指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

就学前の任意予防接種について

10歳未満男性

いつも情報発信やとても為になる質問のご回答などありがとうございます。

予防接種のことについてご相談です。
現在、年中の子供と生後3ヶ月の子供がおります。

年中の子に来年、MR・三種混合+ポリオの任意接種を検討しているのですが、麻疹のニュースや百日咳も増えているというTwitterの情報を拝見し、それらを前倒ししようか悩んでおります。
(MRに関しては元々、10ヶ月の頃に任意しており、1歳で定期接種をしております。)

VPDのサイトを拝見すると、これらの追加摂取は5〜7歳ごろ、就学前を推奨と書かれているのですが実際は年長の時に打つことが多いとお聞きします。

もし現在の年中の年代で接種した場合、免疫が早く切れてしまい後々に罹りやすくなるなど何か不利益はあるのでしょうか。

免疫の切れる頃には(少なくても数年後?)体も成長していると思うので、そこでの上の子を罹患リスクより、現状の3ヶ月の下の子へ万が一うつしてしまった際のリスクを鑑みて早期に接種をさせようか迷っております。

拙い文章で申し訳ございませんが、こどアレ先生のご意見をお伺い出来ればと思います。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。年中児のMR・4種混合ワクチンの任意接種について、年中のお子さん、「生後3か月の兄弟が居る、麻疹や百日咳が増えているという情報を見て近々にMRワクチンと4種混合ワクチンを任意接種で接種するか悩んでいる、MRワクチンは生後10ヶ月時と1歳時の2回接種している、どう考える?」というご質問でした。

まずMRワクチンについてですが、確かに麻疹の感染者が出てご不安かと思います。ただ、現状で全国的に流行している様子は無く、局所的にも大流行しているという報告も今の所無さそうです。

国立感染症研究所の感染症情報センターの「麻疹Q&A」には、「通常、1回の接種で95%以上の人が免疫を獲得」すると書かれており、1回接種での効果は非常に高いと考えられます。また、麻疹ワクチンの2回接種が必要な理由として、「①1回の接種で免疫がつかなかった子どもたちに免疫を与えること、②1回の接種で免疫がついたにもかかわらず、その後の時間の経過とともにその免疫が減衰した子どもたちに再び刺激を与え、免疫を強固なものにすること、③1回目に接種しそびれた子どもたちにもう一度、接種のチャンスを与えること」と書かれております。②の理由では2回目のワクチンは規定通り5歳で良いかと思いますので、①の麻疹の免疫がつかなかった5%以下に該当するかどうかが関係するかと思われます。

お子さんの場合、実際のところ、10ヶ月と1歳とで2回のMRワクチンを接種しており、さらに稀な数%を心配されて、早々に任意接種で臨時にMRワクチンを追加接種する必要性がどれくらいあるかが検討点になろうかと思いますが、「お近くの地域や園での流行状況」「ご家族の麻疹ワクチンの接種歴」「お子さんやご家族の行動範囲=公共交通機関の利用や多数の方と会われるかどうか」などによるかと思います。ご家族が麻疹ワクチンを2回接種しておくことはお子さんの接種以上に重要かと思われます。個人的には、上記の感染のリスクが高くなければ、今後の流行状況を見つつ、お子さんのMRワクチンの任意接種はされずにそのまま様子を見られて良いかと思いますが、上記のことをご参考に、ご家族やかかりつけの小児科の先生ともよくご相談ください。


また、4種混合ワクチンについては、下のお子さんも接種開始されていると思われますし、年中のお子さんに関して急いで接種すべき状況でも疾患でもないかと思いますが、今年と来年の接種では大きく免疫の効果や持続期間が変わることはないと思われますので、ご心配でしたら、任意で接種されても良いかと思います。こちらもご家族やかかりつけの先生とよくご相談ください。

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2023年06月19日 13時11分


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