指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

子宮頸がん 軽度異形成

20代女性

先週子宮頸がんの検診にて軽度異形成と出てしましました。医師からは経過見るようにと言うことで特に指示を受けてはないのですが、禁煙と免疫サプリを飲み始めるようになりました。
先ほど申したように医師からは4ヶ月後の検診まで経過見るようにという事でなにも治療してないのですが、大丈夫なのでしょうか、実の所不安で仕方がないです。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

子宮頸部軽度異形成と診断され、何かできることはないか、というご相談ですね。


子宮頸部異形成は、子宮頸癌の前癌状態です。

前癌状態は軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成(CIN3)であらわされ、ご質問者様は軽度という事ですね。


CIN3以上だと治療が必要です。


CIN2の場合は厳重なフォローアップ、もしくは以下のような時に治療をする事ができます。①1〜2年のフォローで自然消失しない場合、②HPV16.18.31.33.35.45.52.58型のいずれかが陽性の時

③患者の強い希望がある場合

④継続的な受診が困難な場合


CIN1は治療の対象ではなく、6か月ごとに細胞診と必要に応じてコルポスコピーでフォローします。

そのため、次の検診までとてもご不安だと思いますが、何か特別なことをする必要はありません。何もしなくても、9割ほどは自然に消失してしまうのです。よく心配する人がいるのですが、性行為を控える必要はありません。


ちなみに喫煙は子宮頸癌のリスクになりますので、禁煙していただいたとのこと、とても素晴らしいです。

あともう一つ大切なのが、必ず指示された時に検診をすることです。

子宮頸癌の検診で一度引っかかると、何ヶ月かおきに産婦人科を受診する事が多いのですが、途中で受診中断してしまったり、引越しをされた先で新しい産婦人科を受診できずそのままになってしまう方がとても多いです。


ご質問者様はとてもご不安との事で大丈夫だとは思いますが、きちんと指示された時に検診をしていれば、いきなり浸潤癌になってしまう事はまずありません。


禁煙と定期的な検診が一番大事です。あとは睡眠をしっかりとるなどの一般的な健康的な生活をすることも大切です。

CIN1は自然消失する事が多いので、あまり心配しすぎず、検診は忘れずに、過ごしていただけたらと思います。


ここからは治療ではなく検査に関してですが、CIN1とCIN2の方に関しては、HPVタイピング検査をする事ができます。

何型のHPVに感染しているか知る事で、CIN1からCIN2などへの進展リスクを知る事ができます。

例えばCIN1でハイリスクHPVが陰性であれば1年後の細胞診、陽性であれば4〜6ヶ月ごとの細胞診、2回連続で細胞診陰性であれば通常検診、とガイドラインで示されています。


もしタイピング検査をしていないようであれば、担当医と相談の上、検査をしてもいいと思います。


以上ご参考になれば幸いです。

また何かご不安な事があればいつでもご相談くださいね。



5

2023年04月26日 00時04分


参考になりましたか?
ハートを贈り高橋怜奈/産婦人科医YouTuber先生を
サポートしよう!

YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
【質問時】婦人科検診歴(子宮頸癌検診、エコー、性感染症などの時期と結果)、現在の使用薬の種類、量をご記載下さい。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCVR9XnYBIQ4OlGmFPUNGGVQ

相談一覧