相談詳細
指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生
児頭骨盤不均衡の原因について
20代女性
回答済み
ご質問ありがとうございます。そしてお子様のご誕生、誠におめでとうございます。
分娩停止の診断で帝王切開をされ、児頭骨盤不均衡だった可能性が高いと言われたけれども、特にリスクに当てはまる事が思い当たらないというご質問ですね。
児頭骨盤不均衡は、胎児の頭が母体の骨盤に比べて大きかったり、母体の骨盤の形の問題などで、胎児がスムーズに産道を通過できずに分娩進行が停止してしまったり、母体に障害をきたすか、それが予想される場合をいいます。明らかに骨盤が狭い、狭骨盤の場合は児頭骨盤不均衡とはいいません。
診断は内診所見、超音波やレントゲンなどで行われます。
ただ、児頭骨盤不均衡の診断や分娩様式を決めるのは実はとても難しく、分娩が終わってから『結果的に児頭骨盤不均衡だった可能性がある』となる事もよくあり、その場合は結果論になってしまいます。
例えば児頭骨盤不均衡が疑われる場合、以下のような事が挙げられます。
・胎児の頭が大きい(具体的には大横径が10cm以上の場合)
・母体身長が150cm以下。
・分娩直前にもかかわらず児頭が骨盤内にはいっていない。(浮いた状態)
・母体の骨盤が狭い。
・骨盤骨の変形。
上記のような所見があって妊婦健診の段階から児頭骨盤不均衡となる事が強く疑われる場合には、妊娠中にレントゲンをとる事もあります。画像検査などで明らかに分娩停止するであろう症例やリスクなるものでなければ、試験的に経腟分娩にチャレンジする事もあります。
一方、全く問題がなかったように思われる症例でも、陣痛はきたけれども分娩停止してしまい、帝王切開になることもあります。その場合、児頭骨盤不均衡が原因だったのか、それとも他の何かが分娩停止の原因だったかを確実に診断する事は難しい事も多いです。
ご質問者様の場合は、帝王切開をした医師から児頭骨盤不均衡だった可能性があると言われたというのであれば、そうだったのかもしれません。術前に骨盤のレントゲンを撮ったりしていないとわからないのです。難しいですね。パッとした解答でなく申し訳ありませんが、ご参考になれば幸いです。
また何かご不安なことがあればいつでもご相談下さいね。
2023年03月02日 14時34分