インフルエンザワクチンの2回接種
40代女性
関節リウマチと診断され、1年が経ちました。
今年は既にコロナとインフルエンザが流行しており、園に通う子供がいずれかの感染症を持ち帰る事を想定して10月の頭にはインフルエンザワクチン接種、中旬にはコロナワクチンの7回目を検討しています。
今年はどの程度インフルエンザの流行が続くか読めないので、2回の接種を検討しているのですが(リウマチを患っている事も踏まえ)その場合2回目の接種はいつ頃が良いのでしょうか？
それともインフルエンザワクチンは2回打つ必要は無いでしょうか？
リウマチの薬を服用している為、この様な質問をさせていただきました。
宜しくお願いします。
回答済み
ご質問有難うございます。また、ご心配はごもっともですよね。
内服薬の内容からも関節リウマチの発症当時の疾患活動性の高さが伺われます。現在のご調子は如何でしょうか。
コロナワクチンとインフルエンザワクチン両方の接種をご検討とのことで、それ自体は強くお勧めしたいところです。但し、インフルエンザワクチンは、これまで毎年接種しておられるのであれば、2回接種によって免疫による防御能が（1回接種の場合と比較して）高まる可能性は、残念なことにあまり高くないと思われます。
小児が「インフルエンザワクチンを2回接種する」理由は、非常に簡略化して言えば、まだ小児はインフルエンザウイルスにもワクチンにもあまり曝露されていないので、1回目で「免疫系にインフルエンザウイルスを教える」、2回目で「免疫系の反応をブーストする」ため、という理由です。なので、既に長期の免疫記憶がインフルエンザウイルスを（うろ覚えの状態で）覚えている大人であれば1回（ブーストするだけ）で十分と考えられています。
インフルエンザワクチン 1回接種の効果を増強させるために
- メトトレキサートを接種後1週間（1回）休薬する
- ジセレカを接種後1週間休薬する
といった方法はある程度有用とするデータがありますが、これは関節リウマチ悪化のリスクと隣合わせですので、関節リウマチのコントロール状態をご存知の外来主治医の先生とよくご相談になってください。
もしどうしても2回接種、というのであれば、小児と同じく4週間以上空けての接種になりますが、個人的には専門外来での診療でお勧めしたことはありません。
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以下にやや専門的になりますが、参考資料へのリンクを貼っておきます。
（免疫抑制剤使用中の患者におけるワクチン：総説）
https://www.ccjm.org/content/87/11/695
（高用量ワクチン・アジュバント使用インフルエンザワクチンについて：いずれも本邦では使用不可能ですが、現時点で強くおすすめするほどのデータもありません）
https://www.cdc.gov/flu/prevent/adjuvant.htm
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33422377/
2023年09月17日 22時37分
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