反対咬合の治療開始時期について

10歳未満女性

カメラ

※添付画像は投稿者ご本人と医師のみ参照可能です

もうすぐ4歳になる娘の反対咬合の治療開始時期について教えてください。

歯科定期検診にて反対咬合のマウスピース治療を開始したほうが良いと言われました。
噛みやすいように動かすため、下顎が発達しすぎており、6歳ごろまで様子見する予定でしたが、このまま6歳まで何もしないと外科手術しなければいけないほどになるとのことでした。

乳歯かつ成長期にマウスピースをつけることによる悪影響はあまり無いと思っていて良いのでしょうか?

日本矯正歯科学会のガイドラインの冒頭を見てみましたが、成長終了後に再度治療が必要になる可能性はあるものの、成長期に治療を開始することによる悪影響は特に記載がありませんでした。が、乳歯に対する矯正についての記載であるのか読み取れず、心配です。

お時間ある際にご回答いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

回答済み

歯科

ご質問ありがとうございます。

お子さんの将来の歯並びや発育、心配になりますよね。


1.前置き

まず前置きをさせて下さい。

マウスピース治療が何を指しているのか分からないので、

可能性として

①アクチバトール:歯の型取りをして作る。

②prefabricated appliance:歯の型取りをしない。日本だと、ムーシールド、パナシールド、マイオブレース、プレオルソあたりが有名ですが、海外製品を含めると無数にあります。画像を検索して頂けるとだいたいのイメージは掴めると思います。

この2つを想定して質問にお答えします。


2.結論

質問に端的に答えれば、

「大きな悪影響は知られていない」

になると思います。


いずれの装置も取り外しが出来るので、むし歯への影響や、歯ぐきが腫れるなどの影響もあまり考えられません。

顎の骨の成長への悪影響という点では、悪影響が出ないようにというよりもむしろ良い影響が出るように、矯正の先生が経過を診るはずです。

とはいえ、考えられる注意点としては以下のようなものがあります。


①その装置を使ったからと言って、”必ず”外科的な治療をしないですむように顎が成長するかは分からない。

②その装置を使わなかったからと言って、”必ず”外科的な治療をしないといけないように顎が成長するかは分からない。

③お子さんが使えないと、効果がない。

④装置の破損による怪我などの可能性はある。

⑤可能性は低いけど、装置を入れたまま飲み物を飲んだり、食べたりしたら、もちろんむし歯のリスクはあがる。


3.補足的なアドバイス

以上が「装置を使うことでの悪影響は?」に対する返信となりますが、

治療を受けるかどうかを迷われているという点に焦点を当てて、もう少しお話をしようと思います。


先程お話したのが、1つの治療法のデメリットという点だけです。

一歩引いて、矯正治療全体で考えると、とても重要になるのは”診断”です。


お写真が前歯の写真なので、前歯の反対咬合が気になられていると思います。

矯正の先生に説明を受けていると思うので、繰り返しになると思いますが、


一般的に反対咬合は

①骨の問題

①-1:下の顎の骨が発達しすぎてる

①-2:上の顎の骨があんまり発達していない

①-3:両方

②歯の問題

②-1:下の歯が前方に倒れていたり、位置が前にある

②-2:上の歯が後方に倒れていたり、位置が後ろにある

②-3:両方

③、①と②の両方

という問題から生じます。


そのどの問題が現在あるのかを調べるのが診断の重要な一面です。

その診断があって、それに対処するための治療法を決定しているはずです。

また、治療は4歳~6歳の期間の単発で終わると考えるよりも、

その後に、「反対咬合が治らなかった場合」「反対咬合が再発した場合」「反対咬合以外の歯並びの問題が生じた場合」の対応についても聞いておかれるのがよいと思います。

(もちろん、すでに聞いておられるかも知れませんが)

その意味でも、その矯正する先生とは長いお付き合いになる可能性があるので、

「納得」が大事だと思います。そのために、

①もっとお話を聞く

②他の矯正の認定医や専門医の先生にも話を聞きにいく

なども一つの方法だと思います。


何か少しでも参考になれば幸いです。

お子さんが元気に育って下さればと祈っております。


【参考文献】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/44/5/44_702/_article/-char/ja/

https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD003451.pub2/full/ja

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30921479/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31597520/

お忙しいところありがとうございます。矯正に関する詳細な診察はこれからですが、かかりつけの歯科以外に矯正歯科認定医がいる矯正歯科にも話を聞きに行こうかと思います。確認しておくべきポイントについてもアドバイスありがとうございます。参考になりました。

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2023年05月24日 09時55分


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はじめまして。
普段の診療は、むし歯治療、歯周病治療、審美修復、入れ歯、インプラント、矯正治療、ホワイトニングなどを扱っています。
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