指名:たぬきち 先生

不妊治療やカウフマン療法による子宮頸がん、体がんのリスクについて

40代女性

現在44歳です。
37歳から約1年間高度不妊治療を行い、1人出産しました。

不妊治療前から元々生理不順ではあったものの、自力で排卵して生理はきており、ひととおりの検査の結果原因不明の不妊とのことでした。

不妊治療を開始してすぐに高刺激での採卵を行い、そこから自力で生理が来なくなってしまいました。D2,3でのホルモンの値はほぼ0だったため、その後は常に高刺激で採卵、ホルモン補充で移植を繰り返しておりました。

幸いにも出産に至ったのですが、産後2年半経っても生理が再開せず、婦人科での血液検査で再び自力でホルモンが出ていないとの結果でした。FSHも低かったため、閉経ではなく脳からうまく信号が出ていないのでは、との見解でカウフマンを行いました。

しかし、カウフマンの2周期めに胸痛があり受診したところDダイマー高値だったため血栓疑惑でエストロゲン製剤禁忌となりました。

その後プロゲステロン製剤のみでカウフマンを行い、3周期後に自力で生理が来るようになりました。未だに周期は長めでやや不安定ではあります。

今後また生理が来なくなった場合、どの程度の期間で受診するのがよいでしょうか?ただ、またホルモン補充を行うことで子宮頸がんや体がんのリスクが高まらないか心配です。そもそも、1年間の不妊治療でどの程度リスクは高まっているのでしょうか?子宮頸がんは年に1回検査をしていますが、体がんは検査をしたことがありません。こちらも検査をしたほうがよいのでしょうか?

見解を聞かせていただけますと幸いです。

回答済み

産婦人科

ご質問及び詳細な状況をお伝え頂きありがとうございます。


・今後また生理が来なくなった場合、どの程度の期間で受診するのがよいでしょうか?

→現在44歳との事ですので、閉経にはやや早いのですが、一般的な閉経の目安は48-52歳です。もう少し広い間隔ですと45-55歳です。

生理が来なくても、それは明らかな異常ではありません。

ただご心配であれば、当面は3ヶ月に1回程度の生理を目安に主治医と相談されるのが良いかとは思います。


・またホルモン補充を行うことで子宮頸がんや体がんのリスクが高まらないか心配です。そもそも、1年間の不妊治療でどの程度リスクは高まっているのでしょうか?

→子宮頸がんは原則的にホルモンとは関係ありませんので、ホルモン補充療法によって発症リスクが上がる事も下がる事もありません。

また、子宮体がんに関しては55-60歳以降もホルモン補充療法を行う事によって発症リスクが上がるという報告はありますが、44歳以下では基本的にはリスクが上がる可能性は極めて低いとお考えください。


・子宮頸がんは年に1回検査をしていますが、体がんは検査をしたことがありません。こちらも検査をしたほうがよいのでしょうか?

→子宮体がんに関しては、エコーでの所見で異常がなければそれ以上の検査は必要ありません。

検査で子宮体がんを早期発見できたり、それによって生命予後が改善するという根拠が極めて乏しいからです。

ご心配であれば、1-2年に1回の子宮頸がん検診の際に、エコーで子宮も確認される事をお勧めします。


上記の回答で、少しでもお力になれれば幸いです。

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2023年06月21日 18時44分


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産婦人科医として10年間以上の勤務歴があります。
これまでの勤務先では生理・避妊などの女性特有のお悩みや性感染症などのご相談や治療を行ってきましたが、特に子宮頸がん治療にも専従していました。
現在は子宮頸がん検診やオンラインでの低用量ピルなどの処方、HPVワクチンの説明を行っています。
「自分が女性だったらどんな医療相談が望ましいか」
を常に意識していますので、ご遠慮なくご相談ください。

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