指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

長引く副鼻腔炎の症状について

40代女性

9月の末に鼻が出るようになりました。咳も出てきたので耳鼻科を受信し、咳止めと痰切り、鼻うがいを処方されました。

その数日後、声が出なくなりそれは1日で軽快したのですが、鼻詰まり、咳が悪化し、頭痛と歯の痛みも出てきたため再度受診(初回受診の1週間後)したところ、レントゲンを撮って副鼻腔炎との診断になりました。

クラリスロマイシンを処方され翌朝から飲み始めたのですがその日の午後に発熱(37度台後半)、発熱外来でコロナとインフルエンザの検査をしましたが陰性でした。

翌朝には平熱になったのですか、午後からまた発熱(37.5度前後)し、またそれ以降ここ4日ほど同じような感じで午後になると発熱します。昨日は微熱だったのでよくなってきたかと思ったのですがまた今日は37度台後半です。

熱の他に、だるさ、頭痛、頬と歯の痛み、鼻詰まり、咳の症状があり横になっていてもあまり休めません。このような状態は副鼻腔炎ではよくある症状なのでしょうか?

処方されたクラリスロマイシン、アンブロキソール、モンテルカスト、デザレックスは服用し、鼻うがいも一日に何回かしていますが、なかなか改善されず副鼻腔炎になったのが初めてなので戸惑っています。

少しでも症状を和らげ回復を早めるために日々の過ごし方で気をつけることなどありましたらアドバイスいただけますと幸いです。また、2週間分のクラリスロマイシンを処方されましたが、2週間を待たずに再診したほうがよい症状の目安なども教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。

回答済み

耳鼻咽喉科

指名質問いただきありがとうございます。9月末から鼻詰まり、咳、頭痛と歯の痛みから副鼻腔炎と診断。治療をうけるものの症状が2週間程度続いているということですね。結論から申し上げますと、もちろん休養、安静は基本ですが、少し投薬内容の変更も検討の余地があるかもしれません。


まず診断ですが、症状・レントゲンの所見を合わせますと急性副鼻腔炎という診断まではまず間違いないと思います。急性副鼻腔炎は副鼻腔と呼ばれる鼻の奥の空間に対する細菌もしくはウイルスの感染症です。症状として発熱、鼻汁、後鼻漏、顔面痛、歯痛、痰、咳といったものが生じます。ウイルスと最近はおよそ半分半分であるとされ、ウイルスの場合は一般的な風邪と同様、自然に治るのを待ちますが、細菌感染では抗菌薬が有効となります。風邪の延長でも生じる疾患ですので、誰でもなるリスクがあります(私も罹患したことがあります)。


一般的に急性副鼻腔炎では肺炎球菌もしくはインフルエンザ桿菌と呼ばれる細菌が原因菌です。こういった菌に対してはペニシリン系という、一番基本的な抗菌薬が最も有効と考えられており、急性副鼻腔炎のガイドラインにも記載されています。


相談者様の場合、2週間程度、頭痛・顔面痛・頬部痛・歯痛・鼻汁・咳が続いているということで、ウイルス性というよりは細菌性の可能性があるように思います。クラリスロマイシンの処方を受けているということですね。クラリスロマイシンは抗菌薬の中ではすこし殺菌作用が弱めですが、ウイルス感染にも効果があるかもしれない、と考えられているタイプです。主治医の先生はもしかしたらウイルス感染を疑ったのかもしれませんが、症状が続いているということでペニシリン系のような殺菌作用の強い薬剤に一度切り替えを検討する余地があるかもしれません。連休明けでも症状が続いているようであれば、主治医の先生に「症状が全然よくならず、強い抗生剤にする方法はありますか?」などと相談していただくのはいかがでしょうか。

もちろん、感染症に対する治療の基本は安静・療養です。できれば お仕事等は休み、栄養をしっかり取って休養を取ることは並行して行ってください。


以上回答させていただきます。急性副鼻腔炎、つらいですよね。早期のご回復をお祈りしております。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

1

2023年10月09日 11時45分


参考になりましたか?
ハートを贈りおとらりんたろう, MD, PhD先生を
サポートしよう!

耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

相談一覧