めまいとの付き合い方

40代女性

先月末に朝起きて少し経ったらクラクラする感じの目眩症状が出ました。数十分ぐらいで症状が改善したので、パートに行きました。

それ以降、毎日その時程ではないですが、クラクラとかふらつくような目眩症状があります。

元々、耳鳴りと耳が詰まった感じがあり耳鼻科に通っています。後、低音域が同年代の人よりも聴力が低いそうです。今の所聴力はそれ以上酷くはなってません。

今通っている耳鼻科には病名は言われていません。

何とか日常生活は出来ていますが、パートと買い物の時に症状が出るので辛いです。ずっと症状があるわけではないのですが、立っている時と、動く物や、縞柄の物とか見たり、カートを動かすと気持ち悪くなる事があります。
後、自分が付けているマスクが視界に入ると気持ち悪くなる事もあります。

ベタヒスチンメシルを頓服薬で処方されてましたが、最近買い物前に飲むと症状が軽減されたので、それを今日耳鼻科の先生に伝えた所、1日3回になりました。それで日常生活が少しでも楽になれば良いなと思ってます。

休んでいれば治るようなものでもなさそうなので、ある程度は仕方ないとは思っているのですが、いつ症状が軽減されるかも分からないし、これ以上酷くなったらどうしようとか考えてしまう事もあります。

目眩の事ばかり考えないで、ストレスためないで、運動したりすれば良いとか見たので、散歩したり、家で毎日少しでもと思いストレッチとかやってます。

それでも、先が見えないので疲れてしまいました。何か上手くやり過ごすアドバイスなどあったらお願いします。

回答済み

耳鼻咽喉科

ご質問いただきありがとうございます。耳鼻咽喉科専門医の音良林太郎と申します。1ヶ月程度、めまいのような症状が続いている、改善するためにはどうしたらよいか困っている、ということですね。徐々に改善吐きたいできます。方法として生活習慣による改善、運動療法、そしてめまいリハビリを提示します。


まず、診断について考えていきます。8月末の朝起きたときからクラクラする感じと耳づまり感が続いている、聴力検査では低い音が少し悪いと指摘されたということですね。症状的には明らかに耳性めまい(=三半規管を原因とするめまい)といい切れない印象がありますが、可能性は高いと考えます。というのも、耳性めまいの診断には眼振といって、特有の目の動きを観察することが必須です。耳鼻咽喉科で病名については何も言われなかったということは、眼振は無かった可能性が高いと考えますので、〇〇病というような病名がつくほどはっきりわからないということでしょう。

また、耳づまり感があるということですが、左右どちらかという記載がありません。耳閉感および低音域の難聴とめまいを繰り返す疾患としてメニエール病がありますが、通常メニエール病では左右どちらかの内耳に障害が起こります。両側急に出ることは極めて稀ですので、今のところメニエール病とは考えにくいでしょう。一方、ベタヒスチンメシルを内服して症状が改善している点については耳性めまいの可能性もあることを示唆しています。ということで診断確定は難しいですが耳性めまいの可能性もあるのでその対応を考えていく、という形で解釈していきたいと思います。


継続する症状への対応策として、1.生活習慣の改善、2.運動療法、3.めまいリハビリを推奨いたします。

まず、生活習慣の改善についてです。めまいはストレス、疲労、睡眠不足を原因に起こすことが多いです。ですので、ストレスがもしあるならばその原因への対応をする、睡眠時間をしっかり確保する、といったことを気をつけてください。

次に運動療法です。繰り返すめまいに対しては有酸素運動が有効と言われています。と言ってもあまり負荷の高い運動ではなく、週3回以上、1回30分以上のウォーキングが有効というデータがあります。よく仕事で体を動かすのだが、と反論されることがありますが、仕事以外でこの時間を取るのが必要と考えられています。

そして、めまいリハビリテーションです。三半規管を原因としためまいの場合、三半規管を鍛えること、また目や首の筋肉で補助することで症状を軽減できます。具体的には、腕を前方に伸ばし、親指を立て、目と首を動かす運動です。めまいリハビリについては多くの書籍やインターネットでの紹介ページがあります。久我山病院の文書はよくまとまっていて参考になりますので、ぜひ行ってみてください(目首運動と書かれている部分です)。


相談者様の場合ですが、ご自身で調整し、生活習慣改善にはすでに取り組まれているようですね。運動療法についても検討されているということ。1日30分はなかなか確保が難しいかもしれませんが、都市部なら1駅分歩くなど、工夫されてみてはいかがでしょうか。

また、めまいリハビリもお勧めです。1回10分程度で終わる簡単な運動です。めまい症状がおちついてからも継続して行うことで、もしめまい発作の再発があっても症状が軽く済むというメリットもあります。


めまいは発作後もしばらく症状が続くので嫌ですよね。もし耳性めまいという診断があっていれば症状は徐々に改善が期待でき、長くても1ヶ月程度で症状が収まってくることが期待できます。一方、もし症状が全く良くならない場合は診断自体が間違っている可能性があります。定期的な通院・経過観察をうけるのは継続していきましょう。


以上回答させていただきます。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

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2023年10月04日 20時16分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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