思います)


4. 転倒防止リュックなどのグッズは有効ですか?なにか注意点などありますか?

商品にもよるかと思いますが、例えば床にマットなどを置くことができない環境であったり、ご実家など普段と比べて危険の把握が難しいようなときには少し安心かもしれないなとは考えています。

注意点としては、「リュックそのものが重さになってバランスを崩してしまわないか」「リュックの部分に顔がうずくまってしまったときにしっかり呼吸はできそうか」「誤飲の原因となるような外れやすい部品や部位などはないか」などは少し注意していただく必要があるかと思います。


回答としては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。


なお、環境調整が悩ましいようでしたら、自治体の保健師さんやかかりつけの先生にも意見をうかがってみていただくことをおすすめします。

2

2023年12月14日 18時43分


参考になりましたか?
ハートを贈りどっと@小児科医先生を
サポートしよう!

小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

相談一覧